
こんにちは
どうなさいましたか?

舌苔にお困りの方から
質問をいただきましたよ。
舌苔が気になる、口臭が発生するといった症状は、単なる口腔内の問題ではなく、体全体のバランスが関わっていることも少なくありません。
今回は、胃を切除された方から寄せられた「舌苔と口臭の悩み」について、漢方医学の視点から原因と対策を解説します。胃切除後の体調管理にお悩みの方はもちろん、舌苔や口臭でお困りの方にとっても参考になる内容です。
舌苔と口臭の関係とは?
まず患者さんからのご相談内容を見てみましょう。
外見的な特徴とお悩みの症状など
- 5年前に胃がんで胃の2/3を切除
- 舌苔があり、特に舌の奥の方に多い
- 舌がネバネバする
- 口臭が気になる
このように胃を大きく切除された後に、舌苔や口臭の症状に悩まれていることがわかります。「胃を切除していても舌苔はなくなるのでしょうか?」というご質問をいただきました。
舌苔が奥にありネバネバするのはなぜ?
漢方医学的に見ると、舌苔が舌の奥の方に多くネバネバするという症状は、「水を巡らせる力に負担がかかっている」状態を示しています。特に体の上部に水分を適切に巡らせることができていない可能性があるのです。
口臭についても、これはお腹の働きが低下していることで起こる症状と考えられます。よく見られるのが「胃熱」(いねつ)と呼ばれる状態です。
胃熱ってどういう状態?
胃熱とは、一見矛盾しているように思えますが、実はお腹が冷えていることで消化器官の働きが低下して起こることがあります。例えば:
- サラダや刺身などの生もの
- ビールやジュースなどの冷たいもの
これらを摂り過ぎると、お腹が冷えてしまい、食べ物の吸収や運搬といった働きが低下してしまうのです。
消化は進んでも吸収されない状態になると、食べたものが体内に停滞します。この停滞している間に余分な熱が生じ、それが口臭の原因になるのです。
胃切除と舌苔の関係は?
興味深いことに、舌苔は「気」(き)の働きによって維持されています。胃の切除によって気の働きが低下してしまうと、舌苔を維持することができなくなり、結果的に舌苔がなくなってしまう方もいらっしゃいます。
しかし、この場合は舌苔が奥にあってネバネバするという状態ですので、別の問題が起きていると考えられます。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
かかりつけのお医者様の指示を最優先にすることは大前提として、漢方的アプローチからいくつかの対策をご紹介します。
漢方薬による対策
腎気や脾気の働きを応援する漢方薬が有効な場合があります。
- 六君子湯(りっくんしとう): 胃腸の機能を高め、消化不良や胃もたれを改善する漢方薬です。
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう): 胃の熱を冷まし、口臭や胃の不快感を緩和します。
- 四君子湯(しくんしとう): 気を補い、消化機能を高める基本的な漢方薬です。
※これらは特定の体質改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。実際には、症状が複雑な場合には単独では効果がない場合もあります。当店では個人に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
生活習慣の改善ポイント
- お腹の働きを応援するために適度に体を動かしましょう
- 空腹感を感じてから食事を始めるようにしましょう
- よく噛んで食べることを心がけましょう
- 早めに就寝し、十分な睡眠時間を確保しましょう
- 冷たい食べ物や飲み物の摂取を控えめにしましょう
- 胃に負担をかけない温かい食事を中心にしましょう
これらの生活習慣の改善は、お腹の働きを助け、結果的に舌苔や口臭の改善にもつながります。特に胃切除後は消化吸収の機能が低下していますので、より一層の注意が必要ですね。
まとめ
胃切除後の舌苔や口臭は、単なる口腔内の問題ではなく、体全体のバランスの崩れから来ていることが多いです。特に「水を巡らせる力」や「気の働き」が関係しており、漢方医学的な視点から見ると、これらを整えることが大切です。
日常生活では、冷たいものを控え、温かい食事を中心に、よく噛んで食べることを意識しましょう。また、適度な運動と十分な睡眠も重要です。
症状が改善しない場合は、専門家への相談も検討してみてください。一人ひとりの体質や症状に合わせたアドバイスが受けられるはずです。
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