頭がぼんやり重くなる原因と体質改善法 | 漢方的アプローチで解決

頭痛
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

頭が重くなる事にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

「頭がぼーっとして集中できない」「後頭部が熱っぽくて重い感じがする」こんな症状でお悩みではありませんか?

西洋医学では異常なしと言われても、日常生活に支障をきたすほどの不調を感じているという方は少なくありません。今回は、頭がぼんやりして重くなる症状に悩む35歳女性の体験談をもとに、漢方的な視点から体質を分析し、改善方法をご紹介します。

のぼせや頭の重さは、実は体全体のバランスの乱れから生じていることが多いのです。東洋医学の知恵を活かして、根本から健康を取り戻しましょう。

外見的な特徴とお悩みの症状

今回ご相談いただいたのは、こんな特徴をお持ちの方です:

  • 35歳の女性
  • 身長:160cm
  • 体重:56kg
  • BMI:21.88

主な症状:

  • 頭がぼんやりして重い、判断力や思考力が鈍る
  • 頭の後頭部が熱っぽく触ると熱い
  • 朝起きられない、だるい、眠い
  • 口が渇く、ネバネバする
  • 食後の過度な眠気
  • 傷の治りが遅い、肌の湿疹、炎症
  • リーキーガット、遅延型アレルギー(小麦粉、乳製品など)
  • 副腎疲労、頭痛
  • 血圧の変動(午前中は60-90程度、午後は80-130程度)
  • 午前中は手足に力が入らない時もある

また、顔色が悪くクマがあり、舌は厚ぼったく白い歯の痕があり、白くて厚い苔がついています。苔は奥の方に多く、舌の裏の静脈は太く膨らんでいるとのことです。

のぼせはなぜ起こる?東洋医学の考え方

のぼせとは、頭や顔など体の上部において熱感を感じることを言います。突然頭や顔が赤くなって熱くなり、頭がぼーっとなるだけでなく、めまい、頭痛、肩こり、手足のしびれ、動悸、発汗などを伴うこともあります。

東洋医学では、のぼせの原因を以下の5つに分類しています:

1. 身体全体の熱の勢いが強い場合

身体全体で熱の勢いが強すぎると、過剰な熱が行き場を失って体の上部へ向かい、熱の症状として現れます。これはお風呂の例で言えば、水の量は問題なくても、熱が強すぎて入れないほど沸き上がっている状態です。

2. 滞りにより強い熱が生じる場合

頭を使いすぎたり、ストレスで気が滞ると、エネルギーの流れが悪くなって熱が生じます。この熱が上昇していくと、上部に熱が停滞します。お風呂で例えると、中心部だけが仕切られて熱が集中し、周辺に広がれなくなっている状態です。

3. 熱を制御する冷却水の不足

人間の身体は熱と水のバランスで健康を維持しています。水分が不足すると、相対的に熱が過剰になり、あぶれた熱が上部へ向かいます。お風呂で言えば、火力は問題なくても水が少ないため沸き立ってしまう状態です。

4. 体が冷えている場合

体が冷えていると、水分を温めて軽くできなくなるため、下部には水分が充満するものの、上の方には水分を運べなくなります。結果、上部では水分不足で熱だけが集中します。お風呂で言えば、火力が弱く循環が悪いため、上だけ熱くて下は冷たい状態です。

5. 体の水分が多すぎる場合

体内の水分が多すぎると、熱源に負担がかかり適切な循環ができなくなります。これも体が冷えているのと同じく、下は冷えて上だけが熱くなります。お風呂で例えると、水が溢れるほど多いため循環せず、上だけが熱く下は冷たいままの状態です。

この方の体質分析

のぼせは体の上部における熱感ですので、体の上部には熱があることがわかります。しかし、全体的な状態を見ると:

  • 舌の色が白っぽい
  • 舌に歯の痕がある
  • 手足が冷える傾向
  • 朝の脱力感

これらの症状から、体の芯部の熱源には不足がありそうです。

また、気の巡りについても:

