
こんにちは
どうなさいましたか?

重だるいことにお悩みの方から
質問をいただきましたよ。
女性の体は様々なホルモンバランスの影響を受けやすく、特に30代以降は体調の変化を感じる方が増えてきます。疲れやすさやむくみ、食欲不振などの症状に悩んでいませんか?これらの症状は単なる生活習慣の乱れだけでなく、体の内側から発するSOSサインかもしれません。
今回は、ホルモンバランスの乱れと低容量ピルの影響で体調不良を感じている36歳女性の事例をもとに、東洋医学的な視点からの体質分析と自然療法のアプローチをご紹介します。同じような症状でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
どのような症状に悩んでいるのでしょうか?
今回ご相談いただいたのは36歳女性の方で、基本情報は以下の通りです:
- 年齢:36歳(女性)
- 身長:155.5cm
- 体重:52kg
- BMI:21.51
主な症状として:
- 疲れやすく、体が重だるい
- むくみやすい
- 食欲があまりなく、特に夜は食べられない
- 口寂しさからつまみ食いはするが、まとまった食事は摂れない
- 少し動いただけで息切れする
- 急に立ち上がるとめまいがする
- 不安感が現れやすい
現在は産婦人科での血液検査の結果、ホルモンバランスの異常から超低容量ピルと漢方薬を処方されています。ピルを飲み始めて1年ほど経ちますが、数ヶ月前にピルの種類を変えてから、生理時の体のだるさ、血の塊、出血量の増加などの症状が現れるようになりました。
この方の体質には、どのような特徴がありますか?
東洋医学的な視点から見ると、この方の体質には重要なポイントがいくつかあります。
まず注目すべきは、ピルの変更後に生理時の症状が悪化している点です。ピルに含まれる卵巣ホルモンや黄体ホルモンは、体の全体との調和を取りながら作用するのではなく、単独で活性化させるような働きをします。
東洋医学では、これが「腎気(じんき)」や「肝気(かんき)」の働きを乱すと考えます。腎気は生殖機能も含めた体の基礎を担い、肝気は気血の巡りを調整する役割があります。長期間のピル服用によって、これらの体の土台となる機能が乱れ、巡りの悪さが生じやすくなるのです。
特に以下のような状態が起きていると考えられます:
- 腎気が過度に活性化され、体内に熱と水分が蓄積しやすくなっている
- 肝気の乱れにより気血の巡りが悪化し、水分の停滞(むくみ)や疲労感の原因となっている
夜に食欲がないのも特徴的です。東洋医学では、夜間は「陰」の力が強まり「陽」の力が弱まる時間帯です。そのため体内に停滞している水分の動きが悪くなり、お腹に余分なものが留まることで消化機能を妨げ、食欲低下につながっています。
また、手のひらに汗をかきやすい、雨の日に体調が悪いなどの症状も、体内に余分な水分が停滞している証拠と言えるでしょう。
息切れやめまいについても、体の周囲に余分な「重り」のような水分が充満している状態のため、体を動かした時や急に立ち上がった時に必要な気血が十分に供給されないことが原因と考えられます。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方の症状改善のためには、余分な水分の停滞を解消し、気血の巡りを促進する自然療法がおすすめです。
まず水分摂取について。喉の渇きを感じることがありますが、これは腎気や肝気の乱れによって喉の周囲に熱がこもることが原因です。水分摂取は大切ですが、一度にたくさん飲むのではなく、こまめに少量ずつ摂ることをおすすめします。
また、気血の巡りを改善するために軽い運動を取り入れましょう:
- 軽めの散歩(無理のない範囲で15〜20分程度)
- 室内でのヨガや気功
- 呼吸を意識した有酸素運動
これらの運動は気血の巡りを促進し、停滞している水分の代謝も助けてくれます。体調に合わせて、気が向いた時に少しずつ始めてみてください。
この体質の改善に効果が期待できる漢方薬
この方のような体質の改善に効果が期待できる漢方薬としては、以下のようなものがあります。ただし、これらはあくまで水分代謝の改善に一般的に用いられる漢方薬であり、個人の症状に合わせた処方ではありません。
- 五苓散(ごれいさん):体内の余分な水分を排出し、むくみを改善する効果があります
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):余分な水分を排除し、気血の巡りを促す働きがあります
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):肝気の巡りを改善し、イライラや不安感を和らげる効果があります
当店では、個々の体質や症状に合わせた漢方相談も行っております。
YouTubeでも解説しています。
まとめ
今回ご紹介した事例は、ホルモンバランスの乱れとピルの影響による体調不良のケースでした。東洋医学では、このような症状を体内の水分停滞や気血の巡りの悪さとして捉え、根本からのアプローチを大切にします。
自然療法と適切な漢方薬の組み合わせにより、症状の改善が期待できますが、医師との連携も重要です。ピルを処方されている場合は、自己判断で中止せず、必ず医師に相談しながら体質改善を進めていきましょう。
体の不調は、あなたの体からのメッセージです。小さな変化から始めて、徐々に本来の健やかな状態を取り戻していきましょう。

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