ビワは甘くて美味しい果実を実らせるだけでなく、その葉も「枇杷葉(びわよう)」として古くから漢方薬や民間療法で重宝されてきました。特に咳や胃の不調に対する効果が知られており、東洋医学の知恵が詰まった貴重な生薬です。
枇杷葉は主に「熱」による症状を鎮める働きがあり、特に呼吸器系や消化器系のトラブルに用いられてきました。
今回は、この枇杷葉の基本情報から効能、使い方、そして注意点までを詳しくご紹介します。日常生活に取り入れられる知恵として、ぜひ参考にしてみてください。
枇杷葉とは?基本情報を教えてください
枇杷葉は、バラ科の常緑高木であるビワ(枇杷)の葉を乾燥させたものです。漢方薬や中国伝統医学では重要な生薬として使われています。
性味と帰経
- 性味:微寒(平)、苦
- 帰経:肺、胃
- 常用量:6~15g
薬理学的には、アミグダリンという成分を含み、これが鎮咳作用と関連していると考えられています。また、抗炎症作用や抗菌作用も報告されています。
枇杷葉にはどのような薬効がありますか?
枇杷葉には主に二つの重要な働きがあります。肺の熱を清め咳を止める「清肺止咳」と、胃の逆流を抑え嘔吐を止める「降逆止嘔」です。
1. 清肺止咳(肺の熱を清め、咳を鎮める効果)
肺に熱がこもることで起こる以下のような症状に効果的です:
- 熱による咳や喘息
- 粘り気のある痰
- 咳と共に出る血(喀血)
- 鼻血(衄血)
- 呼吸困難
- のどの乾燥感
特に痰が少なく、乾いた咳や喉の渇きを伴う「乾咳」と呼ばれる状態に適しています。現代医学で言えば、急性気管支炎などで見られる症状によく使われます。
2. 降逆止嘔(胃の逆流を抑え、嘔吐を止める効果)
胃に熱がこもることで起こる以下のような症状に効果があります:
- 胃の熱による吐き気
- 嘔吐
- 口の渇き
枇杷葉を使用する際の注意点は何ですか?
枇杷葉は安全性の高い生薬ですが、正しく使うために以下の点に注意しましょう:
- 繊毛の除去が必要
- 枇杷葉の裏面にある細かい繊毛は、喉に刺激を与える可能性があります
- 使用前に繊毛を取り除き、煎じる際は包んで(包煎)使用するのが一般的です
- 繊毛自体に有害成分はないとされていますが、物理的な刺激で咳を誘発する可能性があります
- 使用してはいけないケース
- 冷えによる咳には適していません
- 胃が冷えている状態での嘔吐にも使用しないでください
- 適切な用量を守る
- 漢方生薬としての用量は6~15gです
- 大量摂取は避けましょう
枇杷葉はどのように民間療法で使われていますか?
枇杷葉は漢方薬としてだけでなく、日本を含むアジア各国で様々な民間療法としても活用されてきました。
温湿布としての利用
枇杷葉を患部に直接当てて温めることで、痛みを和らげる効果が期待できます。関節痛や筋肉痛の緩和に用いられることがあります。
ビワの葉エキス
焼酎などのアルコールに枇杷葉を漬け込んでエキスを抽出し、湿布や化粧水として使用する方法も広く知られています。皮膚トラブルの緩和や美容効果を期待して使われることがあります。
ビワの葉茶
乾燥させた枇杷葉を煎じてお茶として飲む方法も一般的です。咳や胃の不調を和らげるだけでなく、健康維持や美容効果も期待されています。
ただし、これらの民間療法の効果については科学的に十分に検証されていない面もありますので、過度の期待は禁物です。体調不良が続く場合は、医師に相談することをお勧めします。
まとめ:枇杷葉の上手な活用法
枇杷葉は東洋医学の知恵が詰まった優れた生薬です。主に以下のような特徴があります:
- 二つの主要な効能
- 肺の熱を冷まし咳を鎮める「清肺止咳」作用
- 胃の逆流を抑え嘔吐を止める「降逆止嘔」作用
- 現代の科学的研究でも注目
- 抗炎症作用
- 抗菌作用
- 安全に使用するために
- 繊毛は必ず取り除く
- 冷え体質には使用しない
- 適切な用量を守る
漢方の考え方では、体質や症状に合わせた「証」に従って薬を選ぶことが大切です。枇杷葉が合う「証」は主に「熱証」、特に肺と胃の熱による症状です。
私たちの身近にある植物の葉から、こんなにも多くの健康効果が得られるというのは、自然の恵みの素晴らしさを感じさせてくれますね。日常的な健康管理の一環として、ぜひ枇杷葉の知恵を活かしてみてはいかがでしょうか。
参考文献

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