
食べ物には温める性質と
冷やす性質があるってホント?
アトピーにも影響するかな

そうですね
ですから体質を見てバランス良く
食べる必要があります

少し見てみましょう
「体を温める食べ物を使っていろいろ工夫しているけれど、体調が中々改善されない」と悩んでいる方は多いと思います。
そこでここでは
①食べ物の持つ気
②食べ物による体調の変化
③食べ物の性質表
の上記三つをご紹介いたします。
食べ物がもつ「気」
漢方薬の原材料となる生薬には四気・五味・昇降浮沈など、生薬を身体に摂取したときの身体の反応をあらわした理論があります。
四気は身体の中を温めるか冷やすかをいい、身体を温める強さが強い方から、熱・温・平・涼・寒と分かれています。
五味は言葉通りに味の事を言いますが、味にもそれぞれ特徴があります。
また昇降浮沈はやはり身体の中で、その生薬がどのような動きをするかを示しています。
シナモンの気
例えば普段お菓子などで口にすることの多いシナモンなどは、生薬名では桂枝(部位によっては桂皮)といいます。
先ほどの四気・五味・昇降浮沈でいうと、四気は温ですので身体を温める作用があります。
五味は辛と甘で、辛には発散・行気・行血などの働きがありますから、身体の中の気や血の動きを改善し更に発散させます。
また甘い味は補益・和中・緩急の働きがあるといいます。甘いお菓子を食べると身体も心もリラックス気分になるように、甘い味は身体を補いゆったりさせてくれます。
では桂枝の昇降浮沈はといいますと、発散させるので上に昇っていき浮き上がりそうだと言うのは想像できます。
桂枝にはその他に、浮き上がってしまった身体上部の気や熱を引き降ろす作用がありますので、昇降浮沈で言えば昇って降りるといった具合に、身体の中の巡る物を上に下にと良く動かすと言う事がわかります。
シナモンはお菓子や飲み物などで、良く口にするありふれた食材ですが、このように身体の中では様々な働きをしていることがわかります。
好きだからと食べ続けていると
つまりありふれた食材でも長期間摂取を続けることで、身体はその食材の影響を受けて変化していくと言うことになります。
ですからシナモンは、身体を温めて発散し気血を上下に動かしますので、冷えて浮腫みがあり、気や血の動きが悪くなっている方には薬になりますが。
身体が熱く乾燥していて、気血が活発すぎるくらいに動いている方にとっては、その乾燥してカサカサして落ち着かない状況を更に強めてしまいますので、身体には害になることもあります。
このように普段何気なく食べている食材には、それぞれ身体に引き起こす反応が様々にありますので、それを上手に利用すると、それだけで健康を維持することが可能です。
メニューの変化で体調管理
例えば普段食事が終わるとのぼせてしまい、精神的にも落ち着かない感じになっていた方などは、食事の内容を身体の潤いを増やす涼の性質のものを中心にしたところ徐々に改善したといいます。
食事の内容を変えることで体質を改善することもできますので、逆にその食べ物が好きだから長年口にしている・・・・などの場合は、その食習慣が原因で現在の体調になっている場合もありますので見直してみると良いでしょう。
ただし冷やすから温めるからばかりを意識してしまうと、一番大事な食事を楽しむことからズレてしまいますので、時々チェックして偏りがあるようなら、別の食材と変えてみるなど変化を付けることでバリエーション豊かな食生活にすることにもつながります。
飲み物によるもう一つの注意点
もう一つの注意点は例えば一時期流行した生姜紅茶などは、身体を温めるからと言う理由で飲んでいらっしゃる方も居たようですが、お茶として水分を沢山取ると水としての身体の影響が多く出てきますので、摂り過ぎると体質によっては逆効果になります。
ある時相談に来られた方は、ヨモギのお茶が身体を温めて浮腫みを解消すると聞いて毎日何杯も飲んでいましたが、かえって冷えて浮腫みが強くなり、腰痛も悪化してしまいました。
これはお酒にもいえます、お酒も蒸留酒などは身体を温める熱の性質がありますが、温度に関係なく水で割って沢山飲んでいると、水は停滞し熱は局所に滞ってしまい身体の中の巡る物の動きが悪くなってしまいます。
これらお茶にもお酒にもいえますが、水の温度はもちろん冷たいよりは温かい方が身体には負担になりませんが、その水分の温度が身体を温めることはありません。
マグカップに入れておいたお湯が熱を放散して冷めてしまうように、お湯の熱は身体を通過してしまうだけです、熱の放散した後には体を冷やす水だけが残ります。
ついでに生姜は体の表面を温めますが、熱を発散してしまいますので、身体の中心部は冷えてしまいます、やはり飲みすぎは注意したほうが良いでしょう。
アトピーなどの体質改善には
まず大事なのは、食べ物の性質を細かく見るよりも、自然のものを選ぶことが必要です。自然に発酵させて作った味噌や醤油には、大腸を整えてくれる有効な菌がたくさん含まれています。
これらのような、体を滋養してくれる材料を使った食事を中心にすることが大事です。そこで昔ながらの野菜を多めにして、魚と肉を少しとるような生活で体を作っていきます。
そのうえで、ご自身の体質の傾きを知り、それに合わせた食事内容に工夫していきます。ただしアトピーの方の場合は単純に熱だけとか、冷えだけとかと分けられることは少ないので、慎重に行う必要があります。
(食べ物の性質一覧)
(熱)
蒸留酒・羊肉・シナモン・胡椒・唐辛子
(温)
梅・桃・くるみ・イカ・エビ・うなぎ・くらげ・牛肉・にんにく・ねぎ・にら・かぼちゃ・玄米・もち米・らっきょう・にんじん・しょうが・たまねぎ・味噌・酢・紫蘇・ぶり・さば・あじ・まぐろ・いわし・日本酒・赤ワイン
(平)
豚肉・鶏肉・たまご・鯉・あわび・たこ・ほたて・かつお・たい・さんま・さつまいも・胡麻・あずき・とうもろこし・米・大豆・山芋・里芋・椎茸・きゃべつ・チンゲンサイ・レンコン・ブロッコリー
(涼)
醤油・豆腐・ヨーグルト・みかん・びわ・イチゴ・大根・メロン・小麦・牛乳・レタス・セロリ・すもも・梨
(寒)
すいか・グレープフルーツ・キウイ・バナナ・柿・鮭・かに・はまぐり・あさり・しじみ・のり・昆布・ひじき・大麦・麦茶・そば・ビール・なす・とうがん・ごぼう・ほうれん草・きゅうり・もやし・とまと・たけのこ・白菜・苦瓜・塩・緑茶・白砂糖