不眠と疲れが取れない症状の原因とは?東洋医学による体質改善アプローチ

不眠
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

不眠にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

現代社会では、睡眠薬を服用しても疲れが取れない、布団から出られないといった深刻な不眠と疲労の症状にお悩みの方が増えています。

今回は、46歳男性の方から寄せられた貴重な体験談をもとに、東洋医学の視点から不眠と疲労の根本原因を解明していきます。単なる症状の対処ではなく、体質そのものを改善するアプローチをご紹介しますので、同じようなお悩みをお持ちの方はぜひ参考にしてください。

外見的な特徴とお悩みの症状など

基本情報:

  • 年齢: 46歳男性
  • 身長: 165cm
  • 体重: 65kg
  • BMI: 23.88

身体的特徴:

  • 顔色は白っぽい
  • 皮膚や髪の毛の乾燥
  • 舌の色は白っぽく、形も薄い
  • 舌苔の水分は水っぽく剥がれている箇所がある
  • 舌の裏の静脈は細いがよく見える

主な症状:

  • うつ病、不眠と診断済み
  • 睡眠薬を服用中
  • 疲れが取れない
  • 1日中布団の中で過ごしている状態

そもそも健康的な睡眠とは?東洋医学の視点で解説

質の良い睡眠を取るためには、興奮した脳を穏やかな状態に落ち着かせることが重要です。

東洋医学では、脳の活動を調整しているものを**「心気(しんき)」**と呼びます。この心気は、私たちの意識状態や睡眠と深く関係しているのです。

心気の機能が正常で気血が充実していれば、以下のような状態になります。

  • 意識活動が明瞭になる
  • 思考が穏やかに保たれる
  • 物事に敏捷に対応できる

心陽と心陰のバランスが鍵

心気が正しく機能するためには、次の2つの要素がバランスよく保たれる必要があります。

  • 心陽(しんよう): 活動の源となる熱源
  • 心陰(しんいん): 活動を穏やかな状態に制御する冷却水の役割

これをコンピューターに例えると分かりやすいでしょう。脳の働きはCPUのような計算装置です。コンピューターを起動するには電気エネルギーが必要ですが、同時に過剰な熱による負担もかかります。

そのため、正常な機能を維持するには、動かすためのエネルギーと同時に、ファンや冷却水によって適温に保つ仕組みも必要なのです。

人間の脳も同じように、心陽と心陰のバランスが保たれて初めて正常に機能します。

この方の体質にはどのような特徴がありますか?

ご投稿いただいた情報から、この方の体質の特徴をお伝えしますと、以下のような状態が考えられます。

気の巡りの滞り

胸が張って苦しい、腹が張って苦しい、体のあちらこちらが痛むことから、気の巡りは滞りがちのようです。

上昇する気の異常

吐き気がある、肩こりがあることから、気の巡りは滞ったまま、体のコントロールとは別に、上方へと向かう力が生じています

血や熱の不足

手足が冷える、寒がり、顔色も舌の色も白っぽいことから、血や熱の不足がありそうです。

水分代謝の異常

上部へと向かう流れと、巡りの勢い弱さが、1日に10回と回数は多いものの、少量しか出ない尿量から、出口にまでたどり着けられなくしている様子が感じられます。

熱源の不足

腰痛があることから、巡らせる原動力である熱源の不足がありそうです。

脾気の機能低下

手のひらに汗をかきやすい、立ちくらみしやすい、ふらつきやめまいが多いなど、お腹の働きを調整する脾気の機能低下もありそうです。

水分停滞の症状

雨の日は体調が悪い、口が粘る、頭が重く感じられることが多いなど、余分な水分があちこちに停滞している様子がうかがえます。

一方で、上方では、目が充血しやすい、目が疲れやすく乾燥しやすい、不安感が強いなど、潤いや血は不足がちです。

疲労と食欲不振の悪循環

疲れがとれない、食欲が無い多く食べられない、食べると腹が張りやすいなど、気の不足から起こる症状ですが、気の巡りが悪い事からも起こります。

そのため、巡りの勢いの弱さに、気の滞りが合わさると、余計に必要な部位へと気血は届かなくなるため疲れがとれないのかもしれません。

また、脳を穏やかにする血が届けられないため、不眠になりやすくなります。そして、不眠によって気血の補充のチャンスが少なくなってしまうため、余計に気血は不足してしまい、疲れがとれなくなるのかと思います。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

体の方の機能も少し低下しているように感じられますので、比較的体調の良い日には、布団の上で出来る気功法などをして、体を動かすのも良いかもしれません。

仰向け気功法のやり方

Step 1: 基本姿勢を整える まずは仰向けになり、両脇に腕や手の力を抜いて投げ出して、身体全体をリラックスさせます。この時、顎を噛みしめていたり、眉間に力が入っていることに気が付いたら、それらも緩めて行きましょう。

Step 2: 手の動きから始める その状態で、鼻で軽い呼吸、つまり吸う吐くを行いながら、そのリズムに合わせて、両手の指を軽く動かしていきます

Step 3: 足の動きを加える 次いで、足のかかとに意識を向けて、やはり軽い呼吸にリズムに合わせながら、踵を軸にして足を前後に動かしていきます

Step 4: お腹の動きで仕上げ そして今度は、同じく仰向けのままでお腹に意識を向けて、やはり軽いリズミカルな呼吸に合わせて、へそを中心としたお腹を上下に軽く動かしていきます

効果を感じるポイント

これらの動作を、やっている際に、手先や足先に、温かい感じやフワフワ、モワモワしたような独特な感じや、おへその下の部位に、温かさや圧力感を感じてきたら、その感覚に意識を向けて、その感覚を味わう様に続けてみてください

これらを続けていくと、少しずつ心もリラックスしやすくなって、体質も変わっていくと思いますので、気が向いたらお試しくださいね。

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

この方のような気血不足と気の巡りの滞りを改善する体質に対して、効果が期待できる漢方薬をご紹介します。ただし、これらは特定の気血不足体質の改善に効果が期待できる漢方薬の一例であり、この方に必ずしも合うというわけではありません。

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう): 気を補い、消化機能を高めることで疲労感や食欲不振の改善に期待できます
  • 甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう): 心を落ち着かせ、不安感や不眠の症状緩和に効果が期待されます
  • 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう): 気の巡りを改善し、冷えや疲労感の緩和に役立つとされています

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が不十分な場合があります。当店ピヨの漢方では、お一人お一人の体質に合わせた漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

今回は、不眠と疲労にお悩みの46歳男性の体験談を通して、東洋医学的な視点から原因と改善方法をご紹介しました。

心陽と心陰のバランスの乱れ、気血の不足と気の巡りの滞りが複合的に絡み合って、不眠と疲労の症状を引き起こしていることがお分かりいただけたでしょうか。

布団の上でできる気功法は、体調の良い日から少しずつ始めてみてくださいね。継続することで、心身のバランスが整い、質の良い睡眠と疲労回復につながっていくことでしょう。

同じようなお悩みをお持ちの方は、まずは自分の体質を理解することから始めてみてください。適切な改善方法を見つけることで、きっと症状は良い方向に向かっていくはずです。

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