
こんにちは
どうなさいましたか?

口臭にお困りの方から
質問をいただきましたよ。
みなさん、舌に歯の跡がくっきり残っているのに気づいたことはありませんか?これは「歯痕舌(しこんぜつ)」と呼ばれる状態で、東洋医学では体の不調のサインとして重要視されています。特に口臭を伴う場合、単なる口腔ケアの問題ではなく、体の内側からのSOSかもしれません。
今回は、舌に歯の痕が残り口臭が気になるという相談をいただきましたので、その原因と対策について詳しく解説していきます。東洋医学の視点から見ると、この症状にはどんな意味があるのでしょうか?一緒に見ていきましょう。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 舌に歯の痕が残る(歯痕舌)
- 口臭が気になる
- 以前は尿量が減少し、体がだるく重い感じがあった
- 五苓散や加味逍遥散を服用してだるさは改善
舌に歯の痕が残ってしまう(歯痕舌)のはなぜ?
歯痕舌になる原因は主に2つあります。東洋医学の観点から見ると、これらは体内の状態を表す重要なサインなのです。
1つ目の原因は、舌自体が大きくなっていることです。舌が通常より大きくなると、自然と歯に当たることになります。これは体内に余分な水分が充満している状態を示しています。いわゆる「水毒」の状態とも言えるでしょう。一般的に「老廃物が溜まっている」と表現されることもありますね。
2つ目の原因は、舌に張り(弾力性)がないことです。健康な舌には適度な弾力があり、一時的に歯が当たっても跡が残りにくいものです。しかし、弾力が失われると、歯の跡がくっきりと残ってしまいます。
では、この舌の張りには何が必要でしょうか?東洋医学では「陽気(ようき)」と呼ばれるエネルギーが重要だと考えられています。陽気とは簡単に言うと、体の熱や動きの勢いのことです。この陽気が不足すると、舌の弾力性も失われてしまうのです。
つまり、歯痕舌になる条件として:
- 体内に余分な水分が充満している
- 陽気の不足により舌に張りがない
この2つの状態が揃うと、歯の痕が舌に残りやすくなるのです。
どうして口臭になるの?
歯痕舌と口臭の関連について見ていきましょう。
陽気が不足すると、消化器系の働きも低下します。特にお腹(脾胃の機能)が弱まると、食べたものが体内で適切に処理されず、停滞しやすくなってしまいます。
食べ物が消化器官内に長く留まることで、徐々に「こもった熱」が生じます。この状態が口臭の原因となるのです。特に今回の方は、加味逍遥散を服用して体調が改善したとのことから、気の滞り(気滞)も関係している可能性が高いですね。
気の滞りがあると、それがさらに「こもった熱」を増強させ、口臭を悪化させる環境を作り出してしまいます。こうして歯痕舌と口臭が同時に現れるというメカニズムが考えられるのです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
このような症状にお悩みの方には、以下の自然療法がおすすめです:
- 水分摂取の見直し 過剰な水分摂取を控え、質の良い水を適量飲むようにしましょう。冷たい飲み物よりも常温か温かい飲み物を選ぶと良いでしょう。
- 消化力を高める食事
- 消化に負担がかかる冷たい食べ物、生野菜の過剰摂取を避ける
- よく噛んで食べる習慣をつける
- 適度な運動 陽気を高めるためには、適度な運動が効果的です。ウォーキングや軽いジョギング、太極拳などがおすすめです。
おすすめの漢方薬
特定の歯痕舌と口臭の体質改善に効果が期待できる漢方薬としては、以下のようなものがあります:
- 五苓散(ごれいさん): 水分代謝を改善し、余分な水分を排出する働きがあります。むくみや頭痛を伴う場合に適しています。
- 六君子湯(りっくんしとう): 消化機能を高め、胃腸の働きを正常化します。食欲不振や胃もたれを伴う場合におすすめです。
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう): 胃腸の熱を冷まし、消化を助ける効果があります。胸やけや口の苦味を感じる場合に適しています。
ただし、これらはあくまで一般的な体質改善のための漢方薬であり、個人の症状が複雑な場合には単独では効果が現れないこともあります。当店では個別の漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
歯痕舌と口臭は、東洋医学的に見ると体内の水分代謝の乱れや陽気の不足を示すサインです。これらの症状は単に口の中だけの問題ではなく、体全体のバランスが崩れていることを教えてくれています。
自然療法や漢方薬を取り入れながら、生活習慣を見直すことで、徐々に改善していくことが期待できます。特に消化機能を高め、余分な水分を適切に排出できるようにすることが大切です。
症状が長く続く場合や気になる場合は、専門家に相談することをおすすめします。東洋医学の視点から体質を見直し、根本からの改善を目指しましょう。
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