
こんにちは
どうなさいましたか?

過呼吸にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
突然息が苦しくなる過呼吸は、多くの方が経験されるつらい症状の一つです。特に生理前や低気圧の日に症状が悪化することはありませんか?
今回は、過呼吸にお悩みの51歳女性の方から貴重な体験談をシェアしていただきました。漢方の視点から見た過呼吸の根本的な原因と、日常生活で取り入れられる改善法について詳しく解説していきますね。
同じような症状でお困りの方にとって、きっと参考になる内容だと思います。
外見的な特徴とお悩みの症状など
基本情報
- 年齢:51歳(女性)
- 身長:160cm
- 体重:45kg
- BMI:17.58
身体的特徴
- 皮膚が乾燥している
- 舌の色が白っぽく、歯の痕がある
- 舌苔は少ないが、バターを塗ったようにべたついている
- 水分は乾燥している
主な症状:
- 過呼吸
- 瞑想中の症状
- 生理前に悪化
- 低気圧で悪化
なぜ過呼吸が起こるのか?呼吸のメカニズムから考える
過呼吸の原因を理解するために、まず正常な呼吸のメカニズムについて説明しましょう。
呼吸をするには、吸息筋と呼ばれる呼吸に関係する筋肉が収縮することが必要です。この筋肉の働きによって胸郭(きょうかく:胸の骨格)が拡がり、それに引かれるように肺が拡がって空気が入ってきます。
胸郭を拡げるためには、以下の筋肉が協調して働いています:
- 外肋間筋:胸郭を外側へ拡げる
- 横隔膜:下方へ拡がって肺を膨らませる
- 固有背筋:これらの働きを支える重要な筋肉
ところが、この固有背筋を調整する腎気(じんき:体を温めたり支えたりする生命エネルギー)が低下すると、背筋が緩んでしまい姿勢を維持できなくなってしまうのです。
この方の体質の特徴は?腎気と脾気の低下が原因
腎気の低下による影響
この方の症状を詳しく見ると、腎気の低下が大きく関わっていることが分かります。
腎気には体を温める機能と体を支える機能がありますが、以下の症状から両方の機能が弱っていることが推測されます:
- 手足の冷えや寒がり体質
- 一回の量が多い夜間尿
- 腰痛の存在
腎気が低下すると、胸郭が拡がろうとしても胸が押しつぶされた状態になり、十分に拡がることができなくなってしまいます。
横隔膜の働きに与える影響
正常な呼吸では、息を吐いたときに横隔膜の緊張が緩んで胸郭の中へと山なりに盛り上がります。これは内臓や腹筋の弾力によって押し戻されることで起こります。
しかし、腎気が低下して下腹部の緊張感が緩むと以下のような問題が生じます:
- 腹圧が弱まる
- 横隔膜が山なりに盛り上がらなくなる
- 息を吸いきったような状態が続く
- それ以上横隔膜を拡げられず、呼吸が浅くなる
脾気の低下も関与
さらに、この方の症状から脾気(ひき:消化吸収や内臓を持ち上げる働きを司るエネルギー)の低下も見られます:
- 肛門下垂、子宮下垂、胃下垂
- 大便が柔らかすぎる
脾気が弱って平滑筋が緩むと、内臓の緊張が緩んで腹圧が保てなくなります。その結果、横隔膜は山なりに盛り上がらなくなり、胸郭がそれ以上拡げられなくなってしまうのです。
この時、「上の気と下の気が上手く連結できない」ような息苦しさを感じると言われています。
生理前や低気圧で症状が悪化する理由は?
生理前の影響
生理前になると気の巡りが悪くなり、横隔膜の働きを調整する気が滞り気味になります。そのため、呼吸の調整が上手くできなくなってしまいます。
低気圧の影響
低気圧で体の機能が圧迫されるようになると、呼吸の力を生み出す横隔膜などの動きがさらに弱まります。普段から横隔膜の働きが弱っているところに、この影響が加わることで症状が出やすくなるのです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
瞑想法の継続と強化
改善法として瞑想を実践されているとのことですが、ぜひ続けられることをおすすめします。
特におすすめなのは、強化型の瞑想法です。これは骨盤底筋などの筋力強化を同時に行う方法で、緩んでしまった内臓の緊張感を高めることにつながります。
運動による体質改善
筋力の低下も感じられますので、以下のような運動をおすすめします:
- 近所の散歩:無理のない範囲で継続
- スクワット:下半身の筋力強化
- 四股:体幹と下半身を同時に鍛える
下半身が弱ってくると内臓が下がってきてしまい、横隔膜も緩んでしまいます。運動不足に心当たりがある場合は、下半身を強化する目的の運動を無理のない範囲でお試しください。
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
以下の漢方薬は、腎気や脾気の低下による体質改善に効果が期待できる代表的なものです。ただし、これらはこの方個人に合わせた処方ではなく、あくまで腎気・脾気虚弱体質の改善に一般的に用いられる漢方薬をご紹介しています。
主な漢方薬
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):脾気を補い、内臓の下垂や消化機能の改善に用いられる代表的な処方
- 八味丸(はちみがん):腎気を補強し、下半身の冷えや夜間頻尿、腰痛の改善に効果が期待される
- 人参養栄湯(にんじんようえいとう):気血両虚の状態を改善し、全身の機能低下や疲労感の回復に用いられる
症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では十分な効果が得られない場合があります。当店では、お一人お一人の体質や症状に合わせた漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
過呼吸の根本的な原因は、横隔膜を支える筋肉の働きを調整する腎気と脾気の低下にあることが分かりました。
この体質改善のためには、以下のポイントが重要です:
改善のポイント
- 強化型瞑想法の継続
- 下半身を中心とした筋力強化
- 適切な漢方薬による体質改善
- 生理前や低気圧の時期の体調管理
過呼吸は単なる症状ではなく、体全体のバランスの乱れから起こる問題です。根本的な改善を目指すなら、体質から見直していくことが大切ですね。
同じような症状でお悩みの方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
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