
こんにちは
どうなさいましたか?

ジャーキングにお悩みの方から
質問をいただきましたよ。
「寝ようとした瞬間に、突然体がビクッとして目が覚めてしまう…」 「高いところから落ちるような感覚に襲われて、せっかくの入眠が台無しに…」
このような経験はありませんか?実はこの現象、医学的には「ジャーキング」と呼ばれ、決して珍しいものではありません。特に疲れやストレスが溜まっている時期や季節の変わり目に起こりやすく、良質な睡眠を妨げる原因となっています。
今回は、長年の不眠とパニック障害に悩まされてきた50代女性の例を通して、東洋医学的な視点からジャーキングの原因と改善方法についてご紹介します。漢方の考え方を取り入れることで、薬に頼りすぎない自然な睡眠の質向上を目指しましょう。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 年齢:50歳(女性)
- 身長:155cm
- 体重:60kg
- BMI:24.97
- 顔色:白っぽい
- 舌の状態:舌先に赤みが強い
主な症状と経過
- 昔からの不眠症
- 過去にパニック障害の経験あり
- 40代後半から漢方で体調・睡眠が改善
- 昼寝はすぐに入眠できるが、夜は寝付きが悪い
- 寝かけると息ができないような感覚になり目が覚める
- 時々高所から落ちるような感覚や、みぞおちがヒヤッとする感覚あり
- 季節の変わり目や夜寝る時の不安感で症状が悪化
ジャーキングとは?なぜ起こるのでしょうか?
寝入りばなに筋肉がビクッと痙攣して、高い所から突き落とされたような衝撃を受ける現象を「ジャーキング」と言います。これは筋肉が勝手に痙攣することで起きる生理現象です。
ジャーキングが起こりやすい状況としては:
- 疲れが蓄積している時
- 寝心地の悪い環境で眠る時
- 精神的なストレスがかかっている時
特に「眠りの浅い状態」で発生しやすいことが知られています。つまり、リラックスして深い眠りに入れていない証拠とも言えるでしょう。
この方の体質から見る原因分析
この方の場合、「季節の変わり目に症状が起こりやすい」という特徴があります。東洋医学では、季節の変わり目など外部環境の変化に対応するのは「肝気(かんき)」の役割です。
肝気とは、体内のエネルギーの流れを調整する働きを持ちます。肝気に滞りがあると:
- 外部の変化に適応できなくなる
- 気が伸びやかに広がることができなくなる
- 神経が過敏になり、ストレスの影響を受けやすくなる
この方の場合、肝気の巡りがスムーズでない可能性が高いと考えられます。また、「顔色が白っぽい」「舌先に赤みが強い」という特徴から、体の上部では血や潤いの不足が見られます。
こうした状態では、脳の働きを調整する「心気(しんき)」の働きを穏やかに保つことが難しくなり、睡眠が浅くなりがちです。入眠時の緊張がうまくほぐれず、心気も安定しないために、ジャーキングが生じているのでしょう。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方には、水分代謝の改善と気の巡りを良くする方法がおすすめです。
「喉が渇いて水が飲みたい」との訴えがありますが、「顔色が白い」「身体全体がポチャポチャしている」「尿の回数が10回で量が多い」「雨の日は体調が悪い」などの特徴から、実は「水の多さ」が体に負担をかけている可能性があります。
舌先が赤いことから、潤いが上部へと届けられずに喉が渇くのかもしれません。したがって、水分の摂り方に工夫が必要です:
水分摂取の工夫
- 熱中症の季節以外は、喉の渇きを感じてから飲む
- 一度にたくさん飲まず、少しずつ様子を見ながら飲む
- 常温か少しあたたかい飲み物を選ぶ
運動習慣の導入 ストレスを解消し、水の巡りを良くするためには体を動かすことも大切です。近所を軽く汗ばむくらいの散歩を習慣にすると、水の巡りも気の巡りも改善します。
もし運動不足を感じていたら、まずは10分程度の散歩から始めてみましょう。徐々に時間を延ばしていくのがコツです。
肝気の滞りを改善する漢方薬
この症状に関連する体質改善には、以下のような漢方薬が効果が期待できます:
- 加味逍遙散(かみしょうようさん) – 肝気の滞りを改善し、イライラや不安感を和らげる効果があります。特に女性ホルモンのバランスを整える働きも。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) – 精神の興奮を鎮め、不安感や緊張を和らげる効果があります。ジャーキングのような症状にも。
- 甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう) – 心を落ち着かせ、寝つきを改善する効果があります。比較的穏やかな処方です。
※これらは特定の体質の改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合もあります。当店では個人の体質に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:良質な睡眠のために
ジャーキングのような入眠障害は、東洋医学的に見ると体内の「気」の流れの乱れが関係していることが多いです。特に肝気の滞りと水分代謝の問題を解消することで、症状の改善が期待できます。
日常生活では:
- 適切な水分摂取(量と温度に注意)
- 軽い運動習慣の導入
- 就寝前のリラックスタイムの確保
これらを意識して取り組んでみてください。漢方薬との併用で、より効果的に体質改善ができるでしょう。
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