
こんにちは
どうなさいましたか?

口臭にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
口臭の悩みを抱える方は少なくありません。特に「朝起きた時」や「午後の仕事中」に口臭が強くなると感じる方も多いのではないでしょうか?
歯磨きをしても口臭が改善されない、歯科医院での治療を続けているのに効果を感じられないという場合、実は口の中だけでなく、体全体の状態が口臭に関係している可能性があります。
今回は、口臭でお悩みの53歳男性の体験談をもとに、東洋医学的な視点から口臭が生じる原因と、自然療法による改善方法をご紹介します。
この方の外見的な特徴とお悩みの症状は?
まずは、この方の外見的特徴と口臭の症状について見ていきましょう。
- 年齢:53歳(男性)
- 身長:178cm
- 体重:72kg
- BMI:22.72
外見的な特徴:
- 皮膚が乾燥気味
- 髪の毛は薄く、脂っぽい傾向がある
- 舌は厚みがあり白っぽい
- 舌には歯の痕が残り、溝や割れ目がある
- 舌苔は白く見えるが、舌ブラシでこすると黄色く厚く見え、一部剥れている
主な症状:
- 口臭に悩んでいる
- 歯周病の治療に通っているが改善が見られない
- 耳鼻科には通院していないが、自己観察では膿栓はなさそう
- 朝や午後の仕事時に特に口臭がひどくなる
- 歯磨きをしても口臭が改善しない
口臭はなぜ起こる?東洋医学からの視点
口臭の原因を東洋医学的に考えると、主にお腹の働きの低下が関係しています。特によく見られるのが「胃熱(いねつ)」と呼ばれる状態です。
胃熱が起こる主な原因としては、以下のような食習慣が挙げられます:
- 甘いものの食べ過ぎ
- 脂っこい食べ物の摂り過ぎ
- 辛い食べ物の摂り過ぎ
- アルコールの飲み過ぎ
これらによってお腹の働きが低下すると、余分な熱が生じます。すると消化は進むものの、栄養を吸収したり運んだりする機能が弱まり、腸内で腐敗したガスが発生します。そのガスが熱によって上昇し、口臭となって現れるのです。
また、お腹が冷えることでも同様の問題が起こります:
- 生もの(サラダや刺身など)の食べ過ぎ
- 冷たい飲み物(ビールやジュースなど)の摂り過ぎ
冷えによってもお腹の働きは低下し、食べ物が停滞します。消化は進みますが吸収や運搬の機能が弱まることで、やはり余分な熱とガスが生じて口臭の原因となります。
つまり、お腹に負担がかかると胃に余分な熱が生じ、口臭につながるというメカニズムがあるのです。
なぜ朝と午後に口臭が悪化するのか?
この方の場合、特に「朝」と「午後の仕事時」に口臭が悪化すると訴えています。これは時間帯による体の変化が関係しています。
朝に口臭が強くなる理由
東洋医学では、気(エネルギー)は午前から午後にかけて徐々に巡りの勢いを増していくと考えられています。朝は起きたばかりで体の活動力が弱く、冷えの影響を受けやすい状態です。
また、朝に症状が強くなるということは、活動開始時に「気の滞り」が強いことも示唆しています。気の巡りが滞ると、以下のような症状が現れます:
- 食べると腹部が張りやすい
- 腹部が張って苦しい
- 喉に何かが引っかかる感じがする(東洋医学では「梅核気」と呼ばれる症状)
午後に口臭が強くなる理由
午後になると気の巡りの勢いは増しますが、同時に気は徐々に消耗されていきます。そのため、気の不足によって腸管などの動きがさらに停滞しやすくなります。
お昼に食事をすると、お腹の活動が活発になりますが、処理すべき食べ物も増えます。東洋医学では、食べ物の消化と運搬に関わる働きを以下のように分類しています:
- 胃気:食べ物を受け入れ、分解し、下向きに運ぶ働き
- 肝気:腸管の蠕動運動を調整し、栄養を身体全体に配る働き
- 脾気:必要な材料を吸収して栄養に変え、上向きに運ぶ働き
これら3つの働きが協調して初めて、食べ物は適切に処理されます。しかし、気の不足や水分の停滞によってお腹の働きに負担がかかると、食べ物が停滞するようになります。特に午後は気の消耗により、これらの問題が顕著になるのです。
この方の体質的な特徴は?
