赤ら顔の原因と対策:東洋医学的アプローチ

皮膚の悩み
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

赤ら顔にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

緊張すると顔が赤くなってしまう…そんな悩みを抱えている方は少なくありません。「赤ら顔」は見た目の問題だけでなく、体の内側からのサインかもしれません。

東洋医学の視点から見ると、赤ら顔には体内のバランスの乱れが関係していることが多いのです。今回は、赤ら顔に悩む43歳女性の体験談をもとに、その原因と改善策をご紹介します。

顔が赤くなる原因を知り、日常生活でできる対策を取り入れて、自信を持って過ごせるようになりましょう。

赤ら顔に悩む方の体験談

まずは、ご相談いただいた方の特徴をご紹介します。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 43歳女性
  • 身長:170cm
  • 体重:62kg
  • BMI:21.45

主な症状:

  • 緊張すると動悸がして赤ら顔になる
  • 普段の顔色は普通だが、緊張すると赤みが増す
  • 皮膚や髪の毛は乾燥気味
  • 舌先に赤みが強く、舌に歯の痕がある
  • 舌には溝や割れ目がある
  • 舌の苔は白〜黄色で、舌の奥にかけて厚く存在
  • 舌の裏の静脈は太く膨らんでいる

なぜ顔が赤くなるの?東洋医学からの視点

東洋医学では、赤い顔色は「熱の状態」を表すと考えます。まずは、体内で熱が作られる仕組みについて考えてみましょう。

人間の身体が熱を生じさせる仕組みには、基礎代謝、食事による熱産生、身体活動によるものがあります。中でも基礎代謝が最も大きく、消費エネルギーの約6割を占めています。

この基礎代謝は、赤血球によって運ばれた酸素が細胞へと届けられ、それがエネルギーとなって細胞活動が活発になることで発生します。血液が適切に流れていれば、体は状況に応じた適度な熱を作り出します。

顔は特に毛細血管の密度が高く、頬の血管はお腹と比べて5倍もの毛細血管が通っていると言われています。そのため、血液の流れの変化が顕著に表れやすい部位なのです。

赤ら顔には主に2つのタイプがあります:

  1. 鮮やかな赤み:熱が盛んになった状態。気持ちが高ぶって興奮したり、恥ずかしいと感じたりすると、心拍数が上昇し、血管が拡張して、呼吸が盛んになります。これにより赤血球と酸素の結合が進み、顔が赤くなります。
  2. くすんだ赤み:潤いの不足による相対的な熱の強さ。これはお風呂に例えると、火力は正常だが水が少なすぎて沸き立っている状態です。体温は高くないのに熱感を感じるのは、体内の水分が冷却水としての働きを十分に果たせていないためです。

この方の体質的な特徴は?

ご相談者の症状から、以下のような体質的特徴が考えられます:

  • 気の巡りの偏り:緊張が誘因となって動悸が起きることから、気の巡りに乱れがあると思われます。
  • 熱の上昇:肩こりがあることから、気の巡りは上向きに偏っており、これが熱を上に上昇させているようです。そのため、舌先が赤い、のぼせやすい、皮膚や髪の毛の乾燥などの症状が現れています。
  • 水分の偏在:体全体では血液不足ではないものの(BMIは正常、生理周期や経血量も正常)、気の巡りの偏りにより血液の分配にムラが生じています。
  • 水分の停滞:舌の状態から、体の下部には水分が停滞している一方で、その水分を上へと持ち上げる力が不足しています。つまり、気は上昇するが、血や水分はついていけていない状態です。
  • 冷却機能の低下:体の上部では乾燥により熱を制御できないため、緊張で熱が上昇すると赤ら顔になってしまいます。

では、この方におススメの自然療法を教えて下さい

以上の体質的特徴を踏まえ、以下の対策がおすすめです:

1. 水分摂取の見直し

喉の渇きをあまり感じないとのことですが、これは体が要求する以上に水分を摂取している可能性があります。過剰な水分摂取が体内に余分な水分を溜め込み、適切な水分循環を妨げているかもしれません。

おすすめの飲水方法

  • 熱中症の心配がない季節は、喉の渇きを感じてから飲むようにする
  • 一度に大量に飲まず、少量ずつこまめに飲む
  • 飲んだ後、しばらく様子を見て、まだ渇きを感じるようであれば再度飲む

2. 適度な運動の習慣化

運動は気の流れを改善し、体内の水分循環を促進します。緊張により中心部に集中してしまう気の流れを、末端部へと分散させる効果があります。

おすすめの運動

  • まずは軽い散歩から始める
  • 無理のない範囲で徐々に運動量を増やす
  • 気分転換になる運動を選ぶ

3. 体の緊張のチェックと解放

普段から無意識に体のどこかに力が入っていると、それが精神的な緊張を引き起こす原因にもなります。

リラックス法

  • 定期的に体の力みをチェックする習慣をつける
  • 顎、眉間、お腹、喉、手などの緊張をチェック
  • 力みを見つけたら、息を吐きながらゆっくり緩める
  • リラックスした時の体の感覚を覚えておく

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

赤ら顔や体内の水分循環の偏りに効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これらは一般的な情報であり、個人の体質や症状によって効果は異なります。

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):気の巡りの乱れによる精神不安や動悸、のぼせなどに用いられます。緊張しやすい方の心身の安定に効果が期待できます。
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):ホルモンバランスの乱れによるのぼせや肌荒れ、イライラなどに効果的です。体の上部の熱を冷まし、水分の巡りを改善します。
  • 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):体内の水分代謝を整え、めまいや頭重感を改善します。水分の停滞による症状に効果的です。

症状が複雑な場合には、単一の漢方薬では効果が十分でない場合があります。ピヨの漢方では、お一人おひとりの体質や症状に合わせた漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

赤ら顔の悩みは、体内のバランスの乱れが原因となっている場合が多くあります。特に、水分の巡りが悪く、体の上部で乾燥が起こると、熱を適切に制御できず、緊張した際に赤ら顔になってしまうのです。

改善のためには、適切な水分摂取、適度な運動、体の緊張を解放する習慣を取り入れることが大切です。これらの自然療法を日常生活に取り入れることで、バランスの取れた体を目指しましょう。

体質改善には時間がかかりますが、少しずつ習慣を変えていくことで、必ず変化は訪れます。焦らず、ご自身のペースで取り組んでみてください。

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