こんにちは。
ながつか漢方堂です。

花粉症にお悩みの方へ。
花粉症に良く効くおススメの
市販の漢方薬が知りたい。
というか、本当に漢方薬が
花粉症に効果があるのかも知りたい。
毎年、この時期になると
花粉症の症状が辛くなってくるけれど
病院に行っている時間もないので
自分でできる体質改善の
やり方とか知りたいです。
と悩んでいませんか?
本記事では、下記の内容を詳しくご説明いたします。
この記事の内容
- 花粉症におススメの漢方薬と理由
- 花粉症体質を改善する生活習慣
この記事を書いているのは、漢方薬、気功、自然療法を実践し始めて30年以上。
世界中医薬学会連合会認定の、国際中医専門員がお伝えいたします。
この記事を動画にしました。
今回は、花粉症を軽くする漢方薬というテーマでお話しします。
鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどあるけれど、忙しいから市販の薬でちょっと症状を抑えられたら助かるのに、とお悩みの方へお届します。
前半では、花粉症になる仕組みとおススメの漢方薬のご紹介、後半では花粉症体質を改善するための生活習慣の注意点をお届けします。
花粉症におススメの漢方薬と理由
花粉症になる体質的な原因を漢方薬で改善することで、症状は軽くなります。
それを解説するために、まず始めに、花粉症になる仕組みを簡単に説明していきます。
花粉症は簡単に言いますと、身体の表面を、外側からやってくる侵入物から守っている働きである「衛気」の不具合が原因です。
花粉が、目や鼻の粘膜に侵入してくると、身体は、目からは涙を、鼻からは鼻水を、そしてくしゃみをする事で、追い払おうとします。
それらの働きによって追い払うことが出来れば、涙も鼻水もくしゃみも落ち着いて、身体は正常な状態に戻ります。
花粉症の時期は身体も変化する
しかし、花粉症の多くなる時期は、身体の方も季節の変化に応じて変わってきています。
冬の間は体の内側を重点的に巡っていた気が、春になるにつれて、身体の外側へと気の勢いが盛んになってきますので、その変化に対応できていないと衛気の調子が悪くなり、花粉による外側からの影響を受けやすくなって、症状が強く出てくるようになります。
例えば、冬の間に体を冷やす食べ物や飲み物を摂り過ぎてしまうと、体の中が冷え、水が充満して巡りが悪くなるため、水風船ができたかのように、余分な水分がたまった部位ができてしまいます。
そこを花粉によって刺激されると、涙や鼻水によって追い払おうとしますので、その働きをきっかけにして、一気に水風船が破裂したようになって止まらなくなります。
体の気の動きは、外側へ外側へと強い勢いがあるので、なかなか止まりません。
しかも、水風船が停滞したかのようになっていると、血管が圧迫されて、その先へ、涙や鼻水の材料となる潤いは届けられなくなります。
そうなると、花粉がやってきて追い払おうとしても、涙や鼻水が足りないので、追い払えなくなるし、やはり気だけはどんどん送り込まれるので、炎症が強くなって痒みが治まらなくなります。
ストレスも花粉症に影響する
また、ストレスを強く感じることが多い方の場合、気が滞って、膨らんだ風船の様に充満します。
そこへ花粉がやってくると、追い払おうとする気の勢いによって、一気に爆発して、くしゃみが止まらなくなります。
しかも、気が滞ることで熱が生じてしまうと、まずます水の巡りも気の巡りも悪くなりますので、乾燥や熱の症状が強くなって花粉症の症状がさらに悪化します。
花粉症の症状を軽くするために、比較的症状の軽い、早めのうちから、市販の花粉症の薬を飲んでいる方もいますが、薬によっては副交感神経を遮断して、体の緊張を強める事があります。
そうなると余計に気の滞りが強くなり、かえって炎症や痒みが強くなることがありますので注意がひつようです。
では、ここからは、花粉症におススメの漢方薬
- 越婢加朮湯+消風散
- 藿香正気散+辛夷清肺湯
をご紹介します。
まずは、越婢加朮湯+消風散から、
越婢加朮湯+消風散
越婢加朮湯+消風散の組み合わせは、花粉症の症状を軽くする働きをほぼカバーしてくれます。
花粉症が悪くなる理由には、気や水の巡りが悪くなって、侵入してきた花粉に対して、反応が過剰に大きくなってしまう事があります。
それを解消するためには、気や水の巡りを改善する必要があります。
越婢加朮湯は、麻黄、石膏、蒼朮によって構成されていて、これらによって停滞している気や水を強力に動かしながら、余分な熱を冷まし、余分な水を発散して解消します。
