小周天

気と小周天と瞑想

小周天を練習している方の目的はいろいろあるかと思いますが、体調が悪くなってきたので、あるいは健康に不安がある、などの理由ではじめられた方もいるかもしれません。

 

ここでは、小周天による病気治療の事を、私自身の経験と中医学的な観点から詳しく見ていきたいと思います。

小周天とは

 

中国には気功法の源流となった、仙道という肉体と精神の鍛錬法が伝承されています。この仙道に小周天と呼ばれる技術があります。

 

小周天とはどういうものかと簡単に説明します。

 

まずは、へその下の丹田に意識の集中と呼吸法によって気を集中的に生じさせます。次いでその生じた気を背筋に沿って頭の方に上げて、さらに身体の前面に沿って気を降ろして丹田に戻してきます。

 

この気の一周を小周天と言い、身体の前後を中心に気が良く巡るようになるために、健康増進にとても役立つと言います。

 

 

小周天の概要

 

その小周天を、中国では病気治療のために患者に体得させると言います。

 

もともと仙道では不老長寿を肉体の基本として、その上でストレスからの解放や、精神的に成長するための修行法として発達してきました。

 

精神的に成長と書きましたが、現在では精神とは一つの言葉つまり、心や意識を表すこととして使われるのがほとんどです。

 

しかし、本来の「精」とは肉体から作られる食べ物や呼吸によって得られるエッセンスを指し、「神」は心や意識を指す言葉でありますから、精神の成長とは、肉体の健康の基に意識の解放を目指すことに他なりません。

 

実際、仙道の別の名称を性命双修法といいます。

 

命とは肉体的な健康を意味し、性とは性質や性(さが)の言葉から意識のことを指しています。この二つをバランスよく修めて行かないと上達は難しいと言います。

 

精神という言葉といい、性命という言葉といい、中国哲学の考え方の根本では陰陽のバランスを大変重視します。

 

小周天の病気治療の実際

 

さて先ほど、中国では小周天を病気治療のために用いると書きましたが、実際のところ小周天で病気が治るのか?をご説明したいと思います。

 

東洋医学には壊病(えびょう)という症状があります。

 

壊病とは何かと簡単にいいますと、病気の原因とそれによる結果が複雑に絡み合ってしまい、治療するのにとても苦労する状態のことをいいます。この壊病に陥ってしまった患者に対して、中国では小周天を体得させて病気に対抗させると言うのです。

 

そんな難しい症状に小周天を使うくらいだから、小周天は病気にとても有効なのではないか?と言いたいところですが、実際には病気になってしまった方が、小周天だけで病気を治そうとしても病気は治りません

 

それどころか、ご自身の体質を無視した方法で行うと病気が悪化したり、健康な方でも、偏差と呼ばれる病気のような症状になって、却って健康を害することもあります。

 

ただし小周天を体得するために、体質を考慮した食事療法や漢方薬などによる治療と、ストレッチや運動を適切に行い、さらに食べ過ぎ飲み過ぎ、夜更かしや過労などの歪んだ生活習慣を改善していくことで体調は少しずつ改善していきます

 

つまり小周天の上達のために体調を整えることで健康が回復し、それがまた小周天の上達につながる好循環になっていきます。

 

違った点から説明いたしますと、小周天が上達してくるにしたがって、呼吸と意識によって生じさせた気が、血や津液を伴って身体の前後をしっかりと巡るようになってきます。

 

するとそれまで充分な気血が巡らなかったために、体内の臓器が正しく機能していなかった状態から、充分な気血が巡ってくるようになるので、臓器の機能は回復して正しく働きだすようになります。

 

それによって、本来あるべき状態を取り戻すことにつながります。

 

小周天とリラックス

 

また意識の集中と呼吸法によって、心の状態も安定しやすくなり、社会生活を送る上でのストレスの解消にもなります。

 

現代生活ではパソコンやスマホなどの使用にともない、目を使うことが多いために頭部にエネルギーが集中しやすく、それによって頭の働きはやや過剰になり、空回りのような状態になっている方が多く居られます。

 

小周天を練習することによって意識を降ろしやすくなりますので、頭の方に過剰に集中したエネルギーが下降することにより、リラックスしやすくなります。

 

そのため現代では特に多い、ストレスが原因によって起こる症状には大変有効であると考えられます。

 

小周天による偏差とヒステリー
小周天と病気 前回、小周天では病気は治らない。それどころか体質を無視した方法で行うと却って悪化すると書きましたので、その辺のことについてもう少し詳しく書いていきたいと思います。 八綱弁証(はっこうべんしょう) 東洋医学には...

 

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