冷え性の原因と解消法!手足が冷たいのはなぜ?漢方が教える根本改善策

お腹の不調
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

冷え性にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

冷え性でお悩みの方は非常に多いものです。特に冬場になると「手足が冷蔵庫の中に入れているみたいに冷たい」と表現される方もいらっしゃいます。

この不快な冷えの感覚は、単なる外気温の問題だけではなく、実は私たちの体の中で起きている様々な不調のサインかもしれません。東洋医学の視点から見ると、手足の冷えには明確な理由があるのです。

今回は31歳男性の方から寄せられた冷え性のお悩みを例に、冷え性の原因と効果的な改善方法について詳しく解説していきます。

冷え性に悩む方の体質と症状

まずはこの方の外見的な特徴とお悩みの症状について見ていきましょう。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 31歳の男性
  • 身長は174cm
  • 体重は60kg
  • BMIは19.82

主な症状:

  • 冬は手足が冷蔵庫の中に入れているように常に冷たい
  • お風呂に入ると楽になるが、すぐに手足が冷えてしまう
  • 食事量が人より少なめ
  • 顔色は白っぽい
  • 皮膚は乾燥している
  • 舌は厚ぼったく、歯の痕や溝、割れ目がある
  • 舌苔の上は水っぽく、部分的に剥れている

既往歴:

  • 8年前に虫垂炎
  • 4年前から十二指腸潰瘍

冷え性はなぜ起こるのでしょうか?

冷え性の基本的なメカニズムについて理解しましょう。

外部の温度が体温よりも低い場合、必ず体からは熱が奪われています。そのため、真夏日でない限り、誰でも冷え性になる可能性があるのです。

特に冬は外気温が体温よりもかなり低くなるため、体から熱が大きく奪われやすくなります。しかし人間の体は本来、「気」の温める働きによって体温を維持しています。この「気」は血液にくっついて血管の中を通って全身を巡っているのです。

そのため、外部環境によって体が冷やされても、内側の「気血」の巡りが保たれていれば、体は暖かいままでいられます。しかし何らかの理由で気血の巡りが悪くなると、体は温められなくなり、冷えを感じるようになるのです。

冷え性の2つの原因タイプ

冷え性の原因は大きく分けて2つあります。

  1. 熱を作れない場合
  2. 熱を届けられない場合

それぞれ詳しく見ていきましょう。

熱を作れない場合

熱を作る機能には腎陽脾気が関連しています。

腎陽の低下

腎陽は体の芯部にある熱源で、体全体の働きを支えています。腎陽は特に身体の水分を温めて巡らせる働きに大きく関わっています。

腎陽が弱ると、体の水分を温められなくなります。温められない水分は重みによって下に落ち込み、動きの悪い冷たい水分が下半身に停滞して、余計に冷えやすくなります。

お風呂で例えると、水と火力のバランスが良ければ適温になりますが、火力が弱すぎるといつまでも水は冷たいままです。そのため、血液や熱が上に持ち上げられず、顔色が白っぽくなったり、下半身がむくんだりすることがあります。

脾気の低下

東洋医学では、食べ物を分解・吸収して体に必要な気や血に合成する働きは、脾気によって行われていると考えます。

体を温める作用の一つに、食べ物を分解する時に生じる代謝熱がありますが、脾気が弱ると、この代謝熱が作られなくなります。食べて分解して吸収するには大量のエネルギーが必要なので、脾気の働きが弱いと、食べ物を処理するのにエネルギーを奪われてしまい、気が巡らせられなくなって、かえって冷えてしまうことがあります。

また、手足を動かすには脾気によって作られた栄養が必要です。脾気が弱ると、エネルギーが全体で足りなくなり、中心部に重点的にエネルギーが配分され、手足への配分が少なくなるので、活発に活動できなくなります。

筋肉の太さも脾気によって左右され、運動する際に筋肉へと栄養を送るためにも脾気の巡らせる機能が大きく影響します。そのため、脾気の低下は特に手足の冷えを感じさせる原因になります。

熱を届けられない場合

体が熱を作ることができても、それを届けられなければ冷えていきます。人間の体が熱を作るのは、血液の流れに乗って届けられた酸素や栄養によって、細胞が活動することで生じます。

熱が届けられなくなる理由は3つあります:

