こんにちは。
ながつか漢方堂です。

熱中症予防に良いおススメの飲み物が知りたい。
それと、一日にどのくらいの量を
飲んだ方がいいのかも知りたい。
これから夏になるにしたがって
今年も暑くなりそうなので熱中症が怖いけれど
売っているドリンク類では
砂糖や塩分の問題があって不安なので
熱中症予防の水分補給の情報が知りたいです。
と悩んでいませんか?
本記事では、下記の内容を詳しくご説明いたします。
この記事の内容
- 熱中症予防におススメの飲み物
- 熱中症を予防する水分の摂取量
この記事を書いているのは、漢方薬、気功、自然療法を実践し始めて30年以上。
世界中医薬学会連合会認定の、国際中医専門員がお伝えいたします。
この記事を動画にしました。
今回は、熱中症を予防する飲み物、というテーマでお話しします。
まずは、熱中症とはどのような原因で起こり、体がどのような状態になっているのかを見ていきましょう。
熱中症の原因
真夏のように暑い時や、活動によって体の中で生じた熱は、血流にのって体の表面へと運ばれていきますが、その熱は、末梢血管が拡張することで外部へと放散されることや、汗をかいて、それが蒸発するときの気化熱によって奪われることで、体温は一定の状態に保たれています。
ところが、外の気温が異常に高すぎてしまうと、毛細血管を拡張しても熱がうまく放散されなくなりますし、湿度が高ければ、汗をかいても蒸発しにくくなるので、気化熱がうまく働かなくなって熱が奪われないので、体に熱がこもり体温が高くなっていきます。
体の中の熱がうまく発散されなくなると、体の中には熱がどんどん溜まってしまい、それによってますます汗が止まらなくなりますので、体のエネルギーである気も、体の潤いである陰も消耗してしまいます。
そうなると、気が足りなくなるため、心臓の働きをしっかりと活動させられなくなり、さらに、潤いが足りなくなるので血流はどろどろして血液の巡りが悪くなって、体や手足がだるい、息切れ、モノを言うのもおっくう、めまい、意識の消失などが出てくるようになります。
また、汗を沢山かくことによって、潤いの消耗が進んでしまうと、筋肉の収縮を調整している肝気の働きが異常を起こし、筋肉が痙攣をおこす様になってしまいます。
そこで、ここからは、熱中症予防に役立つ飲み物をいくつかご紹介いたします。
熱中症予防におススメな飲み物
うめはち麦茶
まずは、夏の定番の飲み物の麦茶を、簡単に熱中症予防の飲み物に出来る、梅はち麦茶を、ご紹介いたします。
材料は、梅干し、ハチミツ、麦茶です。
昔から、麦茶に梅干しは夏バテ予防にぴったりの飲み物として、ゴルフ場の休憩小屋などで、よく飲まれてきましたが、今回、改めてバランスの良い飲み物であると再認識しました。
まず、水分補給のベースとなる、麦茶に使われている大麦は、体を程よく冷やしてくれますので、熱を取る薬として用いられることもあります。
また、胃腸の働きを整えて、消化を促進する働きもありますので、夏バテによる食欲不振の解消にも効果が期待できます。
ビタミンやミネラルも豊富に含まれていますので、汗で出て行ってしまったミネラル類を補充するのも手助けしてくれます。
そして、梅は、酸味によって汗の出過ぎを止めて、喉の渇きを和らげる働きや、酸味成分であるクエン酸には唾液の分泌を促して食欲を増進させ、胃液やその他の消化酵素の分泌を高めることで消化吸収を助けてくれます。
また、梅干しに含まれている塩分は、胃液の原料にもなりますので、夏場の食欲不振を解消してくれます。
なぜ塩分が必要かと言いますと、塩分やミネラルを含まない水分ばかりを飲んでしまい、血中の塩分やミネラルの濃度が低くなってしまうと、熱中症の症状が悪化するからです。
そのため、梅干しによる塩分の補給はとても助けになります。
そして、ハチミツには体の潤いを補充する働きがありますので、汗によって失われた体の潤いを補給してくれるとともに、気を補う働きもありますので疲労回復も助けてくれます。
作り方は、ガラス瓶に梅干しを入れて少し崩しておいて、その上から蜂蜜をかぶるくらい入れておいて2~3日漬け込みます。
そして、飲みたくなったら、ハチミツと梅干をすくってコップに入れて、上から麦茶をかけて、梅干しを崩してからお飲みください。
面倒な方は漬け込むことは省いて、そのまま、コップに梅干しとハチミツを入れて崩してから、上から麦茶を入れて飲んでも構いません。
梅山楂子茶
続いては、梅と、山楂子を使った梅山楂子茶をご紹介いたします。
