
こんにちは
どうなさいましたか?

夏の便秘にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
暑い夏が到来すると、なぜか便秘がちになってしまう…そんな経験はありませんか?実は、これは決して偶然ではありません。
夏という季節には、他の時期とは異なる便秘の特有な原因があるのです。冷たい飲み物を多く摂取したり、体内の熱バランスが崩れたりすることで、腸の働きに大きな影響を与えてしまいます。
今回は、漢方の視点から夏の便秘のメカニズムを詳しく解説し、日常生活でできる改善法まで分かりやすくお伝えします。毎年夏になると便通に悩む方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
なぜ夏になると便秘になりやすいのですか?
夏の便秘には、この季節特有の3つの主要な原因があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 体内の熱の過剰による潤い不足
夏は気温が高く、体の熱も盛んになるため、体の潤いを消耗しやすくなります。
この潤いの不足が腸にまで及ぶと腸が乾燥し、便の滑らかな移動が妨げられて便秘につながります。潤いの枯渇は単に水分が不足するだけでなく、気(き)という機能的なエネルギーの喪失にもつながり、腸の下降機能が妨げられてしまうのです。
2. 冷飲食による消化機能の低下
夏は冷たい飲食物を多く摂取しがちですが、これが脾胃(ひい)や腎の陽気(ようき)を損ねると、腸管の動きが停滞し便通が悪化します。
また、体内に湿邪(しつじゃ)、つまり余分な水分が溜まりやすくもなります。この湿邪が気の巡りを妨げると便秘につながります。特に湿邪が熱と結びついた湿熱の病態では、腸管の滞りがさらに強まってしまいます。
3. 陽気の上昇による下降力の不足
夏は自然界の陽気が最も盛んになる季節で、体内の陽気も上方に偏在しやすくなります。
気が上方に過度に向かっていくと、排便に必要な下降の力を上回って便秘になります。排便は上から下へ下ろす動きによって成り立つものですから、腸管の下向きの動きがとても重要なのです。
では、どうすれば改善できるのでしょうか?
夏の便秘改善には、生活習慣の見直しとツボ押しが効果的です。
生活習慣の改善ポイント
まず生活習慣の改善から始めましょう。暑いからと言って冷たい飲食物を摂りすぎないことが重要です。
特に以下の食品の過剰摂取は避けましょう:
- アイスクリーム
- かき氷
- 冷たいビール
- 冷えた清涼飲料水
これらは腸管を冷やし、肺気(はいき)にも負担をかけます。肺気に負担がかかると、肺気のいきむ作用がうまく機能せず、肝鬱(かんうつ)も絡んできて、下に降りない状況で便秘になってしまいます。
効果的なツボ押し
改善のためにはツボ押しも効果的です。以下の3つのツボを毎日刺激してみましょう:
- 合谷(ごうこく):大腸の機能を整え便通を促進する効果があります
- 三陰交(さんいんこう):脾胃の働きを活発にし気血の巡りを改善します
- 太衝(たいしょう):肝気の疏泄(そせつ)を促し気の滞りを解消する効果があります
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
夏の便秘改善には、症状に応じた漢方薬の活用も効果的です。ここでは、夏の便秘体質の改善に効果が期待できる代表的な漢方薬をご紹介します。
なお、これらは特定の方に合う漢方薬ではなく、あくまで夏の便秘体質の改善に効果が期待できる漢方薬として紹介していることをご理解ください。
主な漢方薬
- 麻子仁丸(ましにんがん):潤いの不足による乾燥便秘に用いられ、腸を潤して便通を改善します
- 六君子湯(りっくんしとう):消化不良や便秘に効果があり、脾胃の機能を高めて気の巡りを改善します
- 加味逍遥散(かみしょうようさん):肝気の滞りによる便秘に用いられ、ストレスによる便通異常を改善します
その他にも、以下のような漢方薬が症状に応じて使われることがあります:
- 九味檳榔湯(くみびんろうとう):冷飲食による腹部膨満を伴う便秘に
- 大柴胡湯(だいさいことう):湿熱による便秘に
- 平胃散(へいいさん):冷えと湿邪による胃気の滞りの便秘に
症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合があります。より詳しい体質診断や適切な漢方薬の選択については、当店ピヨの漢方での漢方相談をお勧めいたします。
まとめ
夏の便秘は、体内の熱の過剰、冷飲食の影響、陽気の上昇という3つの原因により引き起こされます。
改善のためには、冷たい飲食物の摂りすぎを避け、適切なツボ押しや漢方薬を活用することが大切です。特に合谷、三陰交、太衝のツボ押しは日常的に続けることで効果が期待できます。
また、症状に応じた漢方薬の選択も重要な改善手段の一つです。毎年夏になると便秘に悩まされる方は、早めの対策で快適な夏を過ごしましょう。
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