足の冷えとむくみに悩んでいませんか?真武湯で体の芯から温める方法

むくみ
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

冷えにお悩みの方から
質問をいただきましたよ

寒い季節になると、足先が冷えてなかなか温まらない…そんなお悩みはありませんか?

特に足の冷えと一緒にむくみも気になるという方は、体の中で水分がうまく巡っていないサインかもしれません。

今回は、**体の芯部から温めながら、余分な水分の停滞も解消してくれる漢方薬「真武湯(しんぶとう)」**についてご紹介いたします。

胃腸が弱い方や、冷えからくる様々な不調にお悩みの方に、ぜひ知っていただきたい漢方薬です。

足の冷えはなぜ起きるのですか?

体の中の水分は、体の芯部の熱によって温められて軽くなることで、全身を巡ることができます

お風呂の水を思い浮かべてみてください。火力が弱いと、冷たい水は下の方に停滞したまま、なかなか上に上がっていきませんよね。

人間の体でも同じことが起きています。体の芯部が冷えていると、水の巡りに勢いがなくなります

冷たい水分は重さによって下へ下へと降りてきて、足に停滞してしまいます。これがむくみの原因です。

さらに、停滞した水分は外気によって冷やされ、まるで保冷剤のように足を冷やしてしまいます。血管も収縮して血流が悪くなり、ますます足が冷えるという悪循環に陥ってしまうのです。

また、むくみを感じる方の多くは、お腹(胃腸)が弱っていることがよく見られます。

お腹の働きが弱ると、血管やリンパ管などの脈管(みゃっかん:体内で水分を巡らせるパイプ)の緊張が緩んでしまいます。緩んだ部分から水分が漏れ出すと、それがむくみになるのです。

そして、このお腹の働きを根元から支えているのが体の芯部の熱源です。

芯部の熱源が弱ると、お腹の働きも低下して、むくみだけでなく、胃の不調感や下痢なども起こりやすくなります。

水の巡りが悪くなることで起こる不調には、他にも以下のようなものがあります。

  • 脳の周辺で水が停滞するとめまい
  • 水分が出口までたどり着かないと尿の出が悪くなる
  • 関節に水分が停滞すると関節の痛み

むくみをそれほど感じない方でも、体の芯部が冷えていると熱の総量が不足してしまいます。

体は大切な中心部(内臓)を守るために、貴重な熱を集中させようとします。その結果、手足などの末端には熱が送られなくなり、足の冷えを感じるようになるのです。

真武湯はどんな漢方薬ですか?

真武湯は、以下の5種類の生薬で構成されています。

  • 附子(ぶし):体の芯部を強力に温める
  • 白朮(びゃくじゅつ):お腹の働きを高めて水分を巡らせる
  • 茯苓(ぶくりょう):余分な水分を排出する
  • 生姜(しょうきょう):胃腸を温めて消化を助ける
  • 芍薬(しゃくやく):筋肉の緊張を緩める

これらの生薬が協力して、体の芯部を温め、停滞している余分な水分の動きに勢いをつけてくれます

どうして真武湯で足の冷えやむくみが良くなるのですか?

真武湯の働きを、生薬ごとに見ていきましょう。

まず、附子が体の芯部の熱源を強力に温めます。これが水を動かすためのエネルギー源となります。

附子の温める働きによって、お腹の働きも含めて全体的に機能が高まります。すると、あちこちに停滞して取り残されていた水分が動き出すのです。

お腹の働きが高まると、血管やリンパ管などの脈管の緩みも解消されます。適度な緊張が戻ることで、水の巡りがさらに良くなります。

白朮と茯苓は、お腹の働きを高めながら余分な水分を処理してくれます。お腹での吸収を高めたり、水分を下向きに引き降ろしたりして、体の中の水の巡りを改善します。

生姜は、附子を助けてお腹の中に停滞している水分を体の表面まで発散させます。また、胃液の分泌や蠕動運動(ぜんどううんどう:胃腸が食べ物を送る動き)を促進して、消化吸収の働きを高めてくれます。

芍薬は、利尿を助けて体の表層に停滞している水分を下向きに引き降ろします。附子と生姜で表層に向かった水分は、芍薬によって下向き・外側に排出されるのです。

さらに芍薬は筋肉の緊張を緩める働きがあります。冷えで硬くなっていた筋肉が緩むことでも、水分の動きが回復します。

真武湯の働きをまとめると、このようになります。

  • 附子で芯部の熱が温まる
  • 白朮でお腹中心に水が巡る
  • 茯苓でより広い範囲で水が巡る
  • 生姜でお腹の中の水分が上向きに発散される
  • 芍薬で表面の水分が下向きに引き降ろされる

こうして全身の水の巡りが回復することで、以下のような症状が改善されていきます。

  • 足のむくみ・冷え
  • 胃腸の不具合や下痢
  • めまい
  • 尿の出の悪さ
  • 関節の痛み

また、芯部の熱量が増えることで、体の中心部だけでなく全身へと熱が広がり、足の冷えも解消されていきます。

どんなタイプの人に向いている?体質別おすすめコメント

お腹が冷えやすく、下痢をしやすい方 体の芯部から温める真武湯は、冷えからくる胃腸の不調にぴったりです。お腹がゴロゴロしやすい、軟便が続くという方におすすめです。

足がむくんで冷える方 余分な水分が足に停滞してむくみと冷えの両方がある方に向いています。水の巡りを改善することで、むくみと冷えを同時にケアできます。

めまいやふらつきを感じやすい方 水分が頭の周辺で停滞することで起こるめまいに、真武湯が役立ちます。特に冷えを伴うめまいの方に適しています。

尿の出が悪いと感じる方 水の巡りに勢いがないことで、尿の出が悪くなっている方にも真武湯が働きかけてくれます。

疲れやすく、体力が落ちている方 体の芯部が冷えて全体的にエネルギー不足を感じている方に、真武湯は土台から体を支えてくれます。

まとめ

今回は、足の冷えを解消する漢方薬として真武湯をご紹介いたしました。

足が冷えているということは、足において熱が不足しているということです。熱の全体量が足りないと、体は大切な臓器のある中心部を守るために熱を集中させてしまいます。その結果、末端の足には熱が届かなくなり、冷えてしまうのです。

また、体の芯部が冷えていると水の動きに勢いがなくなり、体のあちこちで停滞してむくみになります。足の周辺でむくんだ水分は、外気で冷やされて保冷剤のように熱を奪い、ますます足を冷やしてしまいます。

真武湯は、体の芯部から温めて熱の量を増やし、水の巡りを改善することで、これらの症状を改善してくれます。

ただし、症状が複雑な場合には、真武湯単独では効果が十分に発揮されないこともあります

例えば、体の表面のむくみが強い場合には防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)を合わせたり、ストレスによる気の滞りがある場合には抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)と組み合わせたりすることで、より効果が高まることがあります。

当店では漢方相談を行っておりますので、ご自身の体質に合った漢方薬をお探しの方は、お気軽にご相談ください。

最後に、真武湯を効果的に使うためのコツをお伝えします。

  • 適度な運動を心がけて、体の熱を作りましょう
  • 水分の摂り過ぎに注意して、本当に必要なときに飲むようにしましょう
  • 冷たいものや体を冷やす性質のある食べ物の摂り過ぎに気をつけましょう

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