
こんにちは
どうなさいましたか?

顎のニキビにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
顎周辺にできるニキビや肌荒れでお悩みではありませんか?
スキンケア製品を変えてみたり、食生活に気を付けてみたりしても、なかなか改善しないとお困りの方も多いのではないでしょうか。実は顎のニキビや肌荒れには、東洋医学的な観点から見ると共通の原因があります。
顎は顔の中でも特に体内の状態が反映されやすい部位です。この記事では、なぜ顎に肌トラブルが集中するのか、その根本原因と効果的な改善法について詳しく解説していきます。
単なる対症療法ではなく、体の内側からの本質的な改善を目指しましょう。
なぜ顎周辺にニキビや肌荒れができるのか?
顎でニキビなどの肌荒れが起こる根本的な原因は、体の中の水分の巡りが悪くなっていることです。
ニキビの原因となるアクネ菌は、通常は肌を弱酸性に保ち、皮膚を悪玉菌から守る働きをしています。このアクネ菌は酸素が苦手で、酸素のある状態では死滅します。
しかし、皮脂の分泌が増えて毛穴が詰まると、酸素が届かなくなり、アクネ菌が突然増殖。これが炎症を引き起こし、ニキビとなるのです。
東洋医学の考えでは、この皮脂の分泌過剰は体内の水分循環の停滞が原因です。特に夜更かしや過労が続くと、体の潤いが消耗し、停滞している水分が凝縮して固まりやすくなります。
では、なぜ顔の中でも特に顎に肌トラブルが集中するのでしょうか?
顎は顔の中でも下部に位置しています。水分の巡りが悪いと、体の上部まで届いた水分も動きが悪いまま。その結果、重力の影響で顔の下方にある顎に水分が落ちてきて滞留するようになります。
この滞留した水分が皮脂の分泌を過剰にし、アクネ菌の繁殖を促進させるのです。これが顎にニキビや肌荒れが集中する理由と考えられます。
顎に肌荒れができやすい人の3つの体質的特徴
顎周辺で肌荒れが起きる方には、共通する体質的な特徴があります。以下の3つの特徴に心当たりはありませんか?
1. ストレスを感じやすい体質
ストレスを感じやすいと、気(エネルギー)が滞り、その滞った気が上方へと集中します。この流れに巻き込まれて周辺の水分も上昇してうっ滞し、ニキビなどの原因となります。
顎にニキビができる方の場合、全体として水を巡らせる力が弱いため、ニキビの大きさはそれほど大きくならないことが多いようです。
また、このようなエネルギーの滞りが肩の周辺で起こると、肩こりなどの症状にもつながることがあります。
2. 体が冷えやすい体質
体内の水分を巡らせる原動力は、体の芯部の熱によって供給されています。そのため、顎でニキビや肌荒れになる方には、体が冷えやすい人が多く見られます。
体の熱が弱いと、水分を十分に温められず、全身を循環させるだけの力を得られません。その結果、水分が途中で停滞してしまいます。
例えるなら、火力が弱くて温められないお風呂の水が下の方に停留し、上は熱くても下は冷たいままの状態のようなものです。
この体質の方は、足を中心として体の下部にむくみを感じることも多いでしょう。冷えやすい体質にストレスが加わると、循環がさらに悪化し、顎周辺の肌荒れがより起こりやすくなります。
3. お腹の働きが弱い体質
血液を巡らせる働きは、**お腹の働き(消化機能)**と深い関係があります。
血管の弾力性は平滑筋(へいかつきん)の緊張度によって維持されますが、この平滑筋の状態は東洋医学でいう「脾気(ひき)」によって調整されています。脾気が低下すると、血管の弾力性も低下し、正常な循環が妨げられます。
その結果、以下のような症状が現れることがあります:
- 食べるとお腹が重く感じる
- 胃もたれしやすい
- 内臓下垂による症状
- 空腹感を感じにくい
- 多く食べられない
顎の肌荒れとの関係では、血管の弾力性低下によって正常な循環が途絶え、顎周辺で水分が停滞しやすい状況が作り出されるのです。
顎にできる肌荒れを改善する方法
これまでの体質的特徴を踏まえ、それぞれの体質タイプに合わせた改善方法をご紹介します。
ストレスを感じやすい方へ
ストレスを感じやすい方は、まず早めの就寝とたっぷりとした睡眠を心がけましょう。睡眠不足があると、停滞している水分が凝縮しやすくなるだけでなく、心が渇いた状態になり、ストレスをさらに感じやすくなってしまいます。
また、リラックス効果のある呼吸法も効果的です:
- 吐く息を長めにする呼吸を意識的に行う
- 吸い終わったら軽く一旦止める
- 吐き終わったらまた軽く一旦止める
- 呼吸の切り替わり時に緊張感がないか確認する
食事面では、気を巡らせてくれる食材を取り入れましょう:
- ハッカ
- シソ
- ジャスミン
これらは気の巡りを促進し、ストレスによる停滞を緩和してくれます。
体が冷えやすい方へ
冷えやすい体質の方は、軽く汗ばむ程度の運動を習慣にしましょう。運動によって体内に熱が生まれ、水分の巡りが改善します。
自宅でできる運動としては、相撲の四股がおすすめです。ゆっくりと時間をかけて動作を行うことで、効果的に体を温められます。
また、食生活では次の点に注意しましょう:
- 冷たい飲食物の摂取を控える
- 体を冷やす食べ物の過剰摂取を避ける
これらを摂りすぎると、体が芯から冷やされ、水分の停滞がさらに悪化するだけでなく、お腹の働きも弱めてしまいます。
お腹の働きが弱い方へ
消化機能が弱い方は、まずよく噛んで食べる習慣をつけましょう。よく噛むことでお腹の機能が高まり、消化吸収の準備も整います。
また、空腹感を大切にすることも重要です。空腹感はお腹からのサインです。時間だから食べるのではなく、お腹が空いたら食べるという自然なリズムを心がけましょう。
無理に食べ続けると、お腹に余分なものが停滞して、消化機能がさらに弱まる悪循環に陥ってしまいます。
顎の肌荒れに効果が期待できる漢方薬
顎周辺の肌荒れに効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これらは特定の体質改善に効果が期待できる一般的な漢方薬であり、個人の症状に合わせたものではありません。
- 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう):顔面の熱を冷まし、皮膚の炎症を抑える効果があります。
- 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう):皮膚の炎症を抑え、熱を冷まし、毒素を排出する効果があります。
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):水分の巡りを改善し、血液の流れを促進する効果があります。
症状が複雑な場合には、これらの漢方薬を単独で使用しても十分な効果が得られないことがあります。当店ではお一人おひとりの体質や症状に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:顎の肌荒れを根本から改善するために
顎周辺のニキビや肌荒れの根本原因は、体内の水分循環の停滞にあります。この状態を改善するためには、ご自身の体質的な特徴を理解し、それに合わせたケアを行うことが大切です。
改善のポイントをおさらいしましょう:
- ストレスを感じやすい方は、十分な睡眠と呼吸法でリラックスを
- 冷えやすい方は、適度な運動と冷たいものの摂取制限を
- お腹の働きが弱い方は、よく噛んで食べ、空腹感を大切に
肌トラブルは体の内側からのSOSサインです。外側からのケアだけでなく、体の中からバランスを整えることで、根本的な改善を目指しましょう。
YouTubeでも解説しています。

ご自分の体質にあった
漢方薬を試してみたい方は
ピヨの漢方の漢方相談を
ご利用ください。
