アトピーで汗をかくと痒くなる原因とは?体質に合わせた対策法

皮膚の悩み
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

アトピーにお悩みの方から
質問をいただきましたよ

梅雨から夏にかけて、アトピー性皮膚炎の症状が悪化する方は少なくありません。特に「汗をかくと痒くなる」という悩みは多くの方が抱えているものです。

今回は、実際にアトピーで汗をかくと痒みが出る26歳女性の体験談をもとに、なぜ汗で痒くなるのか、そして体質に合わせた改善法について漢方医学の視点からご紹介します。

汗と痒みの関係を理解することで、つらい症状を和らげるヒントが見つかるかもしれません。ぜひ最後までお読みください。

この26歳女性はどのような体質なのでしょうか?

今回ご相談いただいた方の体質を詳しく見ていきましょう。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 26歳女性
  • 身長150cm
  • 体重39kg
  • BMI 17.33
  • 赤ら顔
  • 舌は白っぽく、歯の跡や溝があり、苔は水っぽく白い

主な症状:

  • 汗をかくと首回りやひじの内側が痒くなる
  • 掻いた場所はガサガサと乾燥して赤くなり、粉を吹く
  • お湯やドライヤーの風が当たると痒くなる
  • 雨の日の朝はだるさを感じる
  • 日光で瞼が痒くなる
  • ストレスを感じると掻き癖が出る

この方の体質を漢方医学的に分析すると、体の上部では「乾燥」が目立つのに対し、体の中心部や下部では「水分の停滞」があるという特徴が見られます。

皮膚や髪、唇の乾燥感は「血の不足」を示す一方で、雨の日の不調や舌の状態は「水分の停滞」を示しています。また、月経前の胸の張りやイライラ、のぼせなどは「気の滞り」の兆候です。

手足は冷えるのに顔がほてる状態は、気の滞りによって熱が中心部に充満し、その熱が上昇している状態と考えられます。

なぜ汗をかくと痒くなるのでしょうか?

私たちの体は、体温が上昇すると皮膚表面にある汗腺から汗を出し、その汗が蒸発するときに熱を放出することで体温を調整しています。

健康な状態では、汗を押し出す働き汗の出る量を調整する働きのバランスがとれています。しかし、このバランスが崩れると様々な不調が現れます。

特に以下のような場合に汗をかくと痒みが強くなりやすいのです:

  • ストレスが強い場合:汗を押し出す働きが強くなりすぎ、皮膚表面に熱が集中
  • 皮膚が乾燥している場合:汗の出る量を調整する機能に不具合があり、熱がこもりやすい
  • 過労や夜更かしで体が乾燥している場合:皮膚の乾燥に加え、熱も集まりやすい
  • 体が冷えている場合:皮膚を潤す潤いが届かず乾燥状態になり、そこに熱が来ると痒みが発生

つまり、皮膚の乾燥体内の熱のバランス崩れが、汗をきっかけに痒みを引き起こす主な原因と考えられます。

この体質の方の根本的な問題とは?

この方の体質の特徴をまとめると:

  1. 体表面の乾燥:必要な潤いや血液が表面まで届いていない
  2. ターンオーバーの乱れ:潤い不足により皮膚のターンオーバーが制御できず、肌が粉を吹く
  3. 水分の停滞:体の下部に動きの悪い水分が滞っている
  4. 気の滞り:ストレスなどによる気の滞りが血液や水分の巡りを妨げている
  5. 消化機能への影響:気の滞りがお腹の働きにも影響し、食後の不調や皮膚の材料を作る働きの低下を招いている

これらの要因が複合的に作用し、汗をかくと皮膚表面に熱が集中して痒みにつながっていると考えられます。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の体質を改善するためには、以下のようなアプローチが効果的でしょう:

  1. 血液や潤いを巡らせる働きを高める
  2. 血液の材料となる栄養素を補充する
  3. 消化機能を応援する
  4. 気の巡りを良くしてストレスを緩和する

幸いにも、この方は食事面でたんぱく質を中心にバランスの良い食事を心がけ、適度な運動も行っているため、アトピーは回復傾向にあるようです。

ただ、甘いものとコーヒーがお好きとのことなので、以下の点に気をつけると良いでしょう:

  • 良質な甘味を選ぶ:黒糖や蜂蜜などの素朴な甘さのものがおすすめ(市販のお菓子は添加物に注意)
  • お腹を温める:寝る前にお腹のマッサージやコンニャク湿布で肝臓や腎臓、下腹部の丹田などを温める
  • 体を温め血行を促進する食材を取り入れる:シナモン、ブドウ、ココアなど(ただしシナモンはアレルギー反応に注意)

これらの対策により、丈夫な皮膚が作られ、お風呂の時間もリラックスでき、アトピーの症状改善につながるでしょう。

体質改善におすすめの漢方薬

この体質タイプの改善に期待できる漢方薬をいくつかご紹介します(※特定の方向けではなく、一般的な情報としてお読みください):

  • 四物湯(しもつとう):血を補い、血行を促進する基本的な漢方薬。皮膚の乾燥や血行不良に効果が期待できます。
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):気の滞りを改善し、ストレスからくる症状に効果的。イライラや不安感、のぼせなどにも対応します。
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血の巡りを良くし、水分の停滞を解消するのに役立ちます。

ただし、症状が複雑な場合には単独では効果が現れにくいこともあります。ピヨの漢方では、お一人おひとりの体質に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ:アトピーと汗の痒みを改善するために

アトピーで汗をかくと痒くなる原因は、皮膚の乾燥体内の熱のバランス崩れにあることがわかりました。

この方の場合、体表面の乾燥と体内の水分停滞、気の滞りが複合的に作用して症状を引き起こしています。

改善のポイントは:

  1. 血液や潤いの巡りを良くする
  2. 良質な栄養補給を続ける
  3. 適度な運動を続ける
  4. ストレスを緩和する
  5. お腹の働きを高める

これらに気をつけながら、体質改善を目指していきましょう。少しずつでも体質が変われば、汗をかいても痒くならない丈夫な肌に近づくことができます。

YouTubeでも解説しています。

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