
こんにちは
どうなさいましたか?

便秘にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
便秘や食欲不振でお悩みの方は多いものです。特に忙しい現代社会では、ストレスや不規則な生活習慣によってこうした症状が引き起こされることがよくあります。今回は、便秘と食が細いことにお悩みの41歳女性の方から寄せられた体験談をもとに、東洋医学の観点からその原因と改善方法について詳しく解説していきます。
便秘は単なる不快な症状ではなく、体全体のバランスが崩れているサインかもしれません。この記事では体の内側で何が起きているのかを理解し、自然な方法で改善するヒントをお伝えします。
外見的な特徴とお悩みの症状
この方の基本情報は以下の通りです:
- 41歳の女性
- 身長:160cm
- 体重:44kg
- BMI:17.19(やや痩せ型)
- 皮膚:乾燥している
- 舌の状態:乾燥気味、茶色で苔が剥れている部分がある
主な症状:
- 便秘
- 食が細い
便秘はなぜ起こる?体の仕組みから考える
まずは便秘の基本的なメカニズムについて考えてみましょう。
私たちが口から摂取した飲食物は胃に入り、腸管の**蠕動運動(ぜんどううんどう)**によって運ばれていきます。体に必要な栄養素が吸収された後、残った不要物は大腸を通って便として排泄されるのです。
この一連の流れには、東洋医学でいう「胃気」の働きが大きく関わっています。胃気とは消化や腸の動きを調整するエネルギーのことで、これが正しく機能していると、腸管の蠕動運動が下向きにスムーズに進み、便は出口へと運ばれていきます。
便の塊が直腸に到達すると、その刺激が脳に伝わって便意となります。そして肛門の括約筋が緩み、直腸が収縮することで排便が行われるのです。
この排便プロセスには、胃気だけでなく以下の要素も重要です:
- 肝気:筋肉の微妙な調整を担当
- 腎陽:腸管の動きの原動力となる
- 肺気:呼吸の押し込め(いきみ)を調整
- 腎気:出口の開閉を調整
これらの要素がバランスよく機能することで、健康的な排便が可能になります。しかし、何らかの原因でこれらの働きが阻害されると、腸管の蠕動運動が停滞し、便秘が起こるのです。
この方の体質はどのようなタイプ?
ご投稿いただいた情報から、この方の体質の特徴を分析してみましょう。
まず、便秘があるということは、腸管の下降性の動きが何らかの形で阻害されていると考えられます。本来下向きに動くはずの胃気が停滞しているか、あるいは上昇の勢いに偏りすぎて正常に下降していない可能性があります。
通常であれば、食べ物が腸管内に入ることで刺激が順次下方へと伝わり、便意が生じますが、便意が感じられないということは、肝気の下降性の巡りに滞りがあると推測できます。
また、食欲がない・多く食べられないという症状や、舌の状態から判断すると、お腹の働きも低下していて、腸管を動かす力自体も弱まっているようです。
つまり、この方の場合は:
- お腹の働きの弱さ
- 気の滞り
この2つの問題により、食べたものをスムーズに動かすことができず、便意が上手く伝わらないために便秘になりやすく、また栄養の吸収も十分にできないため食も細くなっていると考えられます。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方の体質改善には、以下のような自然療法がおすすめです:
- 適度な運動 適度に汗ばむ程度の運動を取り入れてみましょう。体を動かすことで体内でエネルギーを作る必要が生じ、お腹の働きが活性化します。また、運動は気の巡りを良くする効果もあります。ウォーキングやヨガなど、無理なく続けられる運動を選ぶとよいでしょう。
- 背中のストレッチ 胸椎の4~8番がズレていると、お腹の働きに悪影響が出ることがあります。背中の筋肉の歪みを整えるストレッチを毎日の習慣に取り入れてみてください。猫のポーズやチャイルドポーズなどがおすすめです。
- 腹部マッサージ 空腹時に仰向けになり、ご自身の手でお腹を優しくマッサージすることも効果的です。時計回りに円を描くようにゆっくりと撫でると、腸の動きを促進する助けになります。
- 腹式呼吸の練習 へその下の丹田(たんでん)付近を意識して、お腹を上下に膨らませたり凹ませたりする呼吸法を実践してみましょう。食後すぐを避け、時間に余裕があるときに行うとよいでしょう。これはお腹の働きを高める効果があります。
これらの方法を日常に取り入れることで、胃気と肝気のバランスが整い、便秘や食欲不振の改善につながる可能性があります。無理なく続けられるペースで実践してみてくださいね。
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
この体質の方に効果が期待できる漢方薬としては、以下のようなものが挙げられます:
- 四逆散(しぎゃくさん):肝気の滞りを改善し、気の流れをスムーズにする効果があります。イライラや便秘に効果的です。
- 六君子湯(りっくんしとう):胃腸の働きを高め、消化機能を改善します。食欲不振や胃もたれに効果が期待できます。
- 大建中湯(だいけんちゅうとう):腸の蠕動運動を促進し、腹部の冷えを改善します。腹部の張りや便秘に効果的です。
なお、これらはあくまで特定の体質改善に効果が期待できる一般的な漢方薬の紹介であり、個人の症状が複雑な場合には単独では効果が現れない場合もあります。体質や症状は人それぞれ異なりますので、より的確なアドバイスが必要な場合は、ピヨの漢方での専門的な漢方相談をご利用ください。
まとめ
便秘と食が細いという症状は、東洋医学の観点から見ると、胃気や肝気の乱れ、腸管の蠕動運動の低下などが原因となっていることが多いようです。
今回ご紹介した41歳女性の方の場合、お腹の働きの弱さと気の滞りという二つの問題が重なっているようでした。このような体質の方は、適度な運動や背中のストレッチ、腹部マッサージ、腹式呼吸などの自然療法を取り入れることで、症状の改善が期待できます。
体質改善は一朝一夕には進みませんが、日々の小さな積み重ねが大きな変化をもたらします。無理なく続けられる方法を見つけて、健やかな体を目指しましょう。
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