アトピー・乾燥肌に悩む方へ 腎陰虚タイプの体質改善法

皮膚の悩み
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

アトピーにお悩みの方から
質問をいただきましたよ

アトピー性皮膚炎や乾燥肌でお悩みの方は少なくありません。特に大人になってから症状が悪化するケースも多く、治療に悩まれている方も多いのではないでしょうか。

今回は、38歳女性の方から寄せられた体験談をもとに、東洋医学的な視点からアトピーと乾燥肌の原因を探り、体質改善のヒントをお伝えします。この方は幼少期からアトピー性皮膚炎があり、大人になってから症状が悪化したというケースです。

皮膚の問題は見た目だけでなく、痒みによる睡眠障害など日常生活にも大きな影響を与えます。その根本的な原因を東洋医学的に解明し、自然な方法で改善していく道筋を一緒に考えていきましょう。

外見的な特徴とお悩みの症状

まずはこの方の特徴をご紹介します:

  • 38歳の女性
  • 身長:165cm
  • 体重:65kg
  • BMI:23.88

主な症状:

  • 小さい頃からのアトピー性皮膚炎(大人になってから悪化)
  • 特に手の甲や両腕の乾燥が酷い
  • 強い痒みがあり、睡眠中にも痒みで目が覚める
  • 皮膚がピリピリして、手の甲にシワができている
  • 睡眠導入剤を使用するも寝つきが悪く、中途覚醒がある
  • 食品アレルギー(お米、大豆、豚肉など)がある

また、体の特徴として、皮膚や髪は乾燥気味で、舌の色は赤っぽく溝や割れ目があり、舌苔の上の水分も乾燥して少ない状態とのことです。

なぜ肌荒れや乾燥が起こるのでしょうか?

皮膚は常に外界からの刺激にさらされています。健康な肌を保つためには、古い皮膚細胞が新しい細胞に入れ替わる「ターンオーバー」が正常に行われる必要があります。

このターンオーバーを正常に保つためには、身体の内側から皮膚に必要な栄養が届けられ、不要になった代謝物が回収される、内側と外側との巡りが保たれていることが重要です。

ところが、この巡りが阻害されると、皮膚への栄養供給が滞り、不要物が皮膚周辺に停滞して肌荒れを引き起こします。東洋医学では、痒みの原因は「滞り」だと考えています。

皮膚の健康が崩れる原因としては、以下のようなものが考えられます:

  • 体の冷え
  • お腹の働きの低下
  • 余分な水分の充満
  • 血液の巡りの悪さ
  • 食事の不摂生
  • ストレスなどの精神的影響
  • 過労や夜更かしによる乾き

この方の体質はどのようなタイプでしょうか?

投稿いただいた情報から、この方の体質の特徴を東洋医学的に見てみましょう。

皮膚の乾燥や髪の抜けやすさ、不眠傾向から、体の表層は血や潤いの不足が感じられます。体温は高くないのに熱っぽく感じる、疲労時や夜間に手足が熱くなるという点からも、潤いの不足が読み取れます。

寝つきの悪さや夢を多く見る、夜中に目が覚めてしまうといった症状は、体の潤いの基となる「腎陰」の不足が背景にあると考えられます。これが脳を穏やかにする「心血」を不足させている可能性があります。

また、月経が2週間続く、月経血の量が多い、耳鳴りがあるなどの症状から、腎気の低下が見られ、腎気の「固摂作用」(大切なものを留めておく働き)の異常が感じられます。

腎陰の不足により、相対的に体内の熱が過剰になり、これが皮膚や髪を乾燥させ、痒みの原因となっています。また、この熱が上部に上がることで、立ちくらみやめまいの症状も引き起こしているのでしょう。

一方で、「雨の日は体調が悪い」「頭が重く感じる」といった症状から、体内に余分な水分の充満もあることがうかがえます。腎陰不足により気血が末端まで行き渡らず、水分が停滞している状態と考えられます。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の体質は、腎陰の不足による相対的な熱の過剰と、余分な水分の停滞が特徴です。このような体質の改善には、以下の自然療法がおすすめです。

まずは食事の工夫から始めましょう。体の熱を冷まし、潤いを補充してくれる葉物野菜などを積極的に摂ることが大切です。ただし、食品アレルギーがあるとのことですので、アレルゲンとなる食品は避けながら、体質改善に役立つ食品を取り入れていきましょう。

睡眠に関しては、中途覚醒後に再び眠ることが困難とのことですが、完全に眠れなくても体を休める時間を確保することが重要です。仰向けやソファーでリラックスし、瞑想を行うのがおすすめです。

投稿時間が早朝4時頃というのは、眠れずに起きて活動されていたのかもしれません。しかし、体を休めるべき時間に活動してしまうと、ますます体の潤いが不足し、皮膚症状の悪化につながります。

頭は冴えていても、体に休息を与えるつもりで、自然な呼吸を行いながら瞑想を試してみてください。考えが浮かんできたら、まぶたをパチパチさせるなどして雑念に気づき、考えに巻き込まれないようにすると、脳も休息でき、回復に役立ちます。

この瞑想法は就寝前に行うと入眠しやすくなるので、こちらもぜひお試しください。

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

腎陰虚タイプの体質改善に効果が期待できる漢方薬をご紹介します。ただし、これはあくまでも一般的な腎陰虚タイプの改善に役立つ漢方薬であり、この方に特定して推奨するものではありません。

  • 六味地黄丸(ろくみじおうがん):腎陰を補い、のぼせや熱感を鎮める効果があります。体の乾燥や潤い不足の改善に役立ちます。
  • 知柏地黄丸(ちばくじおうがん):六味地黄丸をベースに清熱作用のある生薬を加えたもので、体内の熱を取り除く効果が強化されています。
  • 当帰飲子(とうきいんし):腎陰を補うとともに、血の巡りを改善する効果があります。皮膚の乾燥や痒みの改善に役立ちます。

症状が複雑な場合には、これらの漢方薬を単独で用いても十分な効果が得られないことがあります。ピヨの漢方では漢方相談を行っていますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

今回ご紹介した38歳女性の方は、東洋医学的に見ると腎陰虚タイプの体質特徴が見られました。この体質では、体の潤いの不足による相対的な熱の過剰と、水分の停滞が起こり、アトピーや乾燥肌、不眠などの症状として現れます。

改善のためには、以下のポイントを心がけましょう:

  1. 体を冷やし潤す食品を積極的に摂る
  2. 睡眠の質を高めるため、就寝前の瞑想を取り入れる
  3. 眠れなくても体を休める時間を作る
  4. 体質に合った漢方薬で内側からのケアを行う

アトピーや乾燥肌の改善には時間がかかりますが、根本的な体質改善によって症状を軽減させることができます。焦らず、自分のペースで生活改善に取り組んでみてください。

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