こんにちは。
ながつか漢方堂です。

風邪の食事にお悩みの方へ。
風邪の時に食べたら悪化してしまう食べ物が知りたい。
それと、風邪の時に食べると良い食べ物が知りたい。
風邪をひいてしまうと
薬を飲んでもなかなか治らないので
早く治すために風邪に良い食べ物の
情報が知りたいです。
と悩んでいませんか?
本記事では、下記の内容を詳しくご説明いたします。
この記事の内容
- 風邪の時に食べたら悪化する食べ物
- 風邪の時に食べたい体が喜ぶ食べ物
この記事を書いているのは、漢方薬、気功、自然療法を実践し始めて30年以上。
世界中医薬学会連合会認定の、国際中医専門員がお伝えいたします。
この記事を動画にしました。
今回は、風邪の時に食べない方が良い食べ物と言うテーマでお話しします。
後半では、風邪の時に食べた方が良い食べ物の解説もします。
風邪の時に食べたら悪化する食べ物
風邪をひいたかな?と思ったら、もち米、粘っこいモノ、酸っぱいものは控えましょう。
東洋医学では風邪を、外邪が体の中に侵入してきた状態と考えています。
もう少し詳しく言いますと、風邪の原因には、細菌やウイルスなどが鼻やのどに侵入してしまって起こるものの他に、気候の変化が激しく、それに体の方が対応しきれなくなることでも起こっています。
そのため、風邪に罹りにくくするためには、外部に接している体の表面の働きを高める必要がありますが、この体の表面の防御作用を「衛気」と言います。
しかし、衛気の働きが低下してしまい、細菌やウイルスなどが侵入してしまったり、大きな気候の変化によって体調が崩れたりした場合には、それぞれ入ってこようとする邪を外側へと追い出すことで体の内側を守ろうとします。
この場合、寒気を強く感じる、汗をかかない、体がだるく痛みがあるような場合には、冷えを伴った邪が侵入していると考えて、荊防敗毒散などで発汗させて冷えを外側へと排除します。
同時に、鼻やのどからは分泌液が盛んに放出され、繊毛運動が活発になって、さらに、抗ウイルス作用なども加わって、細菌やウイルスを外へと追い出しています。
つまり、毛穴からは汗として、鼻やのどからは分泌物や繊毛運動によって外邪を追い出そうとしてしますので、風邪を治すためには出口を確保しておく必要があります。
ところが、もち米や、粘っこいもの、酸っぱい食べ物には、汗を止めて出口を塞ぐような働きがあるので、いざ風邪をひいてしまった時に、外へと追い出して治したい場合には、かえって風邪が治るのを邪魔してしまうことになります。
では具体的に、風邪の時には控えた方が良い食べ物をご紹介します。
もち米の特徴
もち米には、体を温めることで体の機能を高め、出すぎて困るものを留める働きがあります。
お腹が冷えて弱っていることで下痢をしやすい方や頻尿の方の、出すぎて困る便や尿を体に留める働きや、身体の表面の働きが弱ってしまうことで、汗が出て風邪をひきやすい方などの場合に、衛気の働きを強くすることで汗の出過ぎを止め、風邪の予防をすることに役に立ってくれます。
ただし、先ほども言いましたように、風邪をひいてしまった場合には、邪を外側へと追い出したいわけですから、風邪の時は控えた方が良いでしょう。
また、温めて下痢を治してくれますので暑がりで便秘しやすい方、ニキビや湿疹のできやすい方、蓄膿症、慢性気管支炎、アレルギー体質の方は食べ過ぎないようにしてください。
粘っこいモノ
粘っこいモノ、甘いもの、脂っこいものなどは、消化器官に負担がかかり、風邪を追い払う力が低下しますので風邪の時には向いていません。
どうしても風邪をひくと「栄養のあるモノを沢山食べて早く治そう」と考えてしまいがちですが、逆効果になることがあります。
例えば、風邪をひいたときに食欲が低下する方がいると思います。
これは、体中の気を総動員して風邪を追い払うために戦っていますので、食べ物を処理することにエネルギーを割いていられないため、身体としてはわざと食欲を低下させて、食べさせないようにしています。
