私たちが普段何気なく楽しんでいるココアは、実は東洋医学においても注目される優れた効能を持つ食材なのをご存知でしょうか?古代マヤ文明やアステカ文明では「ショコラトル」と呼ばれる神聖な飲み物として扱われていたココアは、現代でも健康飲料として世界中で愛されています。
ココアはただのおいしい飲み物ではなく、体に様々な好影響をもたらす食薬としての一面も持っています。今回は東洋医学の観点からココアの基本情報や薬効、注意点についてわかりやすく解説していきます。日常生活に取り入れやすいココアを、より効果的に活用する知識を身につけていきましょう。
ココアとは何ですか?基本情報を教えてください
ココアは、カカオの木の種子であるカカオ豆から作られる飲料です。カカオはチョコレートの原料としても有名ですね。東洋医学では、以下のような特性を持つとされています。
性味/帰経
- 性味:平、甘、苦
- 帰経:肺、心、大腸、胃
ココアにはどのような薬効があるのですか?
東洋医学的観点からみると、ココアには主に以下の二つの働きがあります。
1. 補気益心(気を補い心を益する)
気力を回復させ、心気の機能を強化する効果があります。以下のような症状に効果的です。
- 動悸
- 疲労
- 居眠りしやすい状態
2. 利尿通淋(尿の排出を促進する)
尿の排出を促し、泌尿器系の機能を改善します。
- 尿量が少ない
- 排尿がスムーズでない
ココアに含まれる有効成分とその効果
ココアには様々な有効成分が含まれており、現代医学的な研究でもその効果が明らかになっています。
ポリフェノール
- 強い抗酸化作用がある
- がん細胞の増殖を抑制する可能性がある
- 動脈硬化の予防に役立つ
テオブロミン
- 利尿作用がある
- 筋肉の緊張を緩める作用がある
- 血液循環を改善する
- 冷えやむくみの改善に役立つ
- 心身をリラックスさせる
- 軽い興奮作用がある
その他にも整腸作用やストレスを軽減する効果も報告されており、日常的に摂取することで健康維持に役立つ飲み物といえるでしょう。
ココアを摂取する際の注意点は何ですか?
ココアは多くの人にとって安全な食品ですが、以下のような方は摂取を控えるか慎重に摂取する必要があります。
以下の方は摂取に注意が必要です
- 肝陽上亢(潤いの不足により肝気が過剰に上昇している状態)の方
- 胃腸が弱い方
- 不眠症の方
ココアにはカフェインやテオブロミンなどの刺激成分が含まれるため、上記の方々は体質や体調に合わせて摂取量を調整することをおすすめします。特に夜遅くの摂取は、睡眠の質に影響する可能性があるので注意しましょう。
中医学的な見解
ココアには以下のような効果が認められています:
- エネルギー補給
- 貧血の改善補助
- コレステロール低下の補助
- 心血管系の保護
ただし、長期間にわたる過剰摂取は胃腸への負担となり、腹痛や膨満感などの症状を引き起こす可能性があるとされています。摂取後に体に不快感がある場合は、医師に相談することをお勧めします。
ココアを健康的に楽しむ方法を教えてください
ココアを健康的に取り入れるためのいくつかの方法をご紹介します。
様々な楽しみ方
- ホットココア:寒い季節には体を温め、リラックス効果も得られる温かいココアがおすすめです。
- 伝統的な飲み方:メキシコの「チャンプラード」のように、カカオ、トウモロコシ粉、シナモンなどを混ぜた飲み物は風味豊かで栄養価も高いです。
- アイスココア:夏場には冷たいミルクとココアパウダーを混ぜることで、リフレッシュ効果のあるドリンクとして楽しめます。
健康的な摂取のコツ
- 無糖のココアパウダーを選び、甘さは蜂蜜やメープルシロップなど自然な甘味料で調整する
- 乳製品との組み合わせでカルシウムやタンパク質も一緒に摂取できる
- 少量を定期的に摂取することで、効果的に健康効果を得られる
まとめ:ココアの効能を日常に活かそう
ココアは単なる嗜好品ではなく、東洋医学的にも現代医学的にも認められた様々な健康効果を持つ優れた食材です。補気益心作用により気力の回復や心気の強化が期待でき、利尿通淋作用で排尿の問題改善にも役立ちます。
含有成分であるポリフェノールの抗酸化作用やテオブロミンの血流改善効果も、健康維持に貢献してくれるでしょう。ただし、体質や体調によっては摂取に注意が必要な場合もあります。
日常生活にココアを取り入れる際は、無糖のものを選び、自分の体調に合わせた適量を心がけましょう。古代文明から愛されてきたこの飲み物を、現代の健康生活にも上手に活用していきたいですね。
適切に摂取することで、ココアの持つ素晴らしい効能を最大限に活かし、心身ともに健やかな毎日を送りましょう。
参考文献

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