コリコリとした食感が特徴的な「キクラゲ」。中華料理や和食など、様々な料理に使われるこの食材が、実は優れた薬効を持つことをご存知でしょうか?
銀耳(キクラゲ)は単なる食材としてだけでなく、古来より薬膳では「滋陰潤肺」「養胃生津」などの効能を持つ食薬として珍重されてきました。日常的に取り入れることで、カラダの内側からじっくりと健康をサポートしてくれる食材なのです。
このブログでは、銀耳(キクラゲ)の基本情報から薬効、使い方、注意点まで、中医学の視点も踏まえて詳しく解説していきます。ぜひ毎日の食生活に取り入れて、その恵みを体感してみてください。
キクラゲとは?その基本情報を教えてください
キクラゲ(銀耳・木耳)は、独特のコリコリとした食感と栄養価の高さから、アジアを中心に広く親しまれている食材です。中国料理には欠かせない食材で、日本でも様々な料理に活用されています。
基本情報
- 性味/帰経:
- 性味: 平、甘、淡
- 帰経: 肺、胃、腎
栄養成分
キクラゲには、食物繊維や鉄分、ビタミンDが豊富に含まれており、低カロリーな健康食材です。特に食物繊維は腸内環境を整え、便秘解消にも役立ちます。
キクラゲにはどんな薬効があるのですか?
中医学では、銀耳(キクラゲ)には主に二つの重要な働きがあるとされています。それぞれの効能について詳しく見ていきましょう。
1. 滋陰潤肺(じいんじゅんぱい)の効能
「滋陰潤肺」とは、肺の陰液を補い、肺を潤す作用のことです。具体的に効果が期待できる症状は以下の通りです:
- 肺陰虚(肺の潤いが足りない状態)による咳
- 喀血(血の混じった痰が出る症状)
- 皮膚の乾燥
2. 養胃生津(よういせいしん)の効能
「養胃生津」とは、胃を養い、体液を生成する作用のことです。特に効果が期待できるのは:
- 陰虚による口渇(のどの渇き)
- 微熱
薬膳的特性
薬膳では、キクラゲは以下のような特性と効能を持つとされています:
- 性味と帰経: キクラゲは性平(体を温めも冷やしもしない)、味甘(甘味)で、肺、胃、大腸に作用します。特に陰虚(体内の潤いが不足した状態)や燥熱(乾燥して熱がこもった状態)の体質に有益です。
- 主要な効能:
- 肺を潤し咳を止める:乾いた咳や喉の渇きを緩和します
- 陰を養い胃を整える:胃の潤いが不足して起こる口の渇きや食欲不振を改善します
- 腸を潤し便通を良くする:食物繊維が豊富で、便秘に悩む方に適しています
キクラゲの便利な食べ方を教えてください
キクラゲは様々な料理に活用できる万能食材です。ここでは、基本的な下ごしらえから人気レシピまでご紹介します。
人気のレシピ
キクラゲを使った代表的な料理をいくつかご紹介します:
- 豚肉ときくらげの卵炒め: 豚肉、卵、キクラゲを炒めた中華料理の定番。卵の黄色はキンモクセイの花に見立てられています。
- キクラゲ入りかき玉スープ: 卵とキクラゲを使った、優しい味わいのスープ。滋養強壮にも良いでしょう。
- 中華風春雨サラダ: キクラゲ、春雨、野菜を使ったさっぱりとしたサラダ。食欲がない時にもおすすめです。
- 薬膳スープ: キクラゲに百合の根や大棗(なつめ)を加えて煮込んだスープ。滋陰潤肺の効果を高めた健康スープです。
まとめ:銀耳(キクラゲ)を日常に取り入れよう
銀耳(キクラゲ)は、美味しい食材であるだけでなく、中医学的にも優れた効能を持つ食薬です。「滋陰潤肺」「養胃生津」の働きで、特に乾燥しがちな現代人の健康をサポートしてくれます。
毎日の食事にキクラゲを取り入れることで、コリコリとした食感を楽しみながら、健康維持にも役立てることができます。スープや炒め物、サラダなど様々な料理に活用して、キクラゲの恵みを体感してみてはいかがでしょうか。
健康的な食生活は、一日一日の積み重ねが大切です。ぜひキクラゲを日々の食卓に取り入れて、長期的な健康づくりに役立ててくださいね。
参考文献

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