  • イライラしやすい
  • 喉に何かが引っかかる感じ
  • ゲップやガスが出ると楽になる

これらから、気の巡りは中心部に偏っていて、熱を生じさせている様子がうかがえます。

さらに、体の潤いの状態を見ると:

  • 髪の毛が抜けやすい
  • 爪がもろい
  • 体温が高くないが熱っぽく感じる

これらは血や潤いの不足を示しており、冷えや熱の偏りを強めています。

そして、水分バランスについては:

  • 足やお腹の浮腫み
  • 頭が重く感じられる
  • 雨の日は体調が悪い
  • 舌の形が厚く、苔も厚い

これらは体の中の水分の充満を示しています。この状態は東洋医学で「水毒」と呼ばれるものです。

つまり、この方の体質は:

  1. 気の滞り
  2. 水分の充満
  3. 熱源の弱さ

これらが組み合わさっていると考えられます。気の滞りと水の充満で熱源に負担がかかり、温めきれない水分は循環が悪くなります。特に雨や曇りの日、低気圧の日、冷える日には体の巡りがさらに悪くなって、熱だけが上昇してのぼせのようになります。

また、午前中に症状が悪化するのは、起床から時間が経っておらず体の熱が十分に強くなっていないためです。体内の水が溢れていると正常な巡りが妨げられ、気の流れが悪くなります。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の体質を踏まえると、以下の自然療法がおすすめです:

1. 水分摂取の工夫

体内に動きの悪くなった水分が充満していますので、水分の摂り方に注意が必要です。喉の渇きを感じても、体の下方には水が充満して停滞しているため:

  • 喉の渇きを感じてから少量ずつ飲む
  • 一度に大量の水を飲まない
  • 熱中症の危険がない季節は、喉の渇きがない時は無理に水分を摂らない

これにより、水分を摂りすぎず適度に補給できます。

2. 適度な運動で体の熱を作る

水を巡らせるには体の熱が必要です。熱を作るには運動が効果的です:

  • 軽く汗ばむ程度の運動を心がける
  • 近所の坂道を散歩する
  • 階段を積極的に使う

体を動かすことで気血が巡り、酸素が体中に行き渡り、細胞活動が活発になって熱が生じます。循環が良くなれば水分も出口まで届き、浮腫みの改善にもつながります。

3. 十分な休息と早寝早起き

体は夜間に気や血、潤いなど必要な材料を作ります:

  • できるだけ早めに就寝する
  • 眠れなくても布団に入って体を休める
  • 質の良い睡眠を心がける

早寝早起きの習慣をつけることで、体の修復力が高まり、気や血を作るチャンスを増やします。

4. 温めることの効果

お風呂に入ると調子が良くなるのは、体が温められて循環しやすくなるからです:

  • 足湯を行う
  • コンニャク湿布で外側から温める
  • 半身浴や全身浴を続ける

これらの方法で体の熱を補うことができます。

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

この体質の方に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これはあくまで一般的な情報であり、個人の体質や症状に合わせた漢方薬ではありません。

  • 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):水毒を改善し、のぼせやめまいの症状に効果が期待できます。水分代謝を促進し、上半身の熱を下げる働きがあります。
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):気の巡りを改善し、イライラや不安感、のぼせなどの症状に効果が期待できます。精神的な落ち着きをもたらします。
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血や潤いの不足を改善し、冷えや疲れに効果が期待できます。特に女性の体質改善によく用いられます。

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が見られないこともあります。ピヨの漢方では個人の体質や症状に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

頭がぼんやりと重くなる症状は、東洋医学的に見ると、気の滞り、水分の充満、熱源の弱さが複合的に絡み合っている可能性があります。

日常生活では以下のポイントを意識しましょう:

  1. 水分は喉が渇いてから少量ずつ摂る
  2. 軽く汗ばむ程度の運動を取り入れる
  3. 早寝早起きで体の修復力を高める
  4. 足湯や半身浴で体を温める

これらの自然療法を続けることで、体内のバランスが整い、頭のぼんやり感や重さが改善していくでしょう。一日でも早く快適な毎日を送れるようになることを願っています。

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ピヨ先生
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