
こんにちは
どうなさいましたか?

中途覚醒に酸棗仁湯がおススメですかと
質問をいただきましたよ。
睡眠の質に悩む方は多いのではないでしょうか。特に夜中に目が覚めてしまう「中途覚醒」は、翌日の活動に大きな影響を与えます。今回は、漢方の視点から中途覚醒の原因と対策について解説します。漢方薬「酸棗仁湯」が有効なケースとそうでないケースがあることを知り、自分に合った対策を見つけましょう。
酸棗仁湯ってどんな漢方薬なんですか?
酸棗仁湯は、身体の芯部と上部に潤いを補充して、血を上方へと水は全体に巡らせることで脳の働きを穏やかにしてくれる漢方薬です。脳が落ち着くことで、睡眠の質を改善する効果が期待できます。
中途覚醒に酸棗仁湯はおすすめですか?
酸棗仁湯は脳を穏やかにするための潤いを助けてくれるため、潤いが不足していることで中途覚醒になっている方には効果的です。しかし、他の原因によって中途覚醒になっている方にとっては単独では効果がない場合や、かえって症状を悪化させる場合もあります。その方の体質によって効果は大きく変わってきます。
中途覚醒になる原因にはどんなものがありますか?
中途覚醒にはさまざまな原因が考えられます。漢方医学の観点からいくつか主なものを挙げてみましょう:
- 体の芯部の冷え: 体内の水分を動かしているのは芯部の熱源ですが、そこが冷えていると脳を穏やかにする潤いを供給できず、目が覚めてしまうことがあります。
- 水分の滞り: 体の中に水分が充満していて、その水分が潤いの運搬を阻害することで、脳が穏やかさを保てなくなることもあります。このような体質の方に酸棗仁湯で潤いを補って熱を冷ましてしまうと、余計に目が覚めやすくなることもあるのです。
- 考えすぎ・ストレス: 考え過ぎやすい方やストレスが強い方の場合、それらの影響が脳の働きを過度に活発にしてしまい、ちょっとした物音でも目が覚めてしまうことがあります。
- お腹の働きの低下: 考え過ぎによってお腹の働きが弱ってしまうと、脳を穏やかにする潤いを作ることができず、それを脳へと運ぶことができなくなるため、目が覚めやすくなります。
- 湿熱(しつねつ)の影響: ストレスなどによって、こもった水と熱が結びついてドロドロした湿熱と呼ばれる状態になり、その湿熱が脳の働きを乱すと目が覚めやすくなることもあります。
このような体質の方に酸棗仁湯を飲むことでお腹に負担がかかったり、水分を増やしてしまうと、症状が悪化する可能性もあるのです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
体質に合わせた適切な対策を選ぶことが大切です。
漢方薬によるアプローチ
体質別におすすめの漢方薬をご紹介します(特定の体質の改善に効果が期待できる漢方薬であり、個人の症状に合わせたものではありません):
- 温経湯(うんけいとう): 体の芯部の冷えがある方におすすめ。体を内側から温め、血液循環を改善します。
- 五苓散(ごれいさん): 余分な水分がある方におすすめ。水分代謝を促進し、むくみを改善します。
- 六君子湯(りっくんしとう): 考えすぎでお腹の働きが弱った方におすすめ。胃腸の働きを整え、消化不良を改善します。
症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れにくいこともあります。当店では個々の体質に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
生活習慣の改善
漢方薬と併せて、日常生活での対策も重要です:
- 適度な運動: 体の巡りを改善して気血の循環を良くするために、適度に体を動かすよう心がけましょう。
- 食事の摂り方: 空腹感を感じてから、よく噛んで食べることを意識しましょう。
- 就寝前のリラックス: 入浴やストレッチなど、自分に合ったリラックス方法を取り入れてみてください。
まとめ
中途覚醒の原因は一人ひとり異なります。潤いの不足、体の冷え、水分の滞り、考えすぎやストレスなど、様々な要因が関係しています。酸棗仁湯は潤いの不足による中途覚醒には効果的ですが、すべての方に合うわけではありません。
自分の体質や症状をしっかり理解し、それに合った漢方薬や生活習慣の改善を取り入れることが大切です。悩みが続く場合は、専門家に相談してみることをおすすめします。
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