天気の変わり目で喘息・頭痛が悪化する理由と対策方法【東洋医学の視点から】

呼吸の異常
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

喘息にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

天気が変わるたびに体調不良に悩まされていませんか?特に喘息や頭痛が悪化する方は少なくありません。実は東洋医学の観点から見ると、これらの症状には明確な理由があります。

今回は52歳女性の方から寄せられた体験談をもとに、天気の変わり目と体調悪化の関係性について解説していきます。気象の変化に敏感な体質の方は、ぜひ参考にしてみてください。

この方の外見的な特徴とお悩みの症状

  • 52歳女性
  • 身長:156cm
  • 体重:55kg
  • BMI:22.6

東洋医学的な特徴:

  • 顔色は黄色が強い
  • 皮膚は乾燥している
  • 舌は赤っぽく厚い
  • 舌には歯の痕がある
  • 舌苔は剥れている部分がある
  • 舌の裏の静脈は太く膨らんでいる

主な症状:

  • 喘息
  • 偏頭痛
  • 頻繁な発熱
  • 天気の変わり目に頭痛や喘息発作が出る

喘息はなぜ起こるのか?気の逆流という東洋医学の考え方

まずは咳や喘息が起こる原因について考えてみましょう。東洋医学では、咳は「気が逆流する状態」と考えられています。

本来、肺が膨らむことで、気道を通って酸素が肺胞に入り、血液中に取り込まれて全身を巡ります。同時に、二酸化炭素は肺胞から排出されます。この呼吸のサイクルがスムーズに行われることで、私たちは健康を維持できるのです。

東洋医学の考えでは、「気」の流れは以下のプロセスで形成されます:

  1. 腎の陽気(腎にある熱源)が腎陰(体の材料の土台)を活性化する
  2. 活性化した腎陰に、脾気(消化機能)によって食べ物から吸収された栄養が合わさる
  3. これが肝気と脾気の連携によって肺まで持ち上げられる
  4. 肺の呼吸によって外気と結びつき、体に役立つ「気」が完成する
  5. 完成した気は肝気によって全身へ巡る

しかし、この気の流れが妨げられると、本来のルート通りに全身を巡らず、逆流して一気に出口へ向かい咳となるのです。

この方の体質分析:気の滞りと水分バランスの乱れ

ご投稿いただいた情報から、この方の体質を分析してみましょう。

季節の変わり目に頭痛や喘息発作が出るということは、環境の変化に対応する肝気の働きに問題がある可能性があります。

気の巡りの様子を探ってみると:

  • 喉に何かが引っかかる感じがする
  • 体のあちらこちらが痛む
  • 肩こりがある
  • 吐き気がある

これらの症状から、気の巡りは滞りがちで、特に上部へと偏って上昇していることがわかります。

体の水分バランスについては:

  • 腕やふくらはぎに浮腫みがある
  • 自然に汗が出る
  • 雨の日は体調が悪い
  • 胃の中でチャポチャポする感じがある

これらから、体の中央から下部にかけて余分な水分が充満していることがわかります。

一方で:

  • 口唇が乾燥しやすい
  • のぼせることが多い
  • 皮膚が乾燥する

これらの症状は、体の上方には乾きや熱があることを示しています。

顔色が黄色いことから、血や水分が上部に届いていないことがわかります。つまり、持ち上げる力の不足により、上部には熱と渇き、中央から下部にかけて水分が充満している状態です。

なぜ天気の変わり目に症状が悪化するのか?

この方の体質では、気が上方へと偏った流れを普段から生じさせています。天気の変わり目という環境変化の時に、この偏りがさらに強まり、気が上方へ一気に向かって咳や喘息となるのです。

さらに、体内に停滞している水分は、湿度の高い状態ではその影響が強まり、水分がより停滞しやすくなります。これが気の巡りを妨げる要因となります。

また、上方へ向かった気は上部でこもって熱となるため、頻繁に発熱し、頭痛を引き起こす原因になります。それを冷ます潤いや血が届かないことも、これらの症状を強める要因です。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方には以下の自然療法がおすすめです:

1. 水分摂取の工夫

喉が渇いて水を飲みたくなるかもしれませんが、体の中には既に水分が停滞しています。単に水を大量に飲むだけでは根本的な解決になりません。上方へと水分を届ける力の不足や気の滞りが、熱をこもらせ喉の渇きを生じさせています。熱中症の季節以外では、水分の摂り方に工夫が必要です。

2. 適度な運動の習慣化

水分を巡らせ、体の上部へと持ち上げるのは体の熱が担っています。そのため、軽く汗ばむくらいの運動を心がけることが効果的です。

具体的には:

  • 通勤時に階段を使う
  • 公園で新鮮な酸素を吸いながら伸び伸びと体を動かす

こうした運動習慣により、気の滞りが解消され、体の熱も高まります。その結果、気血の巡りが良くなり、余分な水分は排除されるでしょう。

3. 適切な休息とセルフケア

心地よい疲れを感じたら、早めに就寝して体を休ませることも大切です。就寝前には以下のケアがおすすめです:

  • 仰向けになって、胸椎2〜5番周囲の筋肉をマッサージ棒などでほぐす
  • 下肢の緊張をストレッチでほぐす
  • 下腹部の緊張を自分の手で柔らかく緩める

これらのケアは体質改善につながりますので、ぜひ試してみてください。

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

この体質の方には、以下の漢方薬が効果的と考えられます。ただし、これはあくまで気の滞りと水分バランスの乱れがある体質一般に対するものであり、個人の複雑な症状には適合しない場合もあります。

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) – 気の上昇と水分の停滞を同時に調整し、精神的な不安も和らげる効果が期待できます
  • 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) – 喉のつかえ感を改善し、水分代謝を助ける作用があります
  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう) – 水分代謝を促進し、喘息などの呼吸器症状に効果が期待できます

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が十分でない場合があります。ピヨの漢方では、お一人おひとりの体質に合わせた漢方相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ:気と水のバランスを整えることが根本的な解決策

天気の変わり目に喘息や頭痛が悪化する方は、気の巡りの滞りと水分バランスの乱れが根本的な原因である可能性が高いです。この体質を改善するためには:

  1. 適切な水分摂取の工夫
  2. 軽く汗ばむ程度の運動習慣
  3. 質の良い休息とセルフケア

これらを継続的に行うことで、気の流れが正常化し、水分バランスも整ってきます。その結果、天気の変わり目に左右されにくい体質へと変化していくでしょう。

東洋医学の視点から体質を理解することで、対症療法ではなく根本的な解決を目指すことができます。ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてください。

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ピヨ先生
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