【50代後半 女性】
もともと胃腸の不調から偏頭痛を起こしては、寝込んでしまうパターンを繰り返していたそうですが、長年のストレスがさらに悪化して、血圧や不整脈、不安感、孤独感、絶望感など湧き上がってきて、気持ちもつらくなってしまったとのご相談でした。
顔色は赤ら顔で、皮膚は乾燥、髪の毛も乾燥して細く、舌の形は厚ぼったくて、色は赤っぽく、舌に歯の痕が見られます。
眠りが浅い、夢を見ることが多い、不安感が強い、忘れっぽいなどから、脳の働きを穏やかにするための潤いとなる心血の不足や、こもった熱の存在が考えられます。
下肢に浮腫みがある、舌の形が厚ぼったい、雨の日に体調悪い、胃の中でチャポチャポ音がするなど、体の中央から下にかけての部位には、余分な水分が停滞しているようです。
背景として、舌に歯の痕がある、腰や膝に疲れや脱力があることから、気血を巡らせる原動力となる、体の芯部の熱源である腎陽には不足があるようです。
食べると腹が張りやすく、胸が張って苦しく、痞える感じがするなど、気が滞ってしまっている様子がうかがえます。
気の滞りによって、気の流れは上昇過剰となっているため、肩こりがある、ゲップやガスが出ると楽になる、喉に何かが引っかかる感じがするなどとなり、末端部へは血や潤いが届けられないため、皮膚が乾燥しやすい、唇が乾燥しやすい、爪が脆い、目が疲れやすく乾燥しやすいとなります。
そして、上方では熱がこもるため、その熱の過剰な状態と、冷却するための潤いが届けられないことにより、脳の働きが過剰になってしまい、眠りが浅い、不安感が強い、夢を見ることが多いなどの、状態になっているのかと思います。
解決するためには、漢方薬も自然療法も、お腹の働きに負担を与えてしまっている、余分な水分を排除する必要がありますので、喉の渇きを感じてから、適度の水分量を摂取するようにとアドバイスしました。
また、脳で感じている事を、意識によって変えることは簡単では無いと思いますので、呼吸や体の緊張を取り除くなど、行動を変えることで体の方を変化させて、考え方や捉え方が自然に変わっていく事を目指すようにとお伝えしました。
そのために、ストレッチなどを行った後で仰向けになって、吐く息を長めにした呼吸法をしてから、静かに瞑想を行うような気持で、お腹を軟らかく指圧するようにとアドバイスしました。