暑い夏の季節、日本の家庭で欠かせない飲み物といえば麦茶ですね。その爽やかな香りと清涼感ある味わいは、多くの人に愛されています。しかし麦茶は単なる喉の渇きを潤す飲み物ではなく、実は東洋医学的にも様々な健康効果を持つ優れた飲み物なのです。
今回は、麦茶の原料である大麦の持つ薬効や、夏の体調管理における効果的な活用法について詳しくご紹介します。毎日何気なく飲んでいる麦茶の素晴らしさを再発見してみましょう。
麦茶とは?その基本情報と特徴について
麦茶は大麦を炒って作られる、日本の伝統的な飲み物です。東洋医学では、大麦は「涼、甘、鹹(かん)」の性質を持ち、主に脾(ひ)と胃の経絡に働きかけるとされています。
大麦には食物繊維、ビタミンB群、ミネラルが豊富に含まれています。特に食物繊維は精白米の約19倍、さつまいもの約4倍も含まれており、腸内環境を整えるのに非常に効果的です。
麦茶はそのまま飲むだけでなく、ゼリーやアイスにしても美味しく楽しめる万能な飲み物です。
大麦にはどのような薬効があるの?
麦茶の原料である大麦には、主に以下のような効能があります。
1. 清熱和中(せいねつわちゅう)- 体の熱を冷まし、胃腸を整える
麦茶は夏バテによる食欲不振に特に効果的です。大麦には体にこもった熱を冷ます作用と同時に、胃腸の機能を高めて消化を促進する働きがあります。
これは大麦に含まれるビタミンB群の働きによるもので、食べ物から摂取した栄養素をエネルギーに変換するのを助けます。ビタミンB群が不足すると、エネルギー代謝が低下して疲労を感じやすくなります。
また、大麦には胃の粘膜を保護する作用もあるとされています。そのため、夏の暑さで食欲が低下し、体力が落ちている時に麦茶を飲むことで、体調改善が期待できます。
大麦に含まれる豊富な食物繊維は、腸内の不要物を排出する効果があります。そのまま米に混ぜて炊いて食べると、便秘の改善にも役立ちます。さらに、抗酸化作用や血液の流れを良くする効果もあるため、体内に停滞した不要物の排除にも効果的です。
2. 利尿通淋(りにょうつうりん)- 排尿を促し、尿の異常を改善する
麦茶には排尿を促進し、尿の異常を改善する働きがあります。大麦に豊富に含まれるカリウムは、体内のナトリウム排出を促すことで利尿作用をもたらします。
特に、体内に熱がこもって発汗量が増え、体内の水分バランスが崩れて排尿に問題が生じた場合、麦茶は体の熱を冷ましながら排尿を促してくれる優れた飲み物です。
麦茶を飲む際の注意点はありますか?
麦茶は多くの健康効果がありますが、いくつか注意すべき点もあります。
体を冷やしすぎる可能性
大麦には体を冷やす性質があるため、以下のような方は飲みすぎに注意が必要です:
- エアコンの効いた寒い環境で長時間過ごす方
- もともと体が冷えやすい体質の方
ただし、麦茶として販売されている場合は、大麦を香ばしくなるまで炒めているため、冷えの性質はある程度和らいでいます。それでも飲みすぎは控えるべきでしょう。
適量を守る
どんなに健康に良い飲み物でも、飲みすぎには注意が必要です。麦茶も水分の摂りすぎによる「水冷え」を引き起こす可能性があります。適量を心がけましょう。
まとめ
麦茶は単なる夏の飲み物ではなく、東洋医学的にも優れた健康効果を持つ飲み物です。体の熱を冷まし、胃腸機能を高め、排尿を促すなど、夏バテ対策に最適な飲み物といえます。
麦茶をさらに効果的に活用するために、梅干しや蜂蜜を加えると、塩分やエネルギーの補給にもなります。体質や環境に合わせて適量を飲むことで、夏の健康管理にぜひ役立ててください。
大麦に含まれる豊富な食物繊維やビタミン、ミネラルは、便秘の改善や生活習慣病の予防にも効果的です。日常的に取り入れることで、より健康的な生活を送るサポートになるでしょう。
参考文献

ご自分の体質にあった
漢方薬を試してみたい方は
ピヨの漢方の漢方相談を
ご利用ください。
