
こんにちは
どうなさいましたか?

お腹の張りにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
こんにちは!今回は夜間になるとお腹が張るという症状について、東洋医学の観点から詳しく解説していきます。実際の体験談をもとに、なぜ夜になるとお腹が張るのか、その原因と対策について考えていきましょう。
お腹の張りは単なる不快感だけでなく、睡眠の質にも影響を与え、日常生活に支障をきたすこともあります。この記事では、35歳男性の方の症例をもとに、東洋医学的な視点からその原因と改善策を探っていきます。
この方の外見的な特徴とお悩みの症状
- 年齢:35歳(男性)
- 身長:182cm
- 体重:73kg
- BMI:22.04
主な症状:
- 夜間の右側お腹の張り
- 就寝後1〜2時間で胸のザワザワ感で目が覚める
- その時に陰部の勃起症状がある
- その後眠れるが夢で目が覚める
- 皮膚のかゆみと乾燥がある
症状悪化の要因:
- 就寝前に驚くことやストレスがあると起こりやすい
また、顔色は黒ずみがちで、髪の毛は乾燥して細く、舌の色は赤みが強く、苔は白くて厚く、バターでも塗ったような状態とのことです。
お腹が張る仕組みとは?東洋医学の視点から
お腹が張る原因を理解するには、まず消化の仕組みを知ることが大切です。
食べ物は口から入り、噛み砕かれてから食道を通って胃に入ります。そこでさらに細かく分解された後、腸へと送られていきます。腸では必要な栄養素が吸収され、体内で使える形に変換されてから全身へと配られていくのです。
東洋医学では、この消化プロセスを以下の3つの「気」の働きで説明します:
- 胃気:食べ物を受け入れ、分解し、下向きに運ぶ働き
- 肝気:腸管の蠕動運動を調整し、栄養を全身に配る働き
- 脾気:必要な栄養を吸収して、上向きに運ぶ働き
これら3つの「気」がバランスよく協調することで、食べ物は適切に消化され、栄養は全身に届き、不要なものは排出されるというサイクルが成り立っています。
なぜ夜間にお腹が張るのか?この方の体質分析
この方の場合、夜間になるとお腹が張るという特徴があります。東洋医学では、夕方から夜にかけては「陰の時間帯」とされ、本来は消化機能が効率よく発揮される時間です。
しかし、この時間帯にお腹が張るということは、体の潤い(陰)が不足している可能性があります。また、就寝後に胸がざわざわする症状も、陰の不足により「陽」が騒ぎ出して空回りしている状態かもしれません。
さらに、痒みや乾燥、髪の毛の乾燥からも体の潤いの不足がうかがえます。
一方で、舌の苔の状態などからは、単純な潤いの不足だけでなく、お腹の中に余分な水分が停滞して粘っこい状態に煮詰まっていることも考えられます。
つまり、この方の場合は:
- 体の潤いの不足
- 気の滞り
- 肝気と脾気のバランスの乱れ
が複合的に影響し合い、夜間のお腹の張りを引き起こしているようです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方の症状改善には、以下の自然療法がおすすめです:
1. 食生活の見直し
控えるべき食品: • 辛い食品 • 脂っこい食品 • 香辛料(胡椒や辛子など) • アルコール度数の高いお酒 • 栄養ドリンク • 甘い食品の過剰摂取
これらの食品は体に熱を生じさせ、水分の排出を促すため、体の潤いをさらに失わせてしまいます。また、脂っこいものは体内で熱を生じさせ、甘いものは胃腸の通りを悪くするため、これらが大量に体に入ることで、消化器官の負担となります。
2. 適切な水分摂取
水分の摂り方にも気を付けましょう。冷たすぎる飲み物や、一度に大量の水分摂取は避け、常温のお水をこまめに摂ることをおすすめします。
3. 適度な運動
リラックスしながらの軽い運動が効果的です。例えば: • 深呼吸しながらの散歩 • ストレッチ • ヨガなど
体を動かすことで体内の循環が活発になり、気の滞りが解消され、老廃物も排出されやすくなります。ただし、歯を食いしばるような激しい運動ではなく、リラックスを心がけた運動が大切です。
4. 質の良い睡眠
夜は早めに電気を消して目を閉じ、十分な時間の睡眠をとることで、体の潤いを補充しましょう。睡眠前のリラックスタイムを設けることも効果的です。
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
この体質に効果が期待できる漢方薬としては、以下のようなものがあります:
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう):肝気の巡りを改善し、胃腸の調子を整える効果が期待できます。
加味逍遙散(かみしょうようさん):肝気の滞りを改善し、体の潤いを補う働きがあります。
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):胃腸の働きを整え、水分の停滞を解消する効果があります。
ただし、これらはあくまで一般的な「気の滞り」や「体の潤いの不足」に効果が期待できる漢方薬であり、この方に特化したものではありません。症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合もありますので、漢方相談で詳しく症状をお聞きした上で、適切な漢方薬をご提案することをおすすめします。
まとめ:夜間のお腹の張りを改善するために
今回の事例から分かるように、夜間のお腹の張りには、体の潤いの不足や気の滞りが深く関わっています。特に夜間は陰の時間帯であるため、陰の不足があると肝気の働きが乱れ、お腹の張りとなって現れやすくなります。
改善のポイントは:
- 食生活の見直し:辛いもの、脂っこいもの、刺激物を控える
- 適切な水分摂取:こまめに常温の水を飲む
- リラックスを心がけた適度な運動:深呼吸しながらの散歩など
- 質の良い睡眠:十分な睡眠時間の確保
これらの自然療法を継続して行うことで、体の潤いを補い、気の巡りを改善し、夜間のお腹の張りを軽減していくことが期待できます。
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