
こんにちは
どうなさいましたか?

舌の色について
質問をいただきましたよ
皆さんは自分の体質についてどのくらい知っていますか?実は私たちの体は、さまざまな形で内部の状態を表現しています。その中でも「舌」は、東洋医学において体質診断の重要な手がかりとなるのです。
東洋医学では、舌の色や形、舌苔(ぜったい:舌の表面に付着している白っぽい層)の状態を観察する「舌診」という診断法があります。この舌診によって、あなたの体内で何が起きているのかを推測することができるのです。
今回は、舌が大きくて赤く、舌苔が黄色い方の体質と、その改善に役立つ自然療法についてお話しします。このお話を通じて、ご自身の体質を知り、健康維持のためのヒントを得ていただければと思います。
それでは早速、深掘りしていきましょう!
舌が大きく赤く苔が黄色いのはなぜ?体内で起きていることとは?
結論から申し上げますと、舌が大きくて赤く、舌苔が黄色い方は、体の中に余分な水分や熱が充満していると考えられます。その理由を詳しく解説していきます。
大きな舌が意味すること
まず、舌が大きくなる主な原因は「舌のむくみ」です。「舌もむくむの?」と驚かれるかもしれませんが、足がむくむように、舌もむくむのです。
東洋医学では、舌が大きくなることを「胖大舌(はんだいぜつ)」と呼びます。胖大舌の状態は、体内に余分な水分が充満している証拠と考えられるのです。
赤い舌が示す体内の熱
さらに、舌が赤いことから、体内には過剰な熱が存在していることが推測できます。舌の色の変化を決定する大きな要素は、茸状乳頭(じじょうにゅうとう)の下にある毛細血管を流れる血液の量と流れの状態です。
例えば、興奮したり恥ずかしいと感じたりすると、心臓の拍動が活発になり、血液が体全体で勢いよく流れるようになります。このような状態では、体内の熱が過剰になり、沸騰したお湯が吹き上がるように血液が身体の上部へと送られます。その結果、粘膜の細胞は充血し、舌の色は鮮やかな赤色になるのです。
黄色い舌苔の正体
そして、舌苔が黄色いことについて説明しましょう。舌苔は、糸状乳頭の根元に食べ物のカスなどが積み重なることで形成されます。糸状乳頭が大きくなると、より多くの食べ物のカスなどが付着するようになります。
糸状乳頭は毛細血管から栄養を受け取って成長します。血液中の糖分やたんぱく質などの栄養分が多いと、糸状乳頭の角化が遅くなり、より長く伸びて大きくなります。そうなると、より多くの微小な物質が引っかかるようになり、舌苔が目立つようになるのです。
東洋医学では、舌苔が厚く積み重なっている状態を見ると、「湿邪」(しつじゃ:余分な水分)が体内に停滞していると判断します。
通常、舌苔の色は白いのが正常とされていますが、老廃物や胃腸内容物の逆流、熱によって増殖した細菌、あるいはその細菌と戦った免疫細胞の死骸が増えることで黄色く変化します。つまり、舌苔が黄色い場合には、体内にこもった動きの悪い熱が存在していることを示しているのです。
この体質の方に現れやすい症状
このように、舌が大きくて赤く、舌苔が黄色い方の体内では、熱と湿が結びついたものが停滞し、両方の問題を引き起こしています。その結果、以下のような症状が現れやすくなります:
- 皮膚のかゆみ
- 体のだるさ
- 口内炎
- 化膿性の炎症症状
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
このタイプの方は、一般的に食欲旺盛で大食漢である傾向があります。味の濃厚なコッテリとした高カロリーの食べ物、甘いものや脂っこいものを好み、アルコールもよく飲む方が多いようです。
食生活の見直しが最大の改善法
脂っこいものを食べ過ぎると、お腹の中で余分な熱が生じるようになります。その熱が胃の潤いを消耗させ、胃の働きが低下します。その結果、食べ物を十分に分解することができず、下方へ運ぶことができなくなります。
甘いものを過剰に摂取すると、水飴のように、お腹の中で粘っこいドロドロした状態になりやすくなります。これにより、脾(ひ)の「運ぶ働き」に負担がかかり、吸収した栄養を上向きに運搬することができなくなります。
