私たちの日常に溶け込んでいる緑茶。実は単なる飲み物ではなく、古来より東洋医学では重要な役割を担ってきました。
今回は漢方の視点から見た緑茶(茶葉)の効能や活用法について、Q&A形式でご紹介します。
最近ではコロナウイルスへの抑制効果の可能性も研究されているなど、改めて注目されている緑茶の魅力を一緒に探っていきましょう。
漢方における茶葉の基本情報を教えてください
漢方では緑茶は「茶葉(ちゃよう)」と呼ばれ、以下のような特徴があります。
- 性味/帰経: 涼性、苦味・甘味があり、心・肺・胃の経絡に作用します
- 主な効能:
- 清利明目(せいりめいもく):頭痛、めまい、目の充血に効果的
- 生津止渇(せいしんしかつ):暑がり、イライラ、のどの渇きを和らげる
- 消食止利(しょうしょくしり):食べ過ぎ、消化不良、下痢の改善
- 利尿消腫・解毒(りにょうしょうしゅ・げどく):排尿不全、水腫、下痢、黄疸、血尿に効果
緑茶にはどのような薬効があるのですか?
緑茶は「苦、微甘、微寒」の性質を持っています。これにより、体内の熱を冷まし、余分な水分を排出する作用があります。具体的には:
- 体内に熱がこもることで起こる症状(頭痛、めまい、目の充血、下痢、排尿障害など)を緩和
- 暑さによるイライラや喉の渇きを和らげる効果
- 平滑筋収縮の緩和や血管の炎症修復による血圧降下作用も
特に血圧を下げる効果は、川海老と組み合わせるとより効果的といわれています。
「川海老の茶葉炒め」のレシピを教えてください
血圧降下に効果的とされる「川海老の茶葉炒め」の作り方です。
- 川海老を軽く片栗粉と酒でもみ洗いする
- 生姜のみじん切りと炒める
- ぬるめの湯で少し戻した茶葉を加えてさらに炒める
- 酒、胡椒(塩少々)で味を調える
これは茶葉と川海老の組み合わせで、より効果的に血圧を降下させる可能性がある料理です。
緑茶の飲み方で注意すべきことはありますか?
緑茶は漢方の観点からすると、飲み方に注意が必要です。
- 冷たい状態で大量に飲み続けると、体が冷えすぎて不眠、吐き気、めまい、腰痛、足の痛み、膀胱の痛みなどを引き起こす可能性があります
- 温めて少量飲むことが推奨されています
- 特に空腹時の大量摂取は避けるべきです
- 緑茶は性質として「涼性」なので、たとえ熱々の状態で飲んでも、継続して摂取すると体を冷やしていきます
夏バテ予防に効果的な「ハチミツレモン緑茶」について教えてください
夏の暑さ対策に効果的な「ハチミツレモン緑茶」は以下の材料で簡単に作れます。
- 材料: 緑茶、レモン、ハチミツ(お好みでハッカや塩も)
効果と作用:
- レモンの酸味が汗の出過ぎを抑え、喉の渇きを和らげます
- レモンの香りが気の巡りを促進し、暑さによるストレスを緩和します
- 緑茶が体内の熱を冷まします
- ハチミツが潤いを補充し、疲労回復を助けます
- ハッカを加えると、熱を皮膚から発散させる効果があります
ポイント: 国産の農薬をあまり使用していないレモンなら、皮も含めて使うとより効果的です。皮に含まれる成分が、気を巡らせる効果を高めるためです。
まとめ
緑茶は私たちの身近にある健康飲料ですが、漢方の知識を活かして適切に取り入れることで、その効能を最大限に活かすことができます。
特に夏場は、体の熱を冷まし、イライラを抑える効果が期待できますが、冷たいまま大量に飲むのではなく、適量を温めて楽しむことが大切です。
体質や体調に合わせて、緑茶の持つ自然の力を上手に活用していきましょう。
参考文献

ピヨ先生
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