
こんにちは
どうなさいましたか?

咳にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
風邪を引いた後、なかなか咳が治まらない経験はありませんか?風邪薬を飲んでも症状が長引き、特に咳と痰に悩まされる方は少なくありません。
実は、このような症状の背景には気の巡りの問題が隠れていることがあります。中医学では、ストレスなどで気の流れが滞ると、様々な不調が現れると考えられているんですね。
今回は、風邪が長引きやすく咳・痰に悩む方の体質改善法について、実際のご相談事例をもとに詳しく解説していきます。
外見的な特徴とお悩みの症状など
今回ご相談いただいた方の基本情報は以下の通りです。
身体的特徴:
- 食欲良好で空腹感もしっかりある
- 大便は正常で硬さも普通
- 頻尿はないが尿量は少なめ
- 喉の渇きは普通だが冷たいものをたくさん飲みたくなる
主な症状: ・以前から風邪を引きやすい ・風邪薬を長く飲んでも治らない ・咳と痰がひどく長引く ・咳のせいで夜も眠れなくなる ・過去に肋骨にひびが入ったことがある ・雨の日に症状が悪化しやすい ・ストレスがかかると症状が悪化する
なぜ風邪を引きやすく、咳が長引いてしまうのでしょうか?
風邪を引きやすい体質には、いくつかの原因が考えられます。
まず考えられるのは、表層での気の不足です。体の表面を守る気が不足していると、外からの邪気(病気の原因)が侵入しやすくなります。
しかし今回のケースでは、食欲が良好で消化機能に問題がなく、全体的な気の不足ではなさそうです。
むしろ問題なのは、気が必要な場所に届かないことなんですね。気は体内に十分あっても、巡りが悪いために表層まで届かず、結果として風邪を引きやすくなっているのです。
ストレスが体調を悪化させる理由は何ですか?
ストレスと咳の関係は、中医学の視点から見ると非常に興味深いものがあります。
ストレスがかかると肝気が鬱滞します。肝気の鬱滞とは、肝の機能が滞り、気の流れが悪くなることを指します。
気の流れが滞ると、以下のような問題が生じます:
- 気が上手く流れないため上に逆流して咳になる
- 肝鬱で熱が生じるため水を飲みたくなる
- 気が下へと巡らないため停滞した水が痰となる
- 水が出口まで行かないため多飲する割りに尿量は増えない
つまり、ストレスによる気の巡りの悪さが、咳・痰・多飲といった一連の症状を引き起こしているというわけです。
雨の日に症状が悪化するのはなぜですか?
雨の日に症状が悪化するのは、**湿邪(しつじゃ)**の影響が考えられます。
湿邪とは、湿気の多い環境から受ける邪気のことです。もともと体内に痰湿(たんしつ:余分な水分や老廃物)が溜まっている状態では、外からの湿気の影響を受けやすくなります。
気の巡りが悪く水分代謝が低下していると、湿邪の影響をより強く受けてしまうんですね。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
まず日常生活で気をつけていただきたいのは、以下の点です。
水分摂取量の調整が重要です。冷たいものをたくさん飲みたくなる気持ちは分かりますが、水分を摂る量を少し減らしてみましょう。
過剰な水分摂取は、気の巡りが悪い状態ではかえって痰湿を増やしてしまいます。
次に適度な運動によるストレス解消を図ってください。運動は気の巡りを促進し、ストレスの発散にも効果的です。
特にウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で継続できる運動がおすすめですね。
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
肝気鬱結体質の改善に効果が期待できる漢方薬をご紹介します。これらは今回の方に処方したものではなく、あくまで肝気鬱結体質の改善に一般的に用いられる漢方薬です。
- 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):気の滞りを解いて水を巡らせ、気や水を下向きに引き降ろす効果があります。ストレスによる様々な症状に用いられます。
- 柴胡疎肝湯(さいこそかんとう):肝気の流れをスムーズにして、気の鬱滞を改善します。胸や脇の張り、イライラなどにも効果的です。
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):気の巡りを良くし、痰を取り除きます。喉のつかえ感や咳にも用いられます。
ただし、症状が複雑な場合には単独では効果が不十分な場合があります。咳の状態によっては、麻黄や杏仁を含む漢方薬の併用が必要になることもあります。
当店では、お一人お一人の体質や症状に合わせた漢方相談を行っております。お気軽にご相談ください。
まとめ
風邪が長引きやすく咳・痰に悩む方の多くは、ストレスによる気の巡りの悪さが根本原因となっています。
気の流れが滞ると、体の表面を守る力が弱まり風邪を引きやすくなります。さらに気が上に逆流して咳となり、水分代謝が悪くなって痰が生じるのです。
改善のポイントは以下の3つです:
- 水分摂取量を適度に調整する
- 適度な運動でストレスを解消する
- 気の巡りを改善する漢方薬を活用する
体質改善には時間がかかりますが、根気よく取り組むことで症状は改善していきます。あなたの体質に合った方法を見つけて、健やかな毎日を取り戻しましょう。
YouTubeでも解説しています。


ご自分の体質にあった
漢方薬を試してみたい方は
ピヨの漢方の漢方相談を
ご利用ください。