この方の症状を総合的に見ると、以下のような体質的特徴が浮かび上がります:
- 気の滞りと体の冷え:
- 手足が冷える傾向
- 寒がりである
- 舌の色が白っぽい
- 舌に歯の痕がある
- 唇や歯茎の色が紫に近い
- 水分や血の巡りの悪さ:
- 不眠になりやすい
- 皮膚が乾燥しやすい
- 髪の毛が抜けやすい
- 爪がもろい
- 目が疲れやすく乾燥しやすい
- 体内の余分な水分の停滞:
- 口が粘る
- 舌が厚ぼったい
- 舌の苔が厚い
- 舌苔の上の水分が水っぽい
- こもった熱の存在:
- 痰が濃くて黄色い
- 舌苔をこすると黄色くなる
- 喉が渇いて水を飲みたくなる
- 目が充血しやすい
これらの要素が複合的に作用し、朝には気の滞りや冷えによって、午後には気の消耗による気の不足と気の滞りによって、飲食物がお腹の中で停滞しやすくなり、そこに熱が生じることで口臭が発生していると考えられます。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方の口臭の原因は、気の滞りや冷えが腸管の動きに影響し、飲食物の停滞を生み胃熱を発生させていることにあると考えられます。こうした状態を改善するための自然療法をご紹介します。
1. 水分摂取の改善
体内に余分な水分が停滞している一方で、喉の渇きを感じています。これは気の滞りによって体の中心部に生じた熱が上昇し、体の上部に乾燥を引き起こしているためです。
水分摂取の際の注意点:
- 少量ずつこまめに飲むようにする
- 大量の水分摂取を避ける(体内の水分停滞を悪化させる可能性がある)
- 冷たい飲み物よりも常温か温かい飲み物を選ぶ
2. 食生活の見直し
髪の毛が脂っぽいという症状は、気の滞りによって水分が上昇し停滞していることが原因かもしれません。また、食べ物も大きく影響しています。
避けるべき食品:
- 脂っこい食べ物
- 甘い食べ物
- 辛い食べ物
- アルコール類
- 冷たい飲み物や食べ物
おすすめの食事:
- 昔ながらの和食中心の食事
- 温かい食べ物
- よく噛んで食べる
- 規則正しい食事時間
3. 適度な運動の実施
体が冷えていることも腸管の動きを悪くする要因です。適度な運動は気血の巡りを改善し、ストレス解消にも役立ちます。
おすすめの運動:
- 軽く汗ばむ程度の有酸素運動(ウォーキングなど)
- 毎日継続できる運動習慣
- 朝の時間帯の運動(気の巡りを活性化させる)
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
この方のような体質の改善に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これは一般的な情報であり、個人の体質や症状に合わせた処方ではありません。
- 六君子湯(りっくんしとう):胃腸の働きが弱く、食欲不振や胃もたれなどの症状がある方に。気の巡りを改善し、水分代謝を促進します。
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):胃熱があり、のどの違和感や口の粘りがある方に。胃腸の熱を取り除き、水分代謝を整えます。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):気の滞りがあり、のどに何かが詰まった感じや不安感、不眠などがある方に。気の巡りを改善し、精神を安定させます。
なお、症状が複雑な場合には単独の漢方薬では効果が現れにくいことがあります。専門的な相談をご希望の方は、ぜひピヨの漢方にてご相談ください。
まとめ:口臭改善は体質からのアプローチが大切
口臭の問題は、単に口の中だけの問題ではなく、体全体のバランスや体質と深く関わっています。特に朝や午後に悪化する口臭は、気の巡りや胃熱、水分代謝の問題が関係していることが多いのです。
今回ご紹介した自然療法のポイントをまとめると:
- 水分は少量ずつこまめに摂取する
- 和食中心の食生活に切り替える
- 脂っこいもの、甘いもの、辛いもの、冷たいものを控える
- 軽く汗ばむ程度の運動を取り入れる
- 必要に応じて適切な漢方薬を活用する
これらの方法を組み合わせることで、口臭の根本的な原因にアプローチし、改善を目指しましょう。体質改善には時間がかかりますが、継続することで徐々に効果が現れてきます。
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