こちらは、作るのに少し手がかかりますが、夏の暑さからくる食欲不振などを解消してくれます。
材料は、梅干し、山楂子、ハチミツです。
梅は先ほども言いましたように、酸味によって汗を止め、胃液などの分泌を促してくれますので、食欲不振の解消に効果的です。
本来は、烏梅(うばい)で作るのが良いのですが、お手軽にできるようにするために、今回は梅干を使った方法でご紹介しました。
山楂子は、漢方では消化を助ける薬として使われることが多く、特に、脂っこい肉類の食べ過ぎによるお腹の張りや、腹痛、吐き気、下痢の解消に効果があります。
そのため、梅と同じく、胃液の分泌を促すことで消化を助け、食欲を増進することで熱中症の予防を助けてくれます。
また、血管を拡張して血液の流れを良くすることで、ドロドロした血液をサラサラにする働きもありますので、体の疲れを回復する手助けをしてくれます。
ちなみに、血管を拡張する働きによって高血圧の改善や、うっ滞するドロドロ血が取り除かれることで月経痛の緩和にも効果があります。
ところで、なぜ、食欲が減少してしまうのが怖いのかといいますと、食べ物を食べることによって作られたエネルギーの7割ほどが基礎代謝に使われ、そのほとんどが暑さ寒さと言った環境への対応に使われると言われているからです。
そのため、熱中症対策だと言って、冷たいものの食べ過ぎや飲み過ぎによってお腹の働きが低下すると、かえって熱中症をおこしやすい原因を作ることになります。
では作り方ですが、水を入れた鍋に、山楂子を入れて沸騰させ、30~40分程煮ます。
ほど良い香りが漂ってきたら、火を止めて、粗熱が取れたら、梅干しハチミツを入れたコップに煮汁を加えて、梅干しを崩したら完成です。
注意点としては、今回ご紹介するどのジュースもそうですが、ハチミツが使われていますので、1歳未満の子供には使わないようにすることと、山楂子には血行を改善する働きがありますので、妊娠中の方は飲まないようにして下さい。
ハチミツレモン緑茶
最後に、もっと手軽な飲み物として、ハチミツレモン緑茶をご紹介します。
材料は、ハチミツ、レモン、緑茶の3つです。
レモンは、酸味によって汗の出過ぎを止め、喉の渇きをやわらげる働きと共に、胃液の分泌を促すことで、食欲不振を解消してくれます。
香りによって気を巡らせてくれますので、暑さによるストレスにも効果がありますが、特に、皮の部分に含まれている成分によって、その働きが強まると言われていますので、国産の農薬をあまり使用していないレモンでしたら、捨てずに全部使ってください。
そして、緑茶には、体の熱を冷ます働きがありますので、漢方薬では、熱による頭痛や、喉の渇きを解消するのに使われています。
ちなみに、緑茶は漢方の世界では、温めて少なめに飲まないと、体が冷えすぎてしまい、吐き気、動悸、めまいなどに、さらに空腹時に沢山飲むと、腰痛や膀胱の痛みを引き起こすと言われていますので注意が必要です。
ところで、熱中症を予防するには、水分をどのくらいの量を飲んだ方が良いのかといいますと、あくまで、目安ですが、1日に200mlのコップで6~8杯分の水分が良いとされています。
ただ、ご紹介したジュースも含めて、あまり冷やし過ぎた物を飲み過ぎると、先程説明しましたように、お腹の働きが弱ってしまい、かえって、熱中症に対抗するだけのエネルギーが不足してしまいます。
また、全ての飲み物に塩が入っていますが、大量に汗をかいたような場合には、飲む水分の中の塩分の割合が0.1~0.2%になるようにすると良いと言われていますので、例えば、ハチミツレモン緑茶の場合、1リットル作ったら1~2gの塩分を加えるように加えるようにしてみてください。
まとめ
ではまとめです。
熱中症の原因は、体の中の熱を血管からの放出や汗によって冷まそうとしても、外の温度や湿度が高すぎることで、上手く熱を逃がせないことで起こっています。
それを解消するために、梅干し、ハチミツ、麦茶で作るウメハチ麦茶、梅干し、山楂子、ハチミツで作る、梅山楂子茶、ハチミツ、レモン、緑茶、お好みでハッカと塩を加えて作る、ハチミツレモン緑茶をご紹介しました。
1日の水分摂取の目安は、1200mlです。
今年の夏は、平年よりも高くなるのではないかという予報がでていますので、それだけでも熱中症の危険が高いのですが、さらにマスクをして過ごさないといけない事から、ますます気を付けないといけなくなりそうです。
適度に体を冷やしてくれるこれらの飲み物で、今年の夏を乗り切ってください。
今回は以上です。