【66歳女性の体験談】夏でも靴下が必要な深刻な冷え性、その原因と改善方法とは?

体調不良
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

冷え性にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

年齢を重ねるにつれて、冷えの症状が深刻になってきたと感じている方は多いのではないでしょうか。

特に女性の場合、更年期を過ぎてからの冷え性は、ただ寒いだけでなく、頻尿や不眠、胃腸の不調など、様々な症状を併発することがあります。

今回は、夏でも靴下が欠かせないほどの深刻な冷え性にお悩みの66歳女性の体験談をご紹介します。貴重な体験談をシェアしていただき、ありがとうございます。

この方の症状や体質を詳しく分析することで、同じようなお悩みを持つ方の参考になればと思います。

外見的な特徴とお悩みの症状など

身体的特徴

  • 年齢:66歳(女性)
  • 身長:155cm
  • 体重:50kg
  • BMI:20.81
  • 皮膚は乾燥気味
  • 髪の毛は細く薄い
  • 舌の色は赤っぽく紫色が部分的にある
  • 舌に歯の痕がある
  • 舌の裏の静脈は細いがよく見える

主な症状:

  • 昔からの冷え性で近年悪化
  • 夏でも靴下が欠かせない
  • 秋口から頻尿と夜間尿
  • 気圧の変化で目眩と耳の塞がる感じ
  • 寝付けない、早朝覚醒などの不眠症状
  • 胃腸が弱く便秘になりやすい
  • 寝汗がある

なぜ冷え性になってしまうのでしょうか?

まずは、冷え性になる根本的な原因を理解してみましょう。

体温よりも外部の温度が低い場合、体からは必ず熱が奪われています。最近の猛暑日を除けば、冷え性になる可能性は常にあるのです。

冬になると冷えが目立つのは、外部の温度が体温よりもかなり低くなるため、体表から熱が大きく奪われているからですね。

人間の体は、気(き)の温める働きによって体温を維持しています。その気は血にくっついて血管の中を運ばれているんです。

外部環境によって体が冷やされても、内側から外側への気血の巡りが保たれていれば、温かいままでいられます。

しかし、何らかの理由で気血の巡りが悪くなると、体は温められなくなって、冷えを感じるようになってしまうのです。

この方の体質にはどのような特徴があるのでしょうか?

ご投稿いただいた情報から、この方の体質の特徴を分析してみましょう。

腎陽不足による冷えの症状

夏でも靴下が欠かせないことから、体の芯部の熱源である腎陽(じんよう)の不足がありそうです。

水を巡らせる原動力となる腎陽が低下しているため、以下のような症状が現れています:

  • 水分が上部へ持ち上がらず、そのまま出口へ向かうため頻尿になる
  • 巡りが悪く取り残された水分が汗として出やすくなる
  • 雨の日に体調が悪くなる
  • 体の中に水分が充満している状態

胃腸の状態について

食欲には大きな問題がなく、便もコロコロ便であることから、脾気(ひき)の吸収する力にそれほど問題はなさそうです。

しかし、停滞している水分がお腹への負担となり、さらに熱源への負担ともなっているようですね。

便が出ないことがあることから、腸管の動きを調整する胃気は滞りがちで、巡らせる力の不足があります。食べると腹が張ることから、気の巡りも順調ではない状態です。

腎陰不足による乾燥症状

水分が溢れている一方で、不眠や皮膚の乾燥、目の疲れなど、体の上部を中心に乾きの症状があります。

舌の色が赤っぽいことからも、潤いの基となる腎陰(じんいん)にも不足があり、これが以下の症状を引き起こしています:

  • 夜間の寝汗
  • 脳を適度に冷却できずに起こる不眠
  • 潤い不足により生じた相対的な熱の上昇

血流の滞りによる症状

停滞している水分が邪魔をして、天候が悪い時にはさらに巡りが悪化します。これにより:

  • 眩暈やふらつき
  • 耳の塞がったような感じ
  • 舌の裏の静脈が細いが見える状態

これらの症状から、巡りの勢いが不足している様子が感じられますね。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

水分摂取の見直しが重要です

気になったのが、喉の渇きがないということです。

体の中に水分が停滞しているため、喉の渇きがなくても不思議ではありません。しかし、1日に12回という尿の回数や浮腫みから、体の中には水分が充満している様子が感じられます。

これは、体が必要とする以上に水分を摂り過ぎている可能性があります。

体の熱源が弱く、水分が充満している状態を例えると、火力が弱いお風呂に水が充満している状態です。そこにさらに水を足してしまうと、お風呂の水は溢れて、ますます水の巡りが悪くなってしまいます。

もし水分を摂り過ぎているかもと心当たりがありましたら、水分の摂り方を工夫してみてください。

適度な運動で気血の巡りを改善しましょう

体の熱を作るためには運動が欠かせません

無理のない範囲で、近所の公園などで散歩をして、体を動かすようにされるとよいでしょう。

運動によって期待できる効果:

  • 気血が強制的に巡るようになる
  • 体の機能が向上する
  • 停滞している水分が排除される

もし運動不足かもと心当たりがありましたら、ぜひお試しください。

質の良い睡眠を心がけましょう

心地よい疲れを感じたら、早めに部屋を暗くして睡眠を取るようにするとよいでしょう。

適度な運動で体を疲労させることで、自然な眠気が訪れやすくなります。

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

この方のような腎陽不足を伴う冷え性体質の改善に効果が期待できる漢方薬をご紹介します。ただし、これらは特定の体質改善に効果が期待できる漢方薬であり、必ずしもこの方に合う処方ではないことをご理解ください。

  • 真武湯(しんぶとう):腎陽不足による冷えや水分代謝の改善に使用される代表的な処方です
  • 八味地黄丸(はちみじおうがん):腎陽と腎陰の両方を補い、頻尿や冷えの改善に効果が期待できます
  • 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん):水分代謝を改善し、浮腫みや頻尿の症状緩和に用いられます

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が十分でない場合があります。当店では、お一人お一人の体質や症状に合わせた個別の漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

66歳女性の冷え性体験談を通じて、腎陽不足による複合的な症状について詳しく見てきました。

この方の場合、単純な冷えだけでなく、水分代謝の異常、気血の巡りの悪さ、腎陰不足による乾燥症状など、複数の要因が絡み合っています。

改善のポイントは以下の通りです:

  1. 水分摂取の適正化:必要以上の水分摂取を控える
  2. 適度な運動:気血の巡りを強制的に改善する
  3. 質の良い睡眠:体の回復力を高める
  4. 体質に合った漢方薬:根本的な体質改善を図る

冷え性は体質的な問題ですが、適切なアプローチで改善することは十分可能です。同じようなお悩みをお持ちの方は、まず生活習慣の見直しから始めてみてくださいね。

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ピヨ先生
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