【体質改善】吹き出物と乾燥肌に悩む30代女性の漢方的アプローチ

皮膚の悩み
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

吹き出物にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

お肌のトラブルは見た目の問題だけでなく、心の健康にも大きく影響します。特に、吹き出物やニキビ、乾燥肌に悩まされている方は多いのではないでしょうか?

これらの肌トラブルは、単に外側からのケアだけでは解決しないことがほとんどです。東洋医学では、肌荒れは内側からのサインと考え、体質や生活習慣の乱れが原因として捉えられています。

今回は、吹き出物や乾燥肌に悩む33歳女性の体験談から、東洋医学的な視点での体質分析と改善法をご紹介します。同じようなお悩みを抱える方の参考になれば幸いです。

この方の外見的な特徴とお悩みの症状

まずはこの方の特徴とお悩みについて見ていきましょう。

外見的な特徴

  • 33歳女性
  • 身長:158cm
  • 体重:49kg
  • BMI:19.63
  • 顔色:赤ら顔
  • 皮膚:乾燥している
  • 髪の毛:乾燥し、細くて薄い
  • 舌の状態:舌先に赤みが目立ち、苔に剝れがある

主な症状:

  • 顔の吹き出物
  • 背中のニキビ
  • 乾燥肌
  • 既往歴:アトピー性皮膚炎、緑内障、花粉症

特に季節の変わり目に症状が悪化するとのこと。その他、疲れた時、ストレスを感じた時、お酒を飲んだ時、お菓子を食べた時にも悪化するようです。

ニキビはどうして発生するの?

ニキビの発生メカニズムを理解するため、まずは皮膚の構造を見ていきましょう。

皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層に分かれており、表皮はさらに5層に分かれています。皮膚の細胞は基底層で作られ、表層に向かって押し出されていき、最終的に角質層となって垢として剥がれ落ちます。

この新陳代謝のサイクルをターンオーバーと呼び、個人差はありますが通常30~50日周期で繰り返されています。

角質層は細胞核の抜けた細胞が積み重なり、体を守る壁の役割を果たしています。血液が流れていないため、栄養を与えるには体の内側からの潤いが必要です。

また、皮膚には常在菌が存在し、外部からの刺激から体を守る働きをしています。これらの常在菌同士でバランスを保つための「勢力争い」が常に起こっているのです。

例えば、ニキビの原因となるアクネ菌は、通常は肌を弱酸性に保つ助けとなりますが、毛穴が詰まると急激に増殖して炎症を起こし、ニキビとなります。

東洋医学から見たニキビの原因

東洋医学では、ニキビの原因を以下のように考えています:

  1. 毛穴の塞がり:ターンオーバーの乱れによるもので、陰陽のバランスが関係しています。細胞分裂を活発にする「陽気」と、それを制御する「陰の潤い」のバランスが崩れると、過剰な細胞分裂が起こり、毛穴が塞がります。
  2. 皮脂の分泌過剰:食事内容とストレスが大きく関係しています。味の濃厚なものや脂っこいものを食べすぎると、体内で処理しきれず、皮脂として大量に分泌されます。
  3. アクネ菌の繁殖:上記の2つが重なることで、アクネ菌が増殖し、ニキビとなります。

さらに、ストレスによる気の滞りも大きな要因です。ストレスは気の流れを乱し、角質を厚くさせたり、皮脂分泌を過剰にしたりする原因となります。

この方の体質分析

この方の症状や特徴から、以下のような体質が考えられます:

  1. お腹の働きの弱さ
    • 1日4回の排尿(普通量)
    • 1日1回の排便(柔らかすぎる便)
    • 食べたものをうまく吸収できていない様子
  2. 水分代謝の停滞
    • 喉の渇きがある
    • 足や顔に浮腫みがある
    • 尿量が少ない
    • 体の中の水分を温めて巡らせる力が弱い
  3. 上半身の熱と乾燥
    • 舌先の赤み
    • 赤ら顔
    • 皮膚や髪の毛の乾燥
    • 体の上部には熱や血の乾燥が存在
  4. 血や潤いの不足
    • 髪の毛が乾燥し抜けやすい
    • 体温は高くないが熱っぽく感じる
    • 月経血の量が少なめ
  5. 気の滞り
    • ストレスで症状悪化
    • 季節の変わり目に悪化
    • 緑内障、花粉症がある
    • 月経前に胸が張る
    • ゲップやガスが出ると楽になる

これらを総合すると、お腹の働きの弱さと体の冷えが背景にあり、そこにストレスが加わった状態と考えられます。体の循環が悪いために上半身だけが熱を持ち、潤いや血液は十分に届いていない状態です。

さらに、栄養吸収の問題もあり、皮膚のターンオーバーも乱れ、ストレスによる気の滞りが加わることで、ニキビや吹き出物が生じているのでしょう。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の体質改善には、以下のような自然療法がおすすめです:

1. 飲食の見直し

お酒とお菓子の摂取を控えることをおすすめします。特に:

  • お酒は少量なら血行を促進しますが、多量では気血のコントロールが効かなくなり、水分の滞りを引き起こします
  • 甘いものの食べ過ぎは、体内で「粘っこいドロドロした状態」を作り、お腹に負担をかけます
  • 甘いものが欲しい場合は、自然な甘さのもので添加物の少ないものを少量だけにしましょう

2. 水分摂取の工夫

  • 味付きの飲料は体が必要以上に飲んでしまいやすく、余分な水分が循環を妨げます
  • 熱中症の危険がある時期以外は、水分摂取量を適度に調整しましょう

3. サプリメントの見直し

  • 植物性プロテインやマルチビタミンなどのサプリメントは、医師の処方でないものはお腹への負担になる可能性があります
  • 可能な限り、栄養素は食事から摂るようにしましょう

4. 適度な運動

  • 軽く汗ばむ程度の散歩が効果的です
  • 体の循環が良くなり、ストレス解消にもなります
  • ただし、緑内障の方は心拍数が過度に上昇するような激しい運動は避けましょう

これらの生活習慣の見直しにより、体の内側からの改善が期待できます。特に、循環を良くすること消化機能を整えることが重要です。

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

この方のような体質改善に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これらは特定の体質の改善に効果が期待できる一般的な漢方薬であり、個人の症状に合わせたものではありません。

  • 温清飲(うんせいいん):体の熱を冷まし、血熱を取り除くことで肌荒れを改善する漢方薬。特に上半身に熱がこもりやすい体質の方に適しています。
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):ストレスによる気の滞りを改善し、イライラや不安感を和らげる効果があります。ホルモンバランスの乱れにも効果的です。
  • 四物湯(しもつとう):血の巡りを良くし、血虚(血の不足)を改善する基本的な漢方薬。乾燥肌や肌の色つやを改善します。

症状が複雑な場合、これらの漢方薬単独では効果が現れにくいことがあります。また、個人の体質や症状によって最適な漢方薬は異なりますので、漢方専門家による相談をおすすめします。

まとめ

今回ご紹介した33歳女性の事例から、吹き出物や乾燥肌の原因として、体質や内側からのアプローチが重要であることがわかりました。

特に、この方の場合は:

  1. お腹の働きの弱さと冷えが背景にある
  2. 水分代謝の停滞により、体の上部だけが熱を持つ状態になっている
  3. 栄養吸収の問題により、血や潤いが不足している
  4. ストレスによる気の滞りが症状を悪化させている

こうした問題に対して、飲食の見直し、水分摂取の工夫、適度な運動などの自然療法が効果的です。また、体質に合った漢方薬も改善の助けとなるでしょう。

肌トラブルは一朝一夕で改善するものではありません。根気よく体質改善に取り組むことが、真の意味での肌の健康につながります。

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ピヨ先生
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