
杏(あんず)って美容によいのかしら?
どんな効果があるのかな?
普段、何気なく食べている杏(アプリコット)
杏は6~7月が旬で、生の杏は出回る時期が短く、加工品として手に取ることが多いと思います。ドライフルーツ、ジャム、ジュース、杏仁豆腐、あんず酒などに使われています。
今回は【杏の効能】と【杏ジュースの作り方】について書いていきます。
杏の効能
杏の栄養価
杏はβカロテンが多く含まれています。β-カロテンは体中でビタミンAとして働き、目や皮膚の健康に効果的とされています。健康な皮膚の形成をサポートし、肌のハリや潤いを保ち、紫外線から肌を守ってシミやシワを防ぐと言われます。
「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より
食物繊維は便秘予防、腸内の免疫強化に効果があります。食物繊維のを多く摂取すると、体によいとされるビフィズス菌などが優勢になり、有害なウエルシュ菌などが抑え込まれます。
便秘になると、第2の排泄器官である皮膚から老廃物が排出され、肌トラブルになります。
「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より
β-カロテンはシミやシワ、食物繊維は便秘予防があるので、杏は【美肌に効果的】と言えます。
薬膳からみた杏
杏(あんず)
- 性味:温/甘酸
- 帰経:肺大腸
- 効能:潤肺定喘(肺を潤して、咳、喘息を止める)
- 生津止渇(水分を生み、渇きを止める)
- 適応:暑気あたり、慢性下痢、咳、痰
「食物性味表」日本中医食養学会より
帰経が肺大腸なので、皮膚に作用します(下図)。効能からも潤す作用があることが、わかります。
また杏の種は「杏仁(きょうにん)」といい、咳、喘息、便秘改善の漢方薬になっています。
杏仁豆腐の材料の「甜杏仁」として使われています。
薬膳から見ても、杏は【皮膚や潤い、便に効果的】なことがわかります。
杏ジュース作り方 材料は2つだけ!!
材料

・生あんず・・・適量
・砂糖又は、ハチミツ・・・あんずの重量の80%
砂糖、ハチミツの目安は
- 長期常温保存するには、80~100%
- 短期間で飲む場合は、50%~
※糖度が低いとカビが繁殖しやすくなるので、冷蔵庫に入れ早めに飲んでください
あんずはこちらで購入。固めのあんずでジュースに向いています。今回は「信州大実」「信州サワー」の2種類でした。両方ともシロップ漬け、ジャムなど加工に適した品種とのこと。
また昨年も購入したのですが傷、虫食いが1つもなく、良いあんずでした。
杏ジュースの作り方
①杏を入れる容器を消毒し、水分が残らないようにする。(私はエタノールを吹きかけて、乾燥させています)
②杏のへたが付いていたら楊枝などで取り、洗う。
③杏の水分を取る。(水分が残っているとカビの原因になります)
④真ん中に包丁を入れ一回りし、上下逆にひねり、2つ割りにする。(中心に種ある為)
⑤種を外し、中心部に傷みがないかを確認する(外は大丈夫でも中が傷んでいることがある)
⑥重さを量る。重さの応じた砂糖orハチミツを用意する(今回は80%)
⑦容器に入れていく。
⑥砂糖orハチミツを入れる。(今回はてんさい糖)
⑦そのまま一週間くらい放置。杏が熟している場合は、1週間経ってなくてもOKです。
一日でかなりジュースが出てきます。
(下の写真は1日後、容器が小さく砂糖が入らない分を追加した後に撮影)
ジュースが出てくると杏が浮いて、浮いた部分の色が悪くなります。気になる方は清潔、水分のないスプーン、箸などで杏に上下をひっくり返してください。
⑧杏を取り出して完成です。
⑨糖度が高いので、お好みで薄めて飲んで下さい。炭酸やお酒で割ってもおいしいですよ!
杏ジュースが発酵してしまったら・・・・
杏ジュースがブクブクと泡が出て発酵してしまったら、加熱処理しましょう。
杏ではないのですが、
梅ジュースが発酵したときの加熱について、白ごはん.com運営者の冨田ただすけさんのブログで解説しています。
「70℃加熱で発酵をストップ」と書いてあります。杏も果物の発酵なので、大差ないと思います。他のサイトでも調べましたが、ほとんどの酵素が80℃で活性が失われるそうです。
冨田さんのブログで加熱処理について詳しく解説されていますが、簡単にまとめると
- 杏を取り出す
- ジュースを鍋に移して加熱
- アクをすくって、70℃まで加熱
- 風味を飛ばさないために、すぐに氷水で冷却
- 冷めたら清潔な容器に入れて、冷蔵庫保存
加熱しすぎると風味が少なくなりますが、発酵は止まりますので安心して下さい。
ブクブクと発酵していると思ったら、早めに加熱処理してください。
取り出した杏は捨てないで!!杏ジャムへ再加工
①取り出した杏は、そのまま又は、フープロなどで細かくする。
②作った杏ジュース適量+砂糖を適量加えて、弱火で煮詰めていく。焦げやすいのでこまめにかき混ぜる。
③好みの固さの直前で止める。(冷えると固くなる)
④清潔なビンに移して、完成!!
ヨーグルト、パン、ケーキなどにお使いください。
杏の出回る時期は短いので、スーパーやネットで見つけたら即買いです!!
無添加ジュース、ジャムはおいしいですよ!
容器は4Lガラス瓶がオススメです。梅ジュースを作るときにも使えます。
参考文献