【食欲不振】食欲がなくてお腹が空かない3つの原因と改善法

お腹の不調
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

食欲不振にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

「最近食欲がない」「いつも満腹感がある」「食べても美味しいと感じない」―こんな悩みを抱えていませんか?

食欲不振は一時的なものだけでなく、長く続くと体力低下や栄養不足を引き起こし、日常生活に大きな影響を与えてしまいます。今回は、食欲不振が起こる根本的な原因と、その改善方法についてお話しします。

まずは、私たちのお腹がどのように働いているのかを東洋医学の観点から理解することから始めましょう。

外見的な特徴とお悩みの症状

食欲不振でお悩みの方には、以下のような共通点が見られることがあります:

  • 顔色が青白い、または黄ばんでいる
  • やせ型、または下半身だけむくみがある
  • 疲れやすく、元気がない

主な症状:

  • 食欲がない
  • 食べてもすぐに満腹感がある
  • 胃もたれや胃の違和感がある
  • 口が乾く、または逆に唾液が多い
  • 便秘や下痢を繰り返す

お腹の働きとは?東洋医学的な視点で理解する

食べ物は口から入り、咀嚼されてから食道を通り胃に入ります。そこでさらに細かく分解された後、腸へと送られていきます。

東洋医学では、この一連の流れを2つの働きで説明します:

  1. 胃気(いき) – 食べ物を受け入れ、分解し、下向きに運んでいく働き
  2. 脾気(ひき) – 必要な材料を吸収して栄養に変え、上向きに運んで全身に配る働き

これら2つの働きがバランスよく協調することで、私たちの体は正常に機能します。しかし、以下のような生活習慣が続くと、このバランスが崩れ始めます:

  • 冷たいものや生ものの過剰摂取
  • 脂っこいものや甘いものの食べ過ぎ
  • 考え過ぎや悩み過ぎ
  • イライラやストレスの蓄積

これらが原因で脾気と胃気の働きが低下すると、食べ物を適切に処理できなくなり、お腹の中に食べ物が停滞するようになります。その結果、空腹感を感じにくくなるのです。

では、この食欲不振を引き起こす3つの主な原因について詳しく見ていきましょう。

食欲不振の原因1:お腹の弱り

食欲が湧くためには、文字通り「お腹を空っぽ」にする必要があります。

しかし、脂っこいものを食べ過ぎると、お腹の中に余分な熱が生じます。この熱は胃の潤いを消耗させ、胃気の働きを低下させてしまうのです。その結果、食べ物を十分に分解できず、下向きに運ぶことができなくなります。

また、甘いものの食べ過ぎは、お腹の中を水飴のようなドロドロした状態にしてしまいます。これにより脾気の運ぶ働きに負担がかかり、吸収した栄養を上向きに運搬することができなくなるのです。

このような状態が続くと、体は必要な栄養を十分に作れなくなります。そのため:

  • 体が痩せてくる
  • 少ないエネルギーで活動しようとするため、疲れやすくなる
  • 冷えやすくなる

これは体が「燃費の良い状態」になろうとしている表れですが、その結果、体からのエネルギー摂取要求も少なくなり、空腹感を感じにくくなるのです。

食欲不振の原因2:ストレス

食欲はあってもすぐに満腹になる、ゲップやガスが多いといった症状は、ストレスによるお腹の働きの乱れが原因です。

腸管の蠕動運動(ぜんどううんどう)は平滑筋の緊張と緩みの連携によって行われていますが、東洋医学では、この動きを胃気や肝気が調整していると考えています。

ストレスが長く続くと、これらの気の働きに不具合が生じ、腸管の動きが停滞します。その結果、空腹感を感じにくくなるのです。

また、交感神経が過剰に働くと、体は「戦闘状態」になります。この状態では:

  • 唾液や胃液の分泌が減少
  • 腸管の蠕動運動が鈍くなる
  • 膀胱や直腸の括約筋が閉じる

つまり、食べ物の消化・吸収・排泄に関わるすべての機能が低下するのです。このような状態が続くと、食欲不振が悪化します。

さらに、ストレスによって生じた余分な熱がある状態で、冷たい飲食物を摂ると、状況はさらに悪化します。ストレスによる機能低下に、冷えによる動きの悪さが加わり、お腹の働きはますます低下してしまうのです。

食欲不振の原因3:冷え

東洋医学では、体の芯にある熱を「腎陽(じんよう)」と呼び、これが体の機能の原動力になっていると考えています。

腸内細菌が正常に働くためには、**腸内温度が36℃〜37℃**に保たれている必要があります。この芯部の熱が不足すると、腸内細菌の活動が低下し、消化吸収の働きが悪くなるのです。

また、体内の水分は腎陽で温められることで軽くなり、スムーズに巡ります。しかし、腎陽が冷えると、お腹に余分な水分が停滞し、満腹感を引き起こします。

さらに、冷えによって腸管の蠕動運動も停滞すると、状況はさらに悪化します。例えば:

  • 緑茶やジュース類
  • 生野菜のサラダやスムージー

これらの冷やす性質を持つ食べ物を続けて摂ると、腸管が直接冷やされ、蠕動運動が停滞しやすくなります。これは、冷たい水に手を入れると動きが鈍くなるのと同じ原理です。

温度を上げた緑茶でも、その性質は冷やすものなので、体の状態を無視して続けて飲むと、徐々にお腹は冷えていきます。食べ物の持つ固有の性質が作用するため、例え熱々の状態でも、続けて摂ると体は冷えるのです。

食欲不振の改善方法1:お腹の弱りを改善する

お腹の弱りによる食欲不振を改善するには:

  • 空腹感に合わせて食べる:無理に食べず、体が求める時に食事をしましょう
  • よく噛んで消化の良いものを腹八分目に抑える
  • 軽めの運動を無理のない範囲で行う(脾気を応援します)

整体の考えでは、胸椎4〜8番がズレているとお腹の機能が低下するとされています。以下の方法を試してみましょう:

  • ストレッチで体を伸ばす
  • 仰向けになり、背中にテニスボールを入れて緩める
  • お腹のセルフマッサージ:みぞおち、おへそ、肝臓や胃など、押して気持ちの良い部位を心地よい範囲で緩める

これらの方法で周辺の緊張が取れ、腸管の動きが改善されます。

食欲不振の改善方法2:ストレスを軽減する

ストレスによる食欲不振を改善するには:

  • 歯の噛みしめをチェックする:無意識に噛みしめていないか確認し、気づいたらすぐに緩める
  • 上下の歯が接触していないかを意識する
  • **顎の緊張(梅干し状態)**になっていないか確認する

歯を噛みしめると全身の気血の巡りが悪くなり、余分な力が入ることで余計な熱を生じさせます。

また、吐く息を長めにした呼吸法を実践すると、副交感神経の働きが優位になり、リラックス効果が得られます。適度な運動と組み合わせるとさらに効果的です。

食欲不振の改善方法3:冷えを改善する

体の冷えによる食欲不振を改善するには:

  • 体の熱源を応援する運動:階段や坂道での散歩など、軽く汗ばむ程度の運動がおすすめ
  • 冷たい食べ物や飲み物を控える
  • 適切な水分摂取:体が必要とする以上の水分摂取は体を冷やすので、喉の渇きに応じて飲む

緑茶やコーヒーは性質として体を冷やします。これらは生薬としても扱われ、体の余分な熱を冷ます効果がありますが、冷えている体質の方が多量に摂ると、お腹に余分な水分が溜まり始め、不眠、吐き気、めまい、腰や足の痛みなどの症状を引き起こす可能性があります。

また、体の冷えを改善するには:

  • 胸椎10番〜腰椎2番をテニスボールで緩める
  • コンニャク湿布で肝臓、腎臓、下腹部を温める

では、この方におすすめの自然療法を教えてください

このような症状を持つ方には、以下の自然療法がおすすめです:

  1. 温かい飲み物:体を内側から温める生姜湯や黒糖しょうが湯がおすすめです。特に、食前に少量飲むと消化機能を高めます。
  2. 消化を助ける食事
    • 消化に良い具材を使った温かいスープ
    • よく煮込んだやわらかい野菜料理
    • 少量の発酵食品(納豆、キムチなど)を取り入れる
  3. ツボ押し
    • 「足三里(あしさんり)」:ひざのお皿の下、すねの外側にあるツボ
    • 「中脘(ちゅうかん)」:みぞおちから指2本分下にあるツボ
    • 「内関(ないかん)」:手首から指3本分上の手の内側中央にあるツボ

食欲不振に効果が期待できる漢方薬

以下は、食欲不振の改善に効果が期待できる代表的な漢方薬です。ただし、これらは特定の体質改善に効果が期待できる一般的な紹介であり、必ずしもあなたの症状に合うとは限りません。

  • 六君子湯(りっくんしとう):胃腸が弱く、食欲不振や胃部膨満感がある方に適しています。胃の運動機能を高め、食欲を増進させる効果があります。
  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):疲れやすく、元気がない、食欲不振がある方に適しています。脾胃の機能を高め、気を補う働きがあります。
  • 人参湯(にんじんとう):冷えによる食欲不振や、下痢を伴う消化不良に効果があります。胃腸を温め、消化機能を高めます。

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れないことがあります。ピヨの漢方では、あなたの体質や症状に合わせた漢方相談も行っていますので、お気軽にご相談ください。

まとめ:食欲不振を改善するための3つのポイント

今回は食欲不振の原因と改善方法について解説しました。食欲不振を改善するためには:

  1. お腹の弱りを改善する:良く噛んで消化の良いものを腹八分目に食べ、軽い運動を取り入れる
  2. ストレスを軽減する:歯の噛みしめを意識して緩め、長い呼吸で副交感神経を優位にする
  3. 体の冷えを改善する:適度な運動で体を温め、冷たい食べ物・飲み物を控え、体を温める食材を取り入れる

これらのアプローチを日常生活に取り入れることで、少しずつ食欲が戻り、体調も改善していくでしょう。

最後に、食欲不振が長く続く場合や、他の症状も併せて現れる場合は、医療機関への受診をおすすめします。東洋医学と西洋医学、それぞれのアプローチを活用しながら、健康な体を取り戻していきましょう。

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