お腹が鳴る音やガスの悩みは、思っている以上に多くの方が抱えているものです。特に学校や職場など人前での「音」が気になると、精神的なストレスにもつながりがちです。今回は、食前食後に関わらずお腹が鳴ってガスが出やすいという悩みについて、その原因と対処法を詳しく解説します。
お腹がよく鳴ってガスが出るのはなぜ?
お腹の音やガスの悩みは恥ずかしいものですが、実は体の正常な働きから生じていることがほとんどです。特に便通が良好な場合は、深刻な問題ではないケースが多いでしょう。
腸の中では常に何かが起きています。食べ物は腸管の蠕動運動(ぜんどううんどう・腸が波のように動く動き)によって下向きに運ばれ、消化吸収されています。その過程で、消化液だけでなく腸内細菌の働きによっても食物が分解され、この時に発酵してガスが発生するのです。
通常、腸管の流れに問題がなければ、発生したガスは血液に吸収されるため、過剰なおならに悩まされることはありません。しかし、以下のような場合にガスが増えてしまいます:
- お腹の処理能力以上に食べ物を摂取している場合
- 食べる量は適切でも、消化機能が弱っている場合
なぜこの方はガスが多くなってしまうのか?
外見的な特徴とお悩みの症状
- 食前食後に関係なくお腹がよく鳴る
- ガスが出やすい
- 授業中に音が出るのが心配で休み時間にトイレに行く
- 便通は良好で排便とは関係ないように感じる
- 朝食もしっかり摂っている
この方の場合、便通も良く食事もしっかり摂っているということから、消化器系の基本的な機能には大きな問題がないと考えられます。
しかし、授業中にガスの音が心配というお悩みから、漢方医学的には「肝気鬱滞(かんきうったい)」の状態である可能性があります。
これは、腸管の動きを調整する「肝気」がスムーズに流れず停滞している状態で、腸管の動きも滞らせてしまいます。その結果、飲食物の消化が進まず未消化物が残り、それがガスの原因となっているかもしれません。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この症状を改善するためには、生活習慣の見直しと適切な食材選びが大切です。
効果的な生活習慣
- 食事はよく噛んで腹八分目を心がける
- お腹に負担のかかる食べ物(油っこいもの、加工食品など)は控える
- 消化を助け、気の巡りを良くする食材を積極的に取り入れる (大根、蕪、麦芽など)
- 規則正しい生活と適度な運動で体全体の代謝を上げる
この症状に効果が期待できる漢方薬
以下は肝気鬱滞によるガスの悩みに効果が期待できる漢方薬です。ただし、これはあくまで一般的な情報であり、個人の体質や症状に合わせた処方ではありません。
- 香蘇散(こうそさん): 気の巡りを良くし、お腹の張りや不快感を和らげる効果があります
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう): のどの違和感やお腹の張りに効果的で、消化不良にも作用します
- 平胃散(へいいさん): 気の動きを整え、ガスによる腹部の張りを改善します
症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が出にくいこともあります。当店では専門的な漢方相談も行っていますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
お腹がよく鳴ってガスが出る悩みは、多くの場合、消化機能の一時的な低下や、体のリズムの乱れが原因です。特に便通に問題がなければ、深刻な病気である可能性は低いでしょう。
日常生活では食事の質と量に気を配り、腸内環境を整えることが大切です。また、ストレスも消化機能に影響を与えるため、リラックスする時間を持つことも大切ですね。
症状が長く続く場合や、他の不調も感じる場合は、専門家への相談をおすすめします。自分の体と向き合い、バランスの良い生活習慣を心がけましょう。
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