痛み止めが効かない

痛みの原因は?

痛いときにお世話になることの多いお薬が痛み止めです。頭痛や生理痛などのために常備している方も多いと聞きますが、東洋医学的な視点から見ると、痛み止めは、痛み増しになっているのではないかと思うことがあります。

東洋医学では痛みの原因は「不通則痛」であると考えます。つまり体において必要な巡る物(気血)が、何らかの原因で通っていないから痛むのだといいます。この場合東洋医学では痛みを解消するために、通っていない物を通すことで痛みを解消します。それを「通則不痛」といっています。

ですから東洋医学の場合、殆どの痛みの場合において、血流の改善を促すなどの方法で、体の活動を活発にすることによって痛みを解消していきます。しかし通常の痛み止めの場合、体で起きている現象から解釈すると、体の機能を低下させるように働いています。

痛み止めの性質を東洋医学的な視点で見ると

ロキソニンなどは痛み止めとして聞くことが多いお薬ですが、解熱鎮痛薬と言われるとおり、体の熱を下げる働きがあります。また副作用として浮腫みを生じさせることもあることから、体に不必要な水分を停留させる働きもあるようです。

東洋医学では、体の活動の原動力は熱(気)であると考えています。その熱によって血や津液(水分)の流れを活発にさせ、体の働きを充実させているのですが、その原動力である熱が、長期に漫然と使用する痛み止めによって低下させられると、体の働きが低下してしまい東洋医学的な痛みの解消とは逆方向に向かうことになります。

関節の痛みから考える

関節痛を例に挙げますと、関節の内部は関節腔といって、滑液によって満たされています。その滑液は、関節の動きを滑らかにする潤滑液の役目と、関節腔の内部は血液が入り込めないために関節軟骨を栄養する働きもしています。

その滑液も、関節腔内に固定して存在しているわけではなく、関節腔の周囲を覆う滑膜による供給と回収を受けて、常に新しい状態に入れ替わることで正常に機能しています。

ですから関節周囲が何らかの原因で、淀んだ川のように流れが悪くなってしまうと、滑液が滞ってしまいます。そうすると関節において、こわばったり、重だるくなったり、腫れたりなどの、滑液の停留による不快な症状が発生しやすくなります。

腫れていると言うことは、東洋医学的には関節周囲に余分な水分が停留していることと考えます。つまり関節周囲に濡れたタオルを巻いているようなものですから、当然外気温によって冷やされてしまいます。

そうすると血管は熱を奪われまいとして細く閉じますので、ますます血行を悪化させ関節周囲の気血の流れは悪くなってしまいます。そこから更に悪化すると関節周囲の腱や筋肉などが硬くなり、関節の拘縮や変形などを生じさせてしまいます。

では逆に、乾燥して熱を持った関節なら効果があるのでは?と思われるかもしれません。その乾燥し熱を持った関節は、熱波によって干上がった川のような状態に例えられますが、その干上がった川に潤沢で清らかな水を提供することで熱を冷ますためには、周囲の環境がしっかりと循環していないと水を届けることは出来ません。

そのため痛み止めの漫然な使用は、体の循環の原動力を抑え付けてしまうために、関節周囲において、やはり供給と回収は阻害されてしまい、干上がった川のままの状態が続くことになってしまいます。この場合熱によって関節腔内の滑液は熱によって煮詰められ粘っこい糊のような状態になってしまい、関節の動きが妨げられることにもつながります。

活発な細胞分裂が軟骨の健康を保つ

それと良く耳にするのが、軟骨がすり減っているから痛みが出ると言って、コラーゲンやヒアルロンサンなどの軟骨の「材料」を飲まれている方もいらっしゃいますが、どれだけ材料を摂りこんでも、その材料が軟骨まで届かなければ意味がありません。

材料をしっかりと届かせるためにも、滑液の供給と回収による関節周囲の循環がきちんと行われていることがとても重要です。また軟骨が健全さを保つためには材料の提供だけでなく、活発な細胞分裂が必要で、そのためにも体の熱(気)が重要になってきます。

東洋医学的な考えとの違い

これらのような場合、東洋医学では、関節周囲の淀んだ川の流れのような状態を改善するために、身体を巡る気血を温め動かす漢方薬を主体にし、関節周囲の滞った余分な水分を排除し、細胞分裂の活発さを助けていくことを考えます。

こうして考えるとロキソニンなど痛み止めの、熱を冷まし、体に不必要に水分を停留させる作用は、関節の治療にとっては逆効果にしかなっていないように感じます。

もちろん痛みの強い時に併用するのは有効かと思います。しかし頭痛や生理痛などで常備している方が多いと書きましたが、今はドラッグストアやネットで気軽に手に入れることができるようになったので、漫然と習慣的に服用されている方が多くいるように感じます。

痛みがあったら、まずは医師の診断を

ですが頭痛などは、ときに怖い病気の場合もありますし、関節痛のように痛み止めが逆効果になり却って痛みを作る二次的な原因になっている場合もありますので、自己判断はせずに医師の診断を受けることが大切です。

生理痛なども体の大元の熱が冷えていることで、下腹部周辺の循環が悪くなってしまい起こっていることが多いようです。やはり痛み止めによって体を冷やすことは、関節痛と同じく逆効果となり、痛みを作る二次的な原因であるようにも感じます。

痛みの根本からの改善を目指すには

はっきりとした原因が無い痛みや、中々良くならない慢性的な痛みの場合は、生活改善で体質を変えることにより痛みを治す方法で、漢方薬や食事療法、気功法などを取り入れていく方が、痛み止めに頼るよりもずっと近道かと思います。