
こんにちは
どうなさいましたか?

耳管開放症にお困りの方から
質問をいただきましたよ。
「自分の声が頭の中で響いて集中できない」「特に生理前になると症状が悪化する」という悩みを抱えている方はいませんか?これらは耳管開放症の典型的な症状かもしれません。
耳管開放症とは、普段閉じているはずの耳管(鼓膜と鼻の奥をつなぐ管)が開いたままになる状態です。通常は意識することのない自分の声や呼吸音が響き、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
今回は、耳管開放症で悩む方の相談内容から、東洋医学的な観点でこの症状を解説し、改善方法をご紹介します。特に女性特有の生理周期と症状の関係にも触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。
なぜ耳管開放症で声が響くのでしょうか?
耳管開放症になると、自分の声が頭の中で響いて不快に感じることがあります。これは東洋医学的に見ると、体内の「気」の巡りが上部に偏り、下降しにくくなっている状態と考えられます。
通常、私たちの体内では「気」がバランスよく巡っていますが、何らかの原因でこのバランスが崩れると、様々な症状が現れます。耳管開放症の場合は、頭部に「気」が集中し過ぎることで、耳の機能にも影響が出てくることがあります。
加味帰脾湯は効果があるの?
相談者の方は加味帰脾湯を試されたものの、効果が感じられなかったようです。これには理由があります。
加味帰脾湯は以下のような働きをする漢方薬です:
- お腹の働きを高める
- 気血を上部へと持ち上げる
- 上部にこもった熱を引き降ろして冷ます
この漢方薬は、お腹の働きが弱く、それによって上部に熱がこもっている場合に効果を発揮します。しかし、元々体質的に上部へ気が上昇しやすい偏りがある方の場合は、かえって上向きの気の流れを促進してしまうこともあるのです。
つまり、すべての耳管開放症に加味帰脾湯が効くわけではなく、その人の体質や症状の原因によって効果が異なります。
なぜ生理前に症状が悪化するのですか?
相談者の方は特に生理前に症状が悪化すると訴えています。これは女性の月経と「気」の流れが密接に関係しているからです。
生理前は体中の気血が子宮へと向かって集中する時期です。普段より濃厚な気血が狭い部位へと向かって降りていくため、もともと気の滞りがある方は症状が悪化しやすくなります。
また、体質的に血や潤いが不足していると:
- 気と潤いのバランスが崩れて熱が生じる
- その熱が体の上部へと向かう
- 頭部に気や熱が充満して症状が悪化する
という連鎖が起こりやすくなります。これが生理前に耳管開放症の症状が強くなる理由の一つと考えられるのです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
外見的な特徴とお悩みの症状
- 症状:耳管開放症で自分の声が響く(ひどい時は一晩中)
- 特徴:生理前に症状が悪化する
- 試したこと:加味帰脾湯を服用したが効果なし
生活習慣の改善
漢方薬と併せて、以下の生活習慣の改善も大切です:
- リラックスを目的とした散歩:気の巡りを良くするために、緊張せず、ゆったりとした気持ちで散歩をしましょう。1日15〜30分程度でも効果があります。
- 早めでしっかりとした睡眠:遅くとも23時までには就寝し、質の良い睡眠を心がけましょう。睡眠中に体は修復されるため、特に生理前は睡眠の質を高めることが大切です。
- 頭部のマッサージ:耳の周りや後頭部を優しくマッサージすることで、気の巡りを改善できることもあります。
- 深呼吸の習慣化:1日数回、意識して深呼吸をすることで、気の流れを整えましょう。特に症状が出たときは、ゆっくり深呼吸をすると少し楽になるかもしれません。
漢方薬によるアプローチ
この症状に対して効果が期待できる漢方薬としては:
- 柴胡加竜骨牡蛎湯:気の上昇を抑え、精神を安定させる効果があります。特に気の滞りが強く、イライラしやすい方に適しています。
- 当帰芍薬散:血の巡りを良くし、潤いを補う働きがあります。特に冷えや生理不順がある女性に効果的です。
- 清上防風湯:頭部の熱を冷まし、めまいや耳鳴りなどの症状を改善します。上部に熱がこもりやすい方におすすめです。
※これらは特定の体質の改善に効果が期待できる漢方薬であり、症状が複雑な場合には単独では効果がない場合もあります。当店では個人の体質に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
耳管開放症で声が響く症状は、東洋医学的に見ると「気」の流れの偏りが関係していることが多いようです。特に女性の場合は生理周期による変化も症状に影響します。
自分に合った漢方薬を見つけることと、気の巡りを良くする生活習慣を心がけることで、症状の改善が期待できます。漢方薬は体質や症状によって効果が異なるため、専門家に相談しながら自分に合ったものを選ぶことが大切ですね。
身体の不調は一つの症状だけを見るのではなく、全体のバランスを整えることで改善していくことが東洋医学の考え方です。焦らず、自分の体と向き合いながら、少しずつ改善していきましょう。
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