【自律神経失調症】出産後に生理前や天候の変化で体調不良になる理由

自律神経失調症
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

自律神経失調にお困りの方から

質問をいただきましたよ。

出産は女性の体にとって大きな変化をもたらすライフイベントです。新しい命を育む喜びとともに、体に大きな負担がかかることも事実です。そして出産後に仕事に復帰するタイミングで体調を崩してしまう方も少なくありません。

自律神経失調症の症状は人それぞれですが、特に天気の変化や生理前、季節の変わり目に症状が悪化する場合、東洋医学的に見るとある特定の「気」の乱れが関係している可能性があります。

今回は、出産後に自律神経失調症を発症し、日常生活に支障をきたしている方のお悩みについて、東洋医学の視点から原因と対策を探っていきましょう。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 出産後に仕事復帰してから体調を崩し、自律神経失調症に
  • 生理前、天気の悪化前、季節の変わり目に胃腸の調子が悪化
  • 疲れやすい
  • 頭がぼーっとしてフラフラする感覚がある
  • 光がやたら眩しく感じる

天気の変わり目と体調不良の関係とは?

天気が悪くなる前や季節の変わり目など、環境が変化するときに体調が崩れやすいというのは、東洋医学では「肝気(かんき)」の働きと深く関係しています。肝気とは、肝のエネルギーと機能を表す概念で、体内のエネルギーの流れを調整する役割を担っています。

また生理前は、濃厚な気血(きけつ:体内のエネルギーと血液の総称)を体の下部へと集める時期です。この気血の流れをスムーズに誘導するのも肝気の役割なのです。

頭がぼーっとしてフラフラする感覚や、光が異常に眩しく感じるという症状からは、体の上部に熱がこもってしまっている可能性が考えられます。これも肝気の乱れが影響しているかもしれませんね。

胃腸の不調と肝気の関係について

胃腸の調子が悪いというお悩みも、実は肝気と深い関係があります。東洋医学では「肝気の滞り」が胃腸の働きを攻撃して不調を引き起こすことがあると考えます。これを「肝脾不和(かんひふわ)」や「肝胃不和(かんいふわ)」と呼びます。

また、疲れやすいという症状は、気が滞ることで気血が体中に十分に届けられないために起こる可能性があります。

さらに出産後であることを考えると、「腎気(じんき:生命エネルギーの根源)」への負担や血分の減少も影響しているでしょう。出産は多くの血液とエネルギーを消耗する大事業です。この腎気の弱りと肝気の乱れが合わさると、より症状が複雑になります。

なぜ生理前に症状が悪化するのか?

血や潤いの不足に気の滞りがある状態で、生理前の気血を集める時期になると、気の滞りによって体の下部で気血が充満してしまいます。すると行き場を失った気が上部へと逆流し、頭にこもって熱になれば、ぼーっとしてフラフラする症状が現れます。

また、この乱れた気が目の周囲に居座ると、光がやたら眩しく感じるという症状になるのです。これは東洋医学でいう「肝陽上亢(かんようじょうこう)」や「肝火上炎(かんかじょうえん)」の状態に近いかもしれません。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

漢方薬によるアプローチ

このような症状がある方には、気の滞りを解放するものと、腎の働きを応援して血や潤いを補充する漢方薬が効果的です。以下に肝気の乱れと血不足の改善に効果が期待できる代表的な漢方薬をご紹介します:

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):肝気の滞りを解消し、血を補い、のぼせや頭痛、めまい、イライラなどの症状を改善する働きがあります。
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血を補い、水の巡りを良くする効果があり、疲労感や冷えの改善に役立ちます。
  • 六君子湯(りっくんしとう):胃腸の働きを整え、気を補う効果があり、胃腸の不調と疲れやすさの両方に対応できます。

※上記は一般的な肝気の乱れと血不足に対応する漢方薬であり、個人の体質や症状の複雑さによっては単独では効果が得られない場合があります。当店では個別の漢方相談も承っていますので、お気軽にご相談ください。

生活習慣の改善

漢方薬と併せて、以下の生活習慣の改善も大切です:

  • 過労や夜更かしは避け、できるだけゆったりとした生活を心がけましょう
  • 早めに就寝し、時間もたっぷりとった質の良い睡眠を確保しましょう
  • 深呼吸やゆったりとした散歩など、リラックスできる時間を作りましょう
  • バランスの良い食事を心がけ、特に血を補う食材(レバーや赤身肉、ほうれん草など)を意識的に摂りましょう
  • カフェインや刺激物、冷たい飲食物の摂取を控えめにしましょう

まとめ

出産後の自律神経失調症は、東洋医学的に見ると肝気の乱れと出産による血や腎気の消耗が複合的に影響している可能性があります。生理前や天気の変化、季節の変わり目に症状が悪化するのも、肝気の働きと深く関係しています。

漢方薬による体質改善と、ゆったりとした生活リズムの確保が症状改善の鍵となるでしょう。特に質の良い睡眠は、気血を回復させる最も効果的な方法の一つです。

今回ご紹介した対策を少しずつ取り入れながら、長い目で体質改善に取り組んでみてください。出産という大仕事を終えたお体を、じっくりと労わることが大切です。

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ピヨ先生
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