
こんにちは
どうなさいましたか?

ニキビにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
ニキビ治療で病院を受診し、排膿散及湯という漢方薬を処方された方は多いのではないでしょうか。
しかし、「1週間飲んでも全く効果がない」「むしろニキビが増え続けている」という相談を、私たちピヨの漢方では受けることがあります。漢方薬を真面目に飲んでいるのに改善しないと、不安になってしまいますよね。
実は、排膿散及湯は優れた漢方薬ですが、単独では効果を発揮しきれない場合があります。今回は排膿散及湯の本当の働き、効果が出ない理由、そして正しい使い方までを詳しく解説していきます。
あなたのニキビが改善しない理由が、きっと見つかるはずです。
そもそも排膿散及湯とはどんな漢方薬なの?
まず知っていただきたいのは、ニキビは改善するために時間がかかる場合が多いということです。
しかし、増え続けているとしたら、現在の薬が合っていないか、排膿散及湯だけでは力不足の可能性があります。
排膿散及湯は以下のような働きを持つ生薬で構成されています。
- 桔梗で気が引き上げられる
- 枳実で気が引き降ろされる
- 生姜で気や水が上向きに発散される
- 芍薬で水分が下向きに引き降ろされる
- 大棗と甘草で気や潤いの材料が補充される
これらの働きにより、停滞していた気や水の流れが大きく巡り出すようになり、体の内側と皮膚とのつながりが回復します。そのため、皮膚の孤立が解消されて、様々な皮膚のトラブルが改善されていくのです。
排膿散及湯だけでは効果が出ないのはなぜ?
ここが重要なポイントです。
排膿散及湯は巡りのための通路の流れを良くしただけなのです。道路を整備したようなものですね。
ですから、排膿散及湯の他に例えば、以下のような働きを持つ漢方薬が必要な場合もあります。
- 熱を冷ます
- 体を温める
- 潤いを補充する
- 余分な水分を乾かす
さらには、その方の体質において、ニキビができやすい生活習慣自体を見つけて、それを正していかないと、なかなか改善していかないことが多いです。
生活習慣自体が変わらないと、どんどんニキビができてしまう速さに、薬の治す力が追いつかなくなってしまうからです。
では、どうすれば改善できるのでしょうか?
まず、現在の体質をしっかり見極めることが大切です。
排膿散及湯で流れを作りながら、あなたの体質に合った追加の漢方薬を組み合わせる必要があります。そして同時に、生活習慣の見直しも欠かせません。
よくある間違い
1種類の漢方薬だけで治そうとすることです。
漢方治療は、体質に応じて複数の薬を組み合わせることで、より高い効果を発揮します。
また、効果が出ないからといって、自己判断で薬を止めたり、勝手に薬を変えてしまうのも避けましょう。
効果を最大化するために
効果を最大化するためには、以下のポイントを押さえましょう。
- 規則正しい生活リズム
- バランスの取れた食事
- 十分な睡眠
特に、油っぽい食事や甘いものの取りすぎ、夜更かしは避けましょう。ストレス管理も忘れずに。
ニキビの改善に効果が期待できる漢方薬
体質の状態によって使い分けますが、代表的なものをご紹介します。
以下は、ニキビの原因となる様々な体質改善に効果が期待できる漢方薬の例です。すべての方に合う漢方薬ではなく、特定の体質改善を目的とした処方となります。
熱がこもっているタイプ
- 柴胡清肝湯(さいこせいかんとう):体の熱を冷まし、肝の熱を清める働きがあります
- 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう):肝胆の湿熱を取り除き、炎症を鎮める効果があります
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう):体内の熱毒を解消し、炎症を抑える作用があります
ストレスが関係しているタイプ
- 加味逍遥散(かみしょうようさん):気の巡りを良くし、ストレスによる症状を改善します
- 抑肝散加陳皮半夏(抑肝散加陳皮半夏):気血の巡りを整え、熱と冷えのバランスを調整します
- 大柴胡湯(だいさいことう):消化機能を整えながら、体内の熱を取り除きます
ただし、体質や症状の詳細により、適した処方が異なりますし、複数の組み合わせが必要な場合もあります。症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合もありますので、ピヨの漢方では個別の漢方相談を行っています。お気軽にご相談ください。
まとめ:焦らず体質改善に取り組みましょう
漢方治療は体質を根本から改善することを目指します。
焦らず、じっくりと取り組むことが大切です。継続することで、ニキビができにくい体質へと変わっていきます。
今日のポイントをおさらいしましょう。
排膿散及湯は気や水の流れを改善する優れた漢方薬ですが、1種類だけでは不十分な場合があります。あなたの体質に合わせた追加の漢方薬と、生活習慣の見直しを組み合わせることで、本当の改善が期待できます。
一人で悩まず、専門家に相談しながら、あなたに合った治療法を見つけていきましょう。
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