これらの食品を続けて摂取していると、胃腸の機能はさらに弱まり、最終的に動きの悪い物質が体内に充満しやすくなるのです。
アルコールの影響
アルコールは少量であれば体を温め、気血の巡りを促してくれます。昔は「酒は百薬の長」とも言われていましたが、最近の研究では少量でも体に毒になり得ると言われています。
東洋医学の生薬学では、アルコールは「大熱大毒」と表現されており、その毒性は昔から認識されていました。しかし、少量であれば体に良い働きをするため、うまく利用されてきたのです。
お酒を飲み過ぎると、アルコールの「熱を生み、気血を巡らせ、上向きに上昇させる」働きが制御できなくなります。その結果、ドロドロとした水分は体内で停滞し、水の巡りが悪くなるため、飲んでいるにもかかわらず喉の渇きを感じるようになります。
おすすめの食材と食習慣
体内の余分な水分や熱を解消するためには、これらの食べ物や飲み物を控えることが大切です。また、以下のような食材を取り入れるのもおすすめです:
- 冬瓜:熱を冷まし、余分な水分の排出を促進
- 小豆:利水作用があり、むくみの改善に効果的
- 薏苡仁(よくいにん):利水作用があり、余分な水分の排出を助ける
ただし、これらの食材だけを摂取すれば治るわけではありません。また、冷やす性質のある食品を摂り過ぎると、別の問題が生じることもあります。
例えば、ヨーグルトや生サラダなどの冷やす性質のある食べ物や、スムージーやジュース類などの冷たいものを摂り過ぎると、お腹の熱が損なわれ、食べ物を運搬する力がさらに低下し、余分な水分が体内に生じやすくなります。
良いものであっても、食べ過ぎ飲み過ぎは禁物です。食生活はとても大切ですので、以下のポイントを心がけましょう:
- 空腹感を感じたら食べる(時間だからと無理に食べない)
- よく噛みながら腹八分目で摂る
- 喉が渇いたら飲む(体の声を聴く食生活)
適度な運動の重要性
体内に蓄積している余分な水分(脂肪など)の代謝を促し、体外へ排出するためには、軽く汗ばむ程度の運動を継続することが効果的です。ウォーキングやストレッチなど、ご自身に合った運動を見つけて続けてみましょう。
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
舌が大きくて赤く、舌苔が黄色い方の体質改善に効果が期待できる漢方薬には、以下のようなものがあります:
- 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):余分な水分を排出し、むくみを改善する効果があります
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう):体内の熱を冷まし、余分な湿を取り除く働きがあります
- 茵蔯五苓散(いんちんごれいさん):水分代謝を整えこもった熱を冷まし、余分な水分を排出する効果があります
※これらの漢方薬は、あくまで特定の体質の改善に効果が期待できる一般的な漢方薬の紹介です。症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合もありますので、当店での漢方相談をおすすめします。
まとめ:舌から分かる体質改善のポイント
舌が大きくて赤く、舌苔が黄色い方は、体内に余分な水分と熱が充満している状態です。この体質の改善には以下のポイントが重要です:
- 脂っこいもの、甘いもの、アルコールを控える
- 冬瓜、小豆、薏苡仁などの余分な水分排出を助ける食材を適度に取り入れる
- 空腹感を感じたときに、よく噛んで腹八分目で食べる
- 軽く汗ばむ程度の運動を継続する
- 必要に応じて、専門家に相談して適切な漢方薬を選ぶ
東洋医学の考え方を日常生活に取り入れることで、体質を少しずつ改善していくことができます。ぜひ今日からできることから始めてみてください。
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