そこで、消風散で潤いを補充しながら、熱を冷まし、余分な水を排除することで膿も解消し、痒みを止め、表面で発散するのを助けて、侵入してくる花粉を追い払う働きも応援します。
ちなみに、消風散は、荊芥、防風、蒼朮、木通、石膏、知母、苦参、地黄、当帰、牛蒡子、蝉退、胡麻、甘草、の13種類の生薬で構成されています。
この漢方薬の組み合わせによって、多くの方の花粉症の症状が収まると思うのですが、胃のもたれる地黄などが入っていますので胃腸の弱い方や、麻黄が入っていますので高血圧気味の方や心臓疾患のある方などに方などにはおススメできません。
そこで、それらの入っていない漢方薬の組み合わせとして、藿香正気散+辛夷清肺湯をおススメします。
藿香正気散+辛夷清肺湯
藿香正気散+辛夷清肺湯は、鼻水や鼻詰まりが多いなど、水の巡りの悪さを解消してくれます。
鼻水や涙が多くなる理由の一つとして、お腹の働きの悪さがあります。
季節に関係なく冷たいものを食べたり飲んだりしている、空腹感もないのに食事をしているなど、身体が必要とする以上に体の中に飲食物が入ってくると、お腹に負担がかかります。
そうすると、消化腺をはじめとした分泌腺の働きが失調したり、血管から水分が漏れ出てしまったりして、余分な水分があちこちに停滞するようになり、涙や鼻水が止まらなくなる材料を溜め込むことにつながります。
藿香正気散は、白朮、半夏、茯苓、厚朴、陳皮、桔梗、白芷、蘇葉、藿香、大腹皮、大棗、生姜、甘草13種類の生薬で構成されていて、お腹の働きを応援することで、停滞している水分を動かされるので、余分な水分が排除されるため、体の中がかなり乾燥します。
そのため、さらさらした無色透明な鼻水が止まらないような花粉症の場合におススメです。
ただし、鼻水が出るだけではなくて、鼻詰まりもあるし、目や鼻の痒みもあるような場合には、藿香正気散だけだと乾燥させる力が強いので、これだけを使い続けていると余計に炎症や痒みなどが強まることがあります。
そこで、辛夷清肺湯を足すと、鼻の通りを良くしつつ、余分な熱を解消しますので痒みなどにも対応できます。
辛夷清肺湯は、辛夷、枇杷葉、升麻、知母、麦門冬、百合、石膏、黄芩、山梔子の9種類の生薬で構成されています。
また、鼻や目などの潤いを補充し、余分な熱を下向きに引き降ろして炎症や痒みを解消します。
この組み合わせによって、余分な水が排除されて、気や水の動きが回復して、余分な熱が解消されますので、越婢加朮湯+消風散の組み合わせが使えないような方はお試しください。
また、脂っこい物や甘いものの食べ過ぎや飲み過ぎによって、お腹の中にドロドロしたものが停滞しているような方の場合には、茵蔯蒿湯を合わせるのも良いです。
特に、小便や大便の出が悪く、喉が渇き、舌の奥の苔が黄色っぽく見えて、身体が熱っぽく感じることが多い方におススメです。
花粉症体質を改善する生活改善
花粉症体質を変えるためには、冷たいものや体を冷やすものの食べ過ぎ飲み過ぎや、ストレスをため込む生活、睡眠不足を改善しましょう。
先ほども言いましたように、気や水の巡りが悪くなることが、花粉症を悪化させる原因です。
特に食事は大切で、牛乳やサラダ、スムージーなど、体を冷やすものの摂り過ぎによって、気や水の動きが悪くなってしまうと、水は停滞して、水風船になって鼻水や涙があふれ出てくるようになります。
そして、ストレスをため込む生活が続くことで気が滞るようになると、それによって風船が膨らむようになるので、花粉の刺激で爆発すると、くしゃみが止まらなくなりますし、余計な熱が生じることで痒みも炎症も悪化します。
しかも、そうなることで、喉の周辺が熱を持ってしまうと、冷たいものや冷やすものが、やたらと欲しくなる悪循環にもなってしまいます。
さらに、睡眠不足は必要な潤いが不足しますので炎症や痒みが強くなり、気が不足することで、気や水の巡りを悪くさせますので、花粉症の症状はますます悪くなります。
食生活を改善するには、空腹感を感じたら良く噛んで食べるようにする、喉の渇きを感じたら飲むようにする、などとともに、冷たいものは季節外れの時期には食べすぎないようにします。
アスファルトに種を撒いても芽は出ませんが、程よく肥料をまいた土壌からは芽が出てきます。
「花粉症の症状」という芽が出てしまう土壌にしないためにも、無理のない範囲で少しずつ変えて行ってみてください。
今回は以上です。