
こんにちは
どうなさいましたか?

蕁麻疹にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
「蕁麻疹が治まったと思ったら今度は乾燥肌に…」 「季節の変わり目になると肌トラブルが悪化する…」 「ストレスや睡眠不足が肌に影響しているのかも…」
このようなお悩みを抱えていませんか?実は、蕁麻疹と乾燥肌、そしてストレスや睡眠との間には、東洋医学的に見ると深い関連があるのです。
本記事では、蕁麻疹から乾燥肌へと症状が変化する仕組みと、季節による影響、そして改善のための具体的な方法をご紹介します。
なぜ蕁麻疹が乾燥肌へと変化するのですか?
以下のような症状でお悩みの方がいらっしゃいました。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 蕁麻疹がアレルギーの薬で一時的に落ち着いていた
- お腹を下した後から薬を飲んでも乾燥肌になってしまった
- 冬には症状が落ち着くが、春になると再び悪化する
- ローションなどのスキンケアを試しても改善しない
主な症状:
- ストレスが多く眠れないことが頻繁にある
- 日中は常に眠気を感じる
- カフェインの入っていないハーブティーを1リットル飲んでいる
これらの症状から、蕁麻疹と乾燥肌の関係、そして季節変化による影響について考えてみましょう。
蕁麻疹はなぜ起こるのでしょうか?
東洋医学では、蕁麻疹は皮膚表面において気と水がうっ滞することで起こると考えます。
蕁麻疹は単なる水泡とは異なり、ある程度の勢いをもって一か所に留まっている状態です。これは、ストレスなどによって生じた一方向へ向かう気の流れに周辺の水分が巻き込まれ、皮膚から体内へと回収されないことで、皮膚表面にブツブツとした発疹となって現れます。
また、皮膚には食べ物の成分を一時的に蓄える働きがあります。体に合わない食品を摂取した場合、その有害物質を皮膚に「預け」、そこから外へ排出することで体内を守ろうとする防御反応として蕁麻疹が現れることもあるのです。
どうして乾燥肌になってしまうのですか?
皮膚は常に外界の影響を受け、乾燥しやすい環境にありますが、通常は体内から適切な潤いが供給されることで、健やかな状態を保っています。しかし、何らかの原因でこの潤いの供給が滞ると、徐々に乾燥肌へと変化していきます。
乾燥肌になる主な原因は以下の2つです:
- 体全体の乾燥:過労や夜更かしが続くと、潤いの消費が補給を上回り、体全体が乾燥状態になります。また、冷たい食べ物の摂り過ぎや食べ過ぎによって消化機能が低下すると、潤いを生成する機能も弱まります。
- 潤いの輸送障害:潤いはあっても、それを皮膚まで届ける気の巡りに問題があると乾燥肌になります。ストレスや緊張が長く続くと気の流れが滞り、体の中心部に潤いが溜まったままになって、皮膚表面まで行き渡らなくなります。また、体が冷えている場合や疲れやすい体質の場合も、潤いを末端まで届けるパワーが不足します。
ストレスはなぜ不眠を招き、肌にどう影響するのですか?
睡眠のためには、脳を穏やかな状態にする必要がありますが、ストレスによる身体や心の緊張が続くと、興奮状態が続いて眠りにつきにくくなります。
ストレスによる不眠が肌に与える影響は大きく、以下のような悪循環を生み出します:
- 睡眠時間の減少により、日中の活動で消耗した体の潤いを回復する時間が不足する
- 潤いの不足によって体は重要な内臓機能を優先的に守るため、皮膚への潤い供給を減らす
- 睡眠不足による潤い不足を補おうとして日中に強い眠気を感じる
こうした状態が続くと、乾燥肌はさらに悪化し、様々な肌トラブルを招きます。
なぜ冬に落ち着いて春に悪化するのですか?
季節の変化が肌状態に与える影響は非常に興味深いものです。
冬は外気温が低く湿度も下がるため、一般的には肌が乾燥しやすい季節です。しかし、このケースでは冬に症状が落ち着いていました。これは、体内にもともと余分な熱があり、それが冬の低温環境によって中和された可能性があります。
また、冬は気の巡りも穏やかになりがちで、強い一方向の気の流れが一時的に収まることで、蕁麻疹なども落ち着いていたと考えられます。
一方、春になると植物の芽が一斉に吹き出すように、体内の気も外側へと勢いよく動き始めます。この変化によって、ストレスで滞っていた気が強い熱を生み、皮膚の乾燥を促進します。さらに、この熱を帯びた気が皮膚へと一方向に向かう際に水分を巻き込み、蕁麻疹として現れるのです。
睡眠不足による潤いの不足は、こうした気の滞りをさらに悪化させ、症状を強めてしまいます。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方の症状を改善するためには、体の潤いを回復し、気の巡りを整えることが重要です。
1. 睡眠の質を高める
潤いを補充するために、質の良い睡眠を確保することが最優先です。睡眠不足は体の潤いを減少させ、ストレスに対する耐性も低下させます。その結果、気の滞りが生じて余分な熱が発生し、乾燥肌などの症状が悪化する悪循環に陥ります。
2. 適度な運動と呼吸法
気の巡りを改善し、ストレスを発散するために、適度な運動を日課に取り入れましょう。心地よい疲労感を感じられる程度の運動が、質の良い睡眠にもつながります。
寝つきが悪い時には、以下の呼吸法を試してみてください:
- 布団の上で座り、臍の下の丹田(たんでん)に意識を集中させながら呼吸する
- 足から息を吸うようにイメージし、背中を通って頭から吐き出す
- 天の気を頭から吸い込み、背中を通して足から吐き出すイメージで呼吸する
これらの呼吸法を実践する際は、歯を噛みしめていないか、顔や頭に余計な力が入っていないかを確認し、力みを感じたらまず緩めることが大切です。
3. 潤いを補う食材の活用
気の巡りを整え、心を穏やかにし、潤いを補充するのに役立つ食材を積極的に取り入れましょう:
- セロリ:気の巡りを改善
- 春菊:余分な熱を冷ます
- 梨:潤いを補充
- 竜眼肉(りゅうがんにく):心を穏やかにする
- 百合の根:潤いを補う
- 蓮の実:心を落ち着かせる
これらの食材をバランスよく取り入れることで、体内環境の改善が期待できます。
漢方薬による体質改善
このような乾燥肌や蕁麻疹、不眠の症状に効果が期待できる漢方薬としては以下のようなものがあります:
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):ストレスによる気の滞りを改善し、余分な熱を冷まします
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血の巡りを良くし、潤いを補います
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう):体内の余分な熱を取り除き、肌トラブルを鎮めます
※これらは特定の体質改善に効果が期待できる漢方薬であり、症状が複雑な場合には単独では効果が現れないこともあります。ピヨの漢方では、お一人おひとりの体質や症状に合わせた漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:蕁麻疹と乾燥肌の根本改善へ
蕁麻疹から乾燥肌への変化、そして季節による症状の変動は、東洋医学的に見ると、気と水のバランスの乱れが原因となっています。ストレスや睡眠不足がこの乱れをさらに悪化させる要因となっているのです。
根本的な改善のためには:
- 質の良い睡眠を確保し、体の潤いを回復する
- 適度な運動と呼吸法で気の巡りを改善する
- 潤いを補う食材を意識的に取り入れる
- 必要に応じて漢方薬による体質改善を検討する
これらの方法を継続的に実践することで、蕁麻疹や乾燥肌の根本的な改善が期待できます。季節の変わり目による症状の悪化も、体内環境が整うことで徐々に緩和されていくでしょう。
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