
こんにちは
どうなさいましたか?

不眠にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
夜なかなか眠れない、眠りが浅くて疲れが取れない…そんな睡眠のお悩みを抱えている方は少なくありません。
今回は、不眠症にお悩みの35歳男性の方から貴重な体験談をシェアしていただきました。東洋医学の視点から、なぜ不眠が起こるのか、そしてどのような改善法があるのかを詳しく解説していきます。
あなたの睡眠の質向上にも、きっと参考になるはずですよ。
外見的な特徴とお悩みの症状など
今回ご相談いただいた方の基本情報をご紹介します。
- 年齢:35歳
- 性別:男性
- 身長:172cm
- 体重:47kg
- BMI:15.89
身体的特徴:
- 顔色は白っぽい
- 髪の毛は薄い
- 舌の色は白っぽく、歯の痕や溝、割れ目がある
- 舌の苔の上の水分は水っぽい
- 舌の裏の静脈が太く膨らんでいる
主な症状:
- 不眠症
- 肩こり
- イライラ
- 食欲不振
- 疲れやすさ
既往歴:
- 気胸
- 脂漏性皮膚炎
- 乾癬
症状の特徴:
- 寒い日や仕事でストレスが多い日に悪化
- 暖かい日は症状が軽くなる
- 甘いものや揚げ物、ジャンクフードを避けて体質改善中
そもそも健康的な睡眠とは?東洋医学の視点で解説
質の良い睡眠を取るためには、興奮した脳を穏やかな状態に落ち着かせることが重要です。
東洋医学では、脳の活動を調整しているものを**「心気(しんき)」**と呼びます。この心気は、私たちの意識状態や睡眠と深く関係しているのです。
心気の機能が正常で気血が充実していれば、以下のような状態になります:
- 意識活動が明瞭になる
- 思考が穏やかに保たれる
- 物事に敏捷に対応できる
心陽と心陰のバランスが鍵
心気が正しく機能するためには、次の2つの要素がバランスよく保たれる必要があります。
心陽(しんよう): 活動の源となる熱源 心陰(しんいん): 活動を穏やかな状態に制御する冷却水の役割
これをコンピューターに例えると分かりやすいでしょう。脳の働きはCPUのような計算装置です。コンピューターを起動するには電気エネルギーが必要ですが、同時に過剰な熱による負担もかかります。
そのため、正常な機能を維持するには、動かすためのエネルギーと同時に、ファンや冷却水によって適温に保つ仕組みも必要なのです。
人間の脳も同じように、心陽と心陰のバランスが保たれて初めて正常に機能します。
この方の体質はどのような特徴があるの?
ご投稿いただいた情報から、この方の体質の特徴を東洋医学的に分析してみましょう。
陽気不足の兆候
以下の症状から、体を温める熱源である陽気の不足が考えられます:
- 手足が冷える
- 寒がり
- 寒い日になると症状が悪化する
水分代謝と血流の問題
舌に歯の痕がある、舌の裏の静脈が膨らんでいることからも、以下のことが分かります:
- 体の水分を動かす力が不足気味
- 血の巡りが良く巡っていない
- 陽気の勢いが弱い
不眠とイライラのメカニズム
体の中の水分や血は、体の熱によって動かされ広がっています。熱の不足があると広がる勢いは弱くなるため、上部へと血を届けることができなくなります。
そうなると脳を穏やかにするための潤いや血は届かなくなるので、脳は穏やかさを保つことができず不眠となりますし、イライラを生じさせやすくもなります。
また、イライラなどは気の巡りを悪化させます。そのため冷えに気の滞りが合わさると、気血の動きが停滞感を生じさせ、末端部へと拡がれないため手足が冷えますし、肩こりなどの原因ともなります。
消化機能への影響
体の熱源には、体の働きの根源を支える働きがあるため、ここが低下すると、お腹の働きも低下します。
そのため:
- 食欲が無く多く食べられなくなる
- 食べても吸収できないため、軟らかすぎる便になる
- 吸収したものを気や血に作り変える機能も低下
- 巡りも悪化するため、疲れやすくなる
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
体質改善のために甘いものや揚げ物、ジャンクフードを避けているとのことですので、食事に関してはとても良い取り組みをされていますね。
瞑想法による改善
眠りの状態を整えるためにも、瞑想法をおすすめします。
呼吸と共に、骨盤底筋を鍛える方法が効果的です。時間ができた時などにお試しください。この方法により、心身のリラックス状態を作り出すことができます。
お腹のマッサージ
お腹のマッサージも非常に効果的です。
仰向けになった状態で、ご自身の手でお腹を気持ちの良い範囲で緩める方法です。押している際に、固く突っ張っている部位に手を当てて、手の温かさで緊張を解きほぐすようにしていると、お腹の働きも改善してきます。
瞑想と共にお試しくださいね。
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
この方のような陽気不足による不眠症の体質改善に効果が期待できる漢方薬をご紹介します。ただし、これらはあくまで陽気不足体質の改善に効果が期待できる漢方薬であり、この方に特定して合う漢方薬ではないことをご理解ください。
- 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
体を温めながら精神を安定させる効果があり、不眠や神経過敏に用いられます - 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
消化機能を高めて全身の気を補い、疲労感や食欲不振の改善に効果的です - 人参養栄湯(にんじんようえいとう)
気血を補い、体力を回復させながら精神状態を安定させる作用があります
症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果がない場合があります。ピヨの漢方では、一人ひとりの体質に合わせた漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、35歳男性の不眠症の体験談をもとに、東洋医学的な視点から睡眠障害の原因と改善法をお伝えしました。
不眠症の根本的な原因は、単に「眠れない」という症状だけでなく、体全体のバランスの乱れにあることが分かりましたね。特に陽気不足による心陽・心陰のバランスの崩れが、様々な症状を引き起こしていることがポイントでした。
改善には、食事の見直しに加えて、瞑想法やお腹のマッサージなどの自然療法が効果的です。また、体質に合った漢方薬を取り入れることで、根本的な体質改善も期待できます。
睡眠の質を向上させることは、日中のパフォーマンス向上にもつながります。ぜひ今回ご紹介した方法を参考に、あなたも質の良い睡眠を手に入れてくださいね。
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