  1. 貧血になっている
  2. 気の巡りが悪い
  3. 何かが邪魔している

貧血の場合

貧血になると、熱を作り出す気も不足して体が冷えるようになります。血液は気と結びついて全身を巡るため、血の不足があると気が運ばれなくなります。

細胞が活発に活動するには、それに応じるだけの量の血に封じられた酸素(気)が必要です。貧血になると運べる酸素量が減り、生理機能が低下して熱が作りにくくなります。この時、体は優先的に体の中心部へ酸素を分配するので、末端部では酸素供給が減って冷え性になります。

気の巡りが悪い場合

ストレスを感じやすい状態では、気の巡りが悪くなるため、血液の動きも悪くなり、冷えを感じやすくなります。

ストレスによって緊張が強まると、気が伸びやかに広がれなくなり、中心部に渋滞するようになります。すると末端部では気も血もまばらにしか巡れなくなるため、冷え性になります。

この場合、熱を作る働きや身体の気血に不足などの問題がないと、中心部では気血が集中して不必要な熱が生じる一方で、手足は冷えたままというアンバランスな状態になります。

何かが邪魔している場合

血液の流れを何かが邪魔すると、熱が届かなくなります。

余分な水分が体内に停滞していると、全身をよく循環させることができなくなります。停滞した余分な水分が血管の周囲や内部に居座ってしまい、気や血液の巡りを邪魔すると冷え性になります。

これは、ホースの内外に邪魔なものが居座り、流れを邪魔しているようなものです。また、余分な水分が体内に充満している状態は、濡れた衣類を着て生活しているのと同じです。この状態では、どんどん熱を奪われ、体は熱を守るために血管を収縮させるため、さらに気血が届かなくなって冷えやすくなります。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の症状を分析すると:

  • BMIや食欲、排便状態からは、脾気にはそれほど問題がないように見受けられます
  • しかし「食べると腹が張る」「胃がもたれる」などの症状から、食べ物を吸収してから運ぶ働きに問題がありそうです
  • 顔色は白っぽいものの、舌の色は綺麗なピンク色で、全身の倦怠感もないことから、体の熱源には大きな問題はなさそうです
  • 舌の形が厚ぼったく、歯の痕があり、舌苔が水っぽいことから、動きの悪い水分が体内に停滞していると考えられます
  • 虫垂炎や十二指腸潰瘍は、気の滞りによって生じた熱がお腹を攻撃することで起きた可能性があります

この方の冷え性の主な原因は:

  1. ストレスなどによる気の滞りで、気血が末端部へ十分に広がれていない
  2. 停滞した水分が冷却水のように作用して冷えを強めている

おすすめの自然療法としては:

  1. 運動を継続する 3ヶ月前から始められている毎日5分の運動は非常に良い習慣です。体の熱を作るには食べ物も大切ですが、運動によって生まれる熱が最も効率的です。可能であれば、軽く汗ばむ程度の有酸素運動を無理のない範囲で少しずつ増やしていくと良いでしょう。
  2. 水分の適切な摂取 1ヶ月前から始められている「常温以上の水分摂取」も非常に良い習慣です。ただし、喉の渇きを感じてから飲むようにするとより効果的です。水分の摂り過ぎは余分な水分が体内に停滞する原因となり、お腹の機能を低下させることがあります。

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

この体質に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これはあくまで一般的な気の滞りや水分停滞の改善に効果が期待できる漢方薬であり、この方に特化したものではありません。

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう): 気の巡りを改善し、余分な熱を鎮める効果があります。ストレスによる気の滞りからくる不調に効果が期待できます。
  • 五苓散(ごれいさん): 余分な水分を排出する効果があり、水分の停滞によるむくみや冷えの改善に期待できます。
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん): 血の巡りを良くし、水分の代謝を促進します。冷えやむくみがある方に向いています。

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が出にくいこともあります。ピヨの漢方では漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ:冷え性は体質から改善しましょう

冷え性の原因は人それぞれですが、大きく「熱を作れない」「熱を届けられない」の2つのタイプに分けられます。

今回のケースでは、主に「気の滞り」と「水分の停滞」が冷え性の原因と考えられます。対策としては:

  1. 適度な運動を継続する
  2. 水分摂取に気をつける(常温以上、適量を守る)
  3. ストレスを軽減し、気の巡りを良くする

これらの取り組みを続けることで、根本から冷え性を改善していくことが期待できます。

お体の不調は単なる症状だけでなく、東洋医学的な体質の視点から見ることで、より効果的な対策が可能になります。

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ピヨ先生
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