香り高いジャスミンの花は、その美しさだけでなく、古くから薬用としても珍重されてきました。「神からの贈り物」を意味するペルシャ語に由来するその名の通り、ジャスミンには心と体を癒す様々な効能があります。
お茶として親しまれることが多いジャスミンですが、実は東洋医学では「茉莉花(まつりか)」という生薬としても重要な位置を占めています。穏やかな香りで心を落ち着かせるだけでなく、気の巡りを整え、胃腸の不調を改善する効果も期待できるのです。
今回は、そんなジャスミンの生薬としての側面に焦点を当て、基本情報から効能、使用法、注意点までをQ&A形式で詳しくご紹介します。日常に取り入れやすい芳香性生薬の魅力を知って、健康維持に役立ててみませんか?
ジャスミン(茉莉花)とは?基本情報を教えてください
ジャスミン(茉莉花)は、モクセイ科ソケイ属に属する植物の総称で、世界には約300種が知られています。漢方では花を薬用として使用します。
ジャスミンの基本情報
- 性味/帰経:
- 性味:温、苦、辛、甘
- 帰経:肝・脾・胃
また、ジャスミン茶(茉莉花茶)として緑茶や烏龍茶にジャスミンの花の香りを移したものは、中国をはじめとするアジア地域で広く親しまれています。その香りを楽しむだけでなく、様々な健康効果が期待できるのです。
ジャスミン(茉莉花)にはどのような効能がありますか?
ジャスミンには主に気の巡りを整え、心を落ち着かせる効果があります。具体的な薬効は以下の通りです。
主な薬効
- 理気和中(りきわちゅう): 気の流れを整え、胃腸の働きを調和させる効果
- 胃痛や腹痛、下痢などの症状を緩和します
- 食欲不振やもたれなどの胃の不快感を改善します
- 疏肝解鬱(そかんげうつ): 肝の気の巡りを良くし、鬱滞を解消する効果
- 鬱状態やため息が多い症状を和らげます
- 脇肋部の張りや痛みを緩和します
- イライラや落ち込みなどの情緒不安を改善します
- 脳の働きを助け、集中力を高める効果も期待できます
- 消腫解毒(しょうしゅげどく): 腫れを抑え、毒を解消する効果
- 炎症を抑える効果があります
- 目の充血や腫れに効果的です
- 安神作用(あんじんさよう): 心を落ち着かせる効果
- リラックス効果があり、ストレスを緩和します
- 精神的な不安や緊張を和らげます
ジャスミンの香り成分には、鎮静効果のあるリナロールやベンゼルアセテートが含まれており、これらがストレス緩和に役立っています。また、脂肪の吸収を抑える働きもあるとされ、食事中に摂取することでダイエット効果も期待できるようです。
ジャスミン(茉莉花)の具体的な応用例を教えてください
ジャスミンは様々な症状に応用できます。以下に代表的な使用例をご紹介します。
応用例
- 目の充血・疲れ目
- パソコン作業などで目が疲れた時に効果的です
- 胃腸トラブルの改善
- 食後のもたれ感や消化不良にも役立ちます
- リラックス効果を得る
- 茉莉花を飲用することで、リラックス効果が得られます
日常生活では、ジャスミン花を乾燥させたものをお茶として飲用するのが最も簡単な取り入れ方です。また、アロマテラピーとしてジャスミンの精油を使用するのも効果的な方法の一つです。
まとめ:ジャスミン(茉莉花)の魅力と活用法
ジャスミン(茉莉花)は、その芳香性と穏やかな薬効から、日常的に取り入れやすい生薬の一つです。気の巡りを整え、心を落ち着かせる効果があり、現代人に多いストレスや気分の落ち込み、胃腸トラブルなどに効果が期待できます。
ジャスミン茶として日常的に取り入れるだけでなく、アロマテラピーや外用薬としても活用できる多機能な生薬です。
心地よい香りとともに、東洋医学の知恵を生かした健康法として、ぜひジャスミンを日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。心と体の調和を整え、より健やかな毎日を送るお手伝いをしてくれることでしょう。
参考文献

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