ところが、粘っこいモノは消化吸収するのに大きなエネルギーが必要になりますので、気はお腹の方に集中してしまい、身体の表層に気を配分することが出来なくなり、その結果、衛気が弱くなってしまうので、風邪が治りにくくなります。
また、揚げ物や脂身の多い食べ物など、脂っこいものは消化に時間がかかるだけでなく、体の中で余分な熱が生じやすいので身体の熱感が強くなります。
そして、甘いものは食べすぎてしまうと、体の中でドロドロしたものを作る原因にもなります。これがひどくなると、甘いお菓子類の食べ過ぎによって、夜になると咳や痰が多くなる方もいます。
しかも、脂っこいものと甘いものを食べ過ぎてしまい、それらがお腹の中で煮詰められると、腸管の中で粘っこいモノが停滞することになるので、ますます気はそこで滞ることになって、表層へは向かうことが出来なくなるので、風邪が治らなくなります。
ちなみに、ヨーグルトなども脂肪の塊ですので、脂っこいものとなります。
酸っぱいもの
酸っぱいものには、出過ぎて困るものを止め、柔らかいものを固める働きがありますので、追い払いたい外邪を中に居座らせてしまい、風邪を治りにくくします。
汗が出て喉が渇くときには、レモンジュースや梅ジュースがとても美味しく感じますが、これらは、レモンや梅の酸味によって汗腺を閉じて汗を止め、甘い味によって疲労を回復させ潤いの補充をしているなど、体が必要としている状態だから余計に感じます。
しかし、汗腺を閉じてしまうことは、身体の表面の出入り口を閉じてしまう事になりますので、入ってきた邪を追い払うことが出来なくなります。
しかもこれら酸味には、咳を止める働きもありますので、咳によって外邪を追い出そうとすることにも制限がかかってしまうので、余計に邪を体の中に留めることにつながります。
もちろん出すぎている場合には、止めてくれますので体はとても助かります。
例えば、梅醤番茶のように、生姜などを混ぜて作る場合には、組み合わせによって効能が変わりますので、上手に使うと効果的です。
風邪の時に食べたい体が喜ぶ食べ物
風邪をひいたかなと思ったら、体を温めて発散する食べ物がおススメです。
今回は、生姜湯と梅醤番茶をご紹介します。
生姜湯
まずは、手軽に作れる生姜湯から。
生姜湯は、生姜で体を温めて身体の表面から外邪を発散し、葛粉で生姜の発散を手助けしつつ潤いを補充して、レモンで咳などの出過ぎを止め、蜂蜜で気や潤いを補充して、疲労を回復して、邪を発散する働きを体力補充の面から応援します。
材料
- しょうが 10g
- ハチミツ 大さじ1
- レモン汁 小さじ1
- 葛粉 小さじ1
- お湯 200ml
作り方は、生姜をすりおろし、ハチミツ無ければ黒砂糖、レモン、葛粉をカップに入れて、お湯を注いで出来上がりです。温かいうちに飲んで、早めに寝ると良く効きます。
美味しく、ジュースの様に飲めますのでお試しください。
梅醤番茶
梅醤番茶は、体を温めながら、余分な熱も冷ましてくれます。
梅干しは、体を温めながら出すぎて困る咳を止め、醤油は体にこもった余分な熱を冷まし、生姜は体を温めながら発散し、番茶の殺菌作用によって侵入したウイルスを攻撃します。
材料
- 梅干し 1個
- ショウガ 10g
- 醤油 大さじ1
- 番茶 100ml
作り方は、湯呑に梅干しを入れてつぶし、醤油、ショウガ入れて、上から熱い番茶を注ぎ入れて完成です。
場合によっては、ここへネギや葛粉を入れると、より発散作用が強くなり、身体が暖まりますのでおススメです。
スープとして、食事に一品加わりますので、風邪をひいて食欲不振の時に助けられます。
これらを飲みながら、腹八分目にして早く寝るようにすると良いでしょう。
どうしても寒気が強い場合には、コンニャク湿布で丹田を重点的に温めるようにすると、体の中で何かが動き出すのを感じ、体が楽になりますのでお試しください。

今回は以上です。