オクラは夏が旬の緑黄色野菜で、独特のネバネバ成分が特徴的です。今回は日常的に食べられているオクラを東洋医学の観点から見た効能や、現代栄養学的な健康効果についてQ&A形式でわかりやすく解説します。オクラは単に美味しいだけでなく、私たちの健康維持にも役立つ優れた食材なのです。
オクラとは?基本情報について教えてください
オクラは「秋葵」という漢字で表され、これは旧暦の秋に実を付けることから「秋の葵」と呼ばれるようになったとされています。東洋医学では、オクラは「涼、辛、苦」の性質を持ち、「肺、肝、胃」の経絡に作用すると考えられています。
特徴的なのは緑色の細長い形状と、切ったときに現れるネバネバ成分です。このネバネバには主に「ペクチン」と「ムチレージ(ムチン)」という2種類の成分が含まれており、これらが様々な健康効果をもたらします。
栄養面では、ベータカロテンをはじめとする各種ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、栄養価の高い食材として知られています。
オクラにはどのような薬効がありますか?
東洋医学では、オクラには主に以下の2つの効能があるとされています:
- 健脾消食(けんぴしょうしょく):脾胃の機能を高め、食物の消化を助ける働き。疲労、食欲不振、消化不良などに効果があります。
- 潤腸通便(じゅんちょうつうべん):腸を潤して便通をよくする働き。虚性便秘(体力が低下して起こる便秘)や腹部膨満感の改善に役立ちます。
現代栄養学の観点からも、これらの効能は科学的に説明できます:
- 胃粘膜保護作用:オクラに含まれるムチレージには胃の粘膜を保護する働きがあり、胃炎や胃潰瘍の予防に役立ちます。
- 疲労回復効果:ムチレージにはタンパク質を分解する酵素が含まれており、タンパク質の消化吸収を助けることで、疲労回復に効果が期待できます。
- 便秘解消効果:ペクチン(水溶性食物繊維)は腸内の善玉菌を増やし腸の働きを整えます。また不溶性食物繊維も含まれているため、便の容積を増やして腸を刺激し、排便を促進します。
- 血糖値抑制作用:ペクチンとムチレージが協働して、コレステロールやナトリウム、糖質の吸収を抑え、血糖値の上昇を抑制します。これは糖尿病の予防に役立ちます。
- 高血圧・骨粗鬆症予防:カリウムやミネラルが豊富に含まれているため、高血圧や骨粗鬆症の予防にも効果があります。
- デトックス効果:有害物質や発がん物質を吸着して体外へ排出する効果も期待されています。
オクラを食べる際の注意点はありますか?
オクラは多くの健康効果が期待できる食材ですが、いくつかの注意点もあります:
- 胃腸が弱い方や下痢しやすい方は注意:食物繊維が豊富なため、胃腸の働きが弱っている方や下痢しやすい方は、症状が悪化する場合があります。
- 調理方法に注意:ムチレージは水に溶け出しやすいため、栄養価を保つには生で食べるのがおすすめです。茹でる場合は、お湯に軽く通す程度にとどめましょう。
- 相性の良い食べ合わせを活用:例えば、下茹でしたオクラに納豆を和えると、双方のネバネバ成分が協働して便通促進効果を高めることができます。
オクラの健康効果まとめ
オクラは東洋医学的な観点からも現代栄養学的な観点からも、非常に優れた健康効果を持つ食材です。特有のネバネバ成分であるペクチンとムチレージが、消化促進、便秘解消、血糖値抑制、デトックスなど様々な健康効果をもたらします。
サラダ、炒め物、唐揚げなど多彩な調理法で美味しく食べられるオクラを、その効能を理解した上で、日常の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。ただし、体質や体調に合わせて適量を摂ることが大切です。
